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★孫崎享氏の視点ー<2013/08/11>★ :本音言いまっせー!
日本は自己の防衛で、米国の「核の傘」があるという幻影に取り
つかれている。
そんなものはない。
アメリカが日本にどういっているかの問題ではない。
米国の戦略家が米国国内で如何なる発言をしているか、そもそも現代の
核戦略がどうなっているかを学べば米国が日本に与えているという
「核の傘」はない。
キッシンジャーは、代表的著書『核兵器と外交政策』の中で、
核の傘はないと主張した。
・全面戦争という破局に直面したとき、ヨーロッパといえども、
全面戦争に値すると(米国の中で)誰が確信しうるか、米国大統領は
西ヨーロッパと米国の都市五〇と引き替えにするだろうか
・ 西半球以外の地域は争う価値がないように見えてくる危険がある
キッシンジャーは日本に対する「核の傘」はあり得ないと指摘している。
筆者がキッシンジャーを好きだから引用したでない。
核戦略の分野で『核兵器と外交政策』は最も権威のある本である。
米国の安全保障関係者で、この本を読んでいない人はまずいない。
2010年3月12日NHKBSの『日本の、これから』
「どうなる日米関係 同盟50年の節目」でこの点を紹介したら、
桜井よしこさんが「米国の学者はキッシンジャーだけでないでしょう」
という反論された。そういう方は他にもおいでであろうから、
今一人引用する。
モーゲンソー著『国際政治』は米国の古典的リアリズムのバイブル的
存在である。国際政治を研究する者でこの本を手にしない人間は存在しない。
それ位の本である。ここに「核の傘」について次の記述がある。
「核保有国Aは非核保有国Bとの同盟を尊重すると言うことで、Cによる
核破壊という危険性に自らさらすだろうか。極端に危険が伴う時には
このような同盟の有効性に疑問を投げかけることになる。」
「核の傘」への疑問は学者の見解のみでない。
「米国が日本に核の傘を与えることはあり得ない」と発言した人物がいる。
元CIA長官ターナーである。
ターナーはアマースト大学、海軍士官学校卒、
ロードス・スカラー(歴代、米国の蒼々たる人物がこの栄誉をうけている)
としてオックスフォード大学に留学、ミサイル巡洋艦艦長、
NATO南部軍司令官、海軍大学校校長、大西洋を所管する第二艦隊司令官を
経てCIA長官となった。同盟国との核問題を実戦部隊司令官として
もっとも熟知した人物である。
1986年6月25日付読売新聞一面トップは「日欧の核の傘は幻想」
「ターナー元CIA長官と会談」「対ソ核報復を否定。米本土攻撃時に限る」
の標題の下、次の報道を行った。
「軍事戦略に精通しているターナー前CIA長官はインタビューで核の傘問題
について、アメリカが日本や欧州のためにソ連に向けて核を発射すると
思うのは幻想であると言明した。
我々は米本土の核を使って欧州を防衛する考えはない。アメリカの大統領が
誰であれ、ワルシャワ機構軍が侵攻してきたからといって、モスクワに核で
攻撃することはありえない。
そうすればワシントンやニューヨークが廃墟になる。
同様に日本の防衛のために核ミサイルで米国本土から発射することは
ありえない。我々はワシントンを破壊してまで同盟国を守る考えはない。
アメリカが結んできた如何なる防衛条約も核使用に言及したものはない。
日本に対しても有事の時には助けるだろうが、核兵器は使用しない。」
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