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2013年08月13日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆内閣府が8月12日発表した「国の経済規模を示す国内総生産(GDP)」によると、「年率換算はプラス2・6%」というデータがはじき出された。
この数字は、果たして2014年4月1日からの消費税増税を決断する好材料となるか? 安倍晋三首相がどう判断するかが注目されている。
財務官僚は、「消費税増税という選択肢しかない」と相変わらず強気の姿勢である。はっきり言えば、消費増税法が景気弾力条項で「経済の好転」を増税の条件にし、その目安を「10年平均で名目3%、実質2%の経済成長」としていることなどどうでもよいという感覚なのだ。つまり、財務官僚にとって、政権がどうなろうと知ったことではない。民主党が「マニフェスト(政権公約)」で国民有権者に約束していたのを無視して、菅直人首相(財務相経験)に参院議員選挙直前に消費税増税を発表させ、惨敗させたり、野田佳彦首相(財務相経験)には、消費税増税法案を成立させて、総選挙で民主党政権を崩壊させたりしておきながら、「われ関せず」「蛙の面に小便」ぶりを示している。政治家と違って官僚は、国民有権者に対して責任を取る立場にないのであるから、当たり前である。
◆従って、安倍晋三首相も、同様に「見殺し」にされる運命にある。「安倍晋三首相がダメなら、麻生太郎副総理兼財務相がおるではないか」と至って気楽だ。官僚にとって、政治家は、所詮、使い捨てである。
だが、政治家である安倍晋三首相は、大変な思いをして、せっかく首相に返り咲いたというのに、財務官僚の口車に乗せられて、国民を苦しめる劇薬を飲ませるわけにはいかない。安倍晋三首相のブレーンで内閣官房参与の浜田宏一イェール大学名誉教授(東京大学名誉教授、専門=国際金融論、ゲーム理論。積極的な金融緩和論者)は、現行5%を2014年4月1日から一気に8%に、2015年10月1日から10%に引き上げるのではなく、「1年ずつずらしたらどうか」と提案している。「8%、10%の2段階で引き上げること」が、劇薬になり、「国民の消費手控え」という副作用を生じ、景気の足を引っ張る結果になるのを恐れているのだ。劇薬は、薄めて飲ませる方がよいということである。
◆財務官僚は、気楽な商売で、ただ単に無責任なだけではない。「間違いだらけの政策判断」を繰り返している。国家公務員試験で1番から10番までの高得点合格者が、財務省に入省しているというのに、「判断力」は、極めて低レベルなのである。ただし、目標として一旦決めたことは、10年でも20年でも、チャレンジし続ける性癖がある。とにかく「恐るべき、しつこい人種」ばかりが集まっているのだ。
その代表的な政策が、「消費税」であった。大平正芳首相が、大蔵官僚に唆されて「大型間接税」を総選挙で打ち上げさせられて、惨敗したのを皮切りに、大蔵官僚は、10年かかっても実現してみせると堅い決意をして、チャレンジし続けた。中曽根康弘首相には「売上税」と名前を変えて、実現させようとして失敗。次の竹下登首相に消費税(3%)導入を実現させて、ついに念願を果たした。だが、消費税増税とリクルート事件により国民の不評を買い、竹下登政権は倒れてしまった。橋本龍太郎首相は、消費税3%を5%に引き上げて、不評を招いたうえに、景気を低迷させて、国の税収が減り、惨憺たる結果を招いた。国の税収がピークだったのは、1990年度の60兆1000億円で、橋本龍太郎首相が消費税率3%を5%に引き上げた1997年度は53兆9000億円(この年、GDPが前年度比0.7%減、23年ぶりのマイナス成長)、2012年度は42兆6000億円。
大蔵官僚は、「総量規制」により不動産業界への融資をストップさせ、バブル経済崩壊を加速したうえに、不良債権が膨れ上がっていた時期に、何の手も打たず、ひたすら「景気回復」を期待し続けた。小泉純一郎首相が、りそなグループに対する公的資金注入により、金融機関救済に乗り出したのは、2003年6月10日のことであった。しかし、その後も、財務官僚は、税の増収を促すための決め手になる経済金融財政政策を打ち出せないまま「無能さ」をさらけ出し続けた。
安倍晋三首相が打ち出した「アベノミクス」政策は、いわば本格的な「金融・財政・成長戦略」として期待されているけれど、果たして、どれだけの「起爆力」があるかは、まだ判断できない。成長戦略の中身に問題があるからである。この状況下で、安倍晋三首相は、果たして財務官僚の言いなりになるのか、あるいは浜田宏一イェール大学名誉教授の指南を受け入れるのか、内閣支持率が下降気味なので、どちらに賭けるか? 見ものである。
【参考引用】朝日新聞デジタルが8月12日午前9時10分、「GDP、3四半期連続のプラス 年率換算で2.6%増」という見出しをつけて、以下のように配信した。
「内閣府は12日、国の経済規模を示す国内総生産(GDP)の4〜6月期の1次速報を発表した。物価変動をのぞく実質成長率は、前期(1〜3月期)比でプラス0・6%で、この状況が1年続いた場合の年率換算はプラス2・6%だった。プラス成長は3四半期連続。物価変動を加味した名目成長率は、年率で2・9%。物価が下がり続ける『デフレ』のため、名目成長率が実質成長率を下回る状況が続いていたが、最近の物価の下げ止まりを反映し、3四半期ぶりに名目が実質を上回った。昨夏に成立した消費増税法は『経済の好転』を増税の条件にし、その目安を『10年平均で名目3%、実質2%の経済成長』としている。4〜6月の成長率はその目安に近い数字になった」
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