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2013/8/12 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
◆有識者に聞いたフリして消費税増税を独断で決める
国会は閉会、安倍首相も夏休みに入った。地元の山口県と河口湖の別荘で優雅な夏休みを過ごす予定だ。
衆参で多数を握り、この先3年間は国政選挙もない。やりたい放題の独裁者になった安倍は、異例の長期休暇で牙を研ぐ。まず、手をつけるのが、庶民イジメの消費税アップだ。この政権は必ず実行する。
今月26日から、「消費増税有識者会議」が開かれることになった。座長は甘利経済再生相で、経済財政諮問会議の民間議員をはじめ、経団連など経済3団体のトップや経済学者、民間エコノミストなど約40人から意見を聞くという。
「そんなのはポーズに過ぎません。有識者会議を立ち上げ、多くの人の意見を聞いた上で、慎重を期して決めたというアリバイが欲しいだけですよ。安倍首相は来年4月の消費税アップを必ず実施する。なぜなら、早く増税の負担を国民に定着させ、次の選挙の前には痛みを忘れさせておきたいからです。選挙などのタイミングを考えたら、増税を決めるのは、この秋が最適だと考えているはずです」(政治評論家・浅川博忠氏)
8日の金融政策決定会合後の記者会見で、日銀の黒田総裁は「消費税を上げても成長が続く」と強弁した。しかも、上げなければ「金融緩和の効果に悪影響がある」などと脅しめいたことを言っていた。その黒田も、消費増税有識者会議のメンバーなのだから、何をか言わんやである。
このタイミングで、元経済企画庁長官の堺屋太一氏を内閣官房参与に起用することを決めたのも、ゴマカシの一環だ。
堺屋氏はかつて消費税率を引き上げた橋本政権を批判していた。つまり、増税反対論にも耳を傾けたというポーズを取るための煙幕ということ。ただのガス抜きである。
結論は決まっているのに、悩んだフリをしてみせるところがイヤらしいし、この政権の狡猾なところだ。
景気や庶民生活への影響を本気で心配していたら、「増税分はすべて社会保障にあてる」という約束を反故にして、福祉の大幅カットなんて話が出てくるはずがない。
まんまとパフォーマンスに乗せられていたら、気づかぬうちに国民はケツの毛までむしり取られることになる。
◆軍備はドンドン増強され自衛隊は国軍となる
「景気はちっとも良くなっていないのに、国民に消費税アップの負担を押し付け、1000兆円の借金があるからといって福祉をガンガン削る。そのくせ、軍事予算には惜しげもなくカネをつぎ込もうとしているのが安倍政権です。国民から巻き上げたカネで、軍事費を増やす。この軍事偏重路線こそが、この政権の危険な正体です。中国との対立をつくり出し、緊張感を高めることで、軍国化に突っ走ろうとしているのです」(政治評論家・森田実氏)
防衛省は、来年度予算の概算要求で1800億円以上の増額を見込んでいる。米軍基地再編のための経費が約200億円増、消費増税による装備品の調達経費が約200億円増、中国の太平洋上での活動に対する備えも増強が必要……といった具合。今年度予算で11年ぶりに増額に転じた防衛予算が、さらに大幅に膨張するのだ。
人事面でも着々と軍国化の布陣を敷いている。内閣法制局長官に集団的自衛権の行使容認派を据えたのに続き、内閣官房の安全保障・危機管理担当として自衛隊の長島純空将補を起用することも決めた。これまで自衛隊から内閣官房への出向は「2佐」が通例で、高級幹部の「将補」起用は初めてだ。
「総理の強い意向で実現しました。発令は22日付です。異例の人事だって? ホワイトハウスに軍人が入るのと同じですよ。これでようやく日本も『普通の国』になるということです」(官邸関係者)
安倍の周辺がよく口にする「普通の国」とは、要するに、戦争ができる国ということだ。
「憲法が禁じる集団的自衛権の行使を解釈変更で強権的に認めさせる。憲法改正という正式な手続きを踏まずとも、自衛隊を本格的な軍隊にしようとしているのです。まさにナチスの手法で、民主主義に対するクーデターというしかありません。本当に恐ろしい事態が進行しつつあります」(森田実氏=前出)
法治国家を否定してでも、軍国化に突き進むつもりなのか。安倍の場合、本当にやりかねないから深刻だ。
◆反権力の言説は取り締まられ逮捕投獄される
政府に逆らう言論活動を行うものは逮捕投獄――なんて書くと、「まさか、戦前の治安維持法じゃあるまいし」と思われるかもしれない。しかし、その「まさか」が公然と行われようとしているところが、この政権の恐ろしさだ。
政府は秋の臨時国会に「特定秘密保全法案」を出す気だ。公務員が秘密を漏らせば、厳罰に処する法案である。
この法案は、尖閣諸島の中国漁船衝突ビデオが流出したのをきっかけに、当時の民主党政権が検討開始。有識者会議が議論を進め、報告書を作った。しかし、日弁連らが猛反発したものだから、民主党政権は「お蔵入り」させるしかなくなったシロモノだ。
それを安倍は引っ張り出してきて、いよいよ、臨時国会に出すわけだ。
この法案の恐ろしさは、その土台となる有識者の報告書からうかがい知れる。
「国の防衛」「外交」「公共の安全および秩序の維持」にとって、重要なものを「特別秘密」に指定し、漏らせば、最高懲役10年と書かれている。国家公務員の守秘義務違反は1年だから、10倍の厳しさになる。
しかも、罰則の対象となるのは漏らした本人だけでなく、漏洩を教唆した側も含まれる。新聞記者が原発事故の真相を「教えてよ」と言っただけで、アウトになりかねない。さらに秘密情報を扱う人は日頃から渡航歴や通院歴、アルコールの影響などを調査し、配偶者も調べるべきだ、なんて書かれている。こんな法案が通されたら、プライバシーも何もない。
「安倍政権はなぜ今、秘密保全法を通す必要があるのでしょうか。尖閣のビデオが流出して、何か国民が困りましたか。結局、安倍政権がやろうとしていることは、米国と一緒になって戦争をするための地ならしなんですよ。集団的自衛権を認めれば、日米が一体となって軍事行動を起こすので、秘密保全法が必要になった。しかし、憲法改正は容易じゃないので、秘密保全法のような法律を通すことで、立法改憲し、言論・表現の自由を制限する。自民党の改憲草案でも同じようなことがうたわれています」(法大教授・五十嵐仁氏=政治学)
この国はあっという間に変わってしまうことになる。
◆大企業も中小企業も自民党にカネを取られる
安倍政権の経済政策は民主党政権時代から百八十度転換した。生活保護費を削る一方で、公共事業費は大盤振る舞い。10年間で200兆円というベラボーな金額を投じ、全国に道路や橋を整備する。「コンクリートから人」の時代は終わり、「人からコンクリート」に逆戻り。古い自民党が復活だ。
建設や土木、鉄鋼、セメント、建機など、公共事業関連で潤う企業は万々歳だろう。日本政策投資銀行によると、今年度の設備投資は前年実績から10・3%増えるという。ま、計画ベースの統計だから、どれだけ現実となるかは分からないが、バラマキの恩恵にあずかる会社は少なくないようだ。
企業へのアメは、これだけではない。安倍政権は法人税改革に着手する見込みだ。候補に挙がっているのは設備投資減税。ただ、経営者の多くが法人税の実効税率の引き下げを求めているという調査結果もあり、中身は変わる可能性もある。いずれにしろ税負担が減らされるのは確かのようだ。
もっとも、それで庶民の暮らしが良くなるわけではない。一党独裁の自民党が潤うだけだ。
政治評論家の山口朝雄氏が言う。
「企業の言い分をのんだら、相応の見返りを求める。それが伝統的な自民党の手法です。自民党は政権与党の立場を使って企業に仕事を振って税金で支払う。その代わり、企業には票やカネの支援をさせる。要望を聞いてやったんだからカネを持ってこい、というスタイル。我々が払った税金は回り回って自民党に集まるというわけです」
自民党の政治資金団体「国民政治協会」の2011年の政治資金収支報告書によると、ゼネコンの業界団体「日建連」から6600万円超の献金を受けていた。野党時代でこれである。国土強靱化を口実に公共事業をバンバン増やせば、さらに多くのカネが集まるのは明らかだ。実際、自民党は、今年2月に日建連に対し、4億7100万円の政治献金を要求している。
アベノミクスでウハウハなのは、企業でなく自民党なのだ。
◆人種階級差別が露骨になり純日本人が強調される
ヒトラーは、「ゲルマン民族は最も偉大である」と主張し、ユダヤ人を弾圧した。今のドイツで、こんな差別的な言動は許されない。ナチスを肯定すれば罰せられる。
ところが日本では、差別的な思想を持つ連中も野放しだ。それどころか、安倍首相と麻生副首相は、人種差別主義者からの支持を喜んで受け入れている。ナチス化を止める気はゼロだ。
日曜日の新大久保で毎週のように繰り広げられる嫌韓デモ。「朝鮮人を叩き出せ」と叫んでいるのは、もともとネットで他国を口汚く罵ってきた連中だ。既存の右翼からも煙たがられる「ネット右翼」(ネトウヨ)。現政権のツートップは、ことのほか彼らと相性がいい。
ネットでは、麻生のナチス発言を擁護する書き込みが多いし、安倍に肩入れする意見も目立つ。ネトウヨは、過去の首相時代に何もできずに無能のレッテルを貼られたダメ政治家に加勢しているのだ。
もっとも2人にとって、これほど心強いサポートはないだろう。ネトウヨの期待に応えるように2人は、昨年12月の衆院選で最後の訴えを連中に馴染みの秋葉原で行った。安倍は7月の参院選でも秋葉原で遊説を締めくくっている。両者は相思相愛の関係だ。
これでは差別主義者は減らない。ますます増殖する。人種階級差別は露骨になり、礼儀も品格も気にせずに他者を攻撃するのが理想の「純日本人」とされかねない。
「もともと日本では、隣国を下に見る風潮が強い。例えば福沢諭吉は、中国や韓国を『日本との精神的な隔たりは大きい』とさげすんで脱亜論を唱えた。侵略のシンボルとなった差別主義者ともいえる。そんな人物を1万円札に使っているのです。最近は、生活保護受給者への心ない発言や弱者イジメも目立つようになってきた。それでも政府は、彼らを戒めるような強いメッセージを発しない。世界からすれば、普遍的な常識が通じない国と映るでしょう」(政治評論家・本澤二郎氏)
日本社会は非常に危うくなっている。
◆この独裁政治に対抗する野党指導者が誰もいない
国民にとって不幸なのは、狂気の独裁者を止められる勢力が存在しないことだ。国会を見渡しても、野党は乱立した揚げ句に弱体化。しかも、テンデンバラバラなのだから、巨大与党に太刀打ちできっこない。
前出の浅川博忠氏が言う。
「この国の将来を託したくなるような、次のリーダーも野党に見当たりません。日本維新の会の橋下共同代表も、すっかり化けの皮が剥がれてしまった。本来は、野党第1党の民主党が政権与党を厳しくチェックしなければならないのに、海江田代表には、解散に追い込むという気概も覚悟も感じられない。みんなの党を見ても分かるように、野党が内紛でエネルギーを内向きに使っている。ますます弱体化するだけで、話になりません。それどころか、安倍首相が憲法改正を仕掛ければ、維新の会やみんなの党、民主党の改憲勢力が集結し、政権の補完勢力になる可能性がある。巨大与党がますます肥大化し、野党議員はいても、野党勢力は絶滅という状況になりかねません」
国会では自民の一党独裁、党内にも逆らう者はいない。大マスコミも安倍政権を批判しようとしない。これでは、暴走する安倍の“ナチス化”を止めようがないのだ。
こうなったら国民が監視するしかないのだが、政権から引きずり降ろすには、選挙で投票権を行使するしかない。国政選挙がなければどうしようもないし、野党がバラバラでは、政権交代も夢物語で終わってしまう。生活の党の小沢代表は「3年後のダブル選挙で政権交代が可能」と言っているが、独裁政権に3年間も与えたら、この国はどうなってしまうのか。破壊しつくされてしまうのではないか。
驕り高ぶった安倍は、どんな非道なことも平気でやってくるだろう。それを止める手立てがないことに気づいた時には、もう遅い。この狂暴政権を選んだのは国民なのだ。
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