http://www.asyura2.com/13/senkyo152/msg/386.html
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(回答先: 日本を操る赤い糸〜田中上奏文・ゾルゲ・ニューディーラー等 第6章 ゾルゲ〜二つの祖国を持つスパイ 投稿者 会員番号4153番 日時 2013 年 8 月 11 日 17:49:34)
「ほそかわ・かずひこの<オピニオン・サイト>」から
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion07b.htm
第7章 尾崎秀美と「敗戦革命」の謀略
田中上奏文、スノー、スメドレー、ゾルゲ等をたどっていくと、ソ連・中国・アメリカの共産主義者及びわが国の共産主義者の間の連携には、これまで知られている以上に、広く深いものがあるに違いないと感じられます。最も気になるのは、近衛文麿の上奏文の内容です。
「これら軍部内一味の革新論の狙ひは必ずしも共産革命に非ずとするも、これを取巻く一部官僚及民間有志(略)は意識的に共産革命にまで引きずらんとする意図を包蔵しおり、無知単純なる軍人これに躍らされたりと見て大過なしと存候。‥‥彼等の背後に潜める意図を十分看取する能はざりしは、全く不明の致すところにして何とも申訳無之深く責任を感ずる次第に御座候」
これは単なる一政治家の回想録の一部ではありません。昭和天皇にあてた元首相の赤裸々なお詫び文の一節です。そにに、重みがあります。敗戦を覚悟した近衛は、戦後に共産革命の起こることを深刻におそれ、自責の念に駆られていました。近衛を操っていたのは、彼を取り巻くブレーンの中核だった尾崎秀美です。尾崎の暗躍はゾルゲ事件で露呈しました。その尾崎の背後には、一般に認識されているより、はるかに重大なものがありそうだと私は感じていました。
そうしたところに、三田村武夫氏の著書『大東亜戦争とスターリンの謀略』(自由社)を知り、一読。ズシンと腑に落ちるものがありました。戦前、”満州の三スケ”といわれ、東条内閣の商務大臣を務めた岸信介氏は、三田村氏の著書に寄せて、次のように書いています。
「支那事変を長期化させ、日支和平の芽をつぶし、日本をして対ソ戦略から、対米英仏蘭の南進戦略に転換させて、遂に大東亜戦争を引き起こさせた張本人は、ソ連のスターリンが指導するコミンテルンであり、日本国内で巧妙にこれを誘導したのが、共産主義者、尾崎秀実であった、ということが、実に赤裸々に描写されているではないか。
近衛文麿、東条英機の両首相をはじめ、この私まで含めて、支那事変から大東亜戦争を指導した我々は、言うなれば、スターリンと尾崎に踊らされた操り人形だったということになる」と。
岸氏は戦後首相になった人物で、その気骨と頭脳の優秀さには定評があります。三田村氏の書著が単なる謀略史観の類であれば、自ら序文をしたため、「操り人形」などと自嘲しはしないでしょう。
三田村氏によると、尾崎は「最も忠実にして実践的な共産主義者」(尾崎自身の言葉)であり、レーニンの「帝国主義戦争を革命へ」という戦術に基づき、軍部の中枢や近衛の政策ブレーンに入り込んで、日本を無謀な戦争に駆り立て、かつ戦争を長期化させて敗戦に至らしめ、「敗戦革命」を起こそうと画策していたのでした。つまり、資本主義国同士の戦争を革命の好機とし、これを醸成し、敗れて弱った国から革命を起こしていって、最後は世界共産主義革命を完成させるといういう戦略の実践です。
尾崎の最大の仕事は、陸軍を北進論から南進論に転換させたことです。この転換で、日本は英米と戦わざるを得なくなる道に進みました。スターリンは、日本軍をシベリアから南方へと向けさせることで、ドイツの侵攻から命拾いをし、日米を決戦に引き込むことで、漁夫の利を得たのです。
戦後の日本では、コミンテルンの32年テーゼの二段階革命論の第一段階・ブルジョワ革命に当たる変革が実行されました。実行者は、ソ連ではなくアメリカ、日本の共産主義者ではなくGHQの官僚たちでした。GHQには多くのニューディーラー左派がいました。彼らはケーディスを始め、共産主義者ノーマンの書いた日本史・日本論を「聖書」のようにして読み、日本弱体化の参考にしました。GHQのブルジョワ革命的な占領政策には、日本の共産主義者や容共的な近代主義者が多数協力したのでした。
尾崎の目的は「敗戦革命」による日本の共産化でした。戦後日本では、それは押し留めることができています。しかし、共産化の前段階としてのブルジョワ革命的な変革は、こうした形で遂行されてきたのです。
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※第二次世界大戦と日本の戦前戦後政治、日本のスパイ勢力と左翼
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