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7月の参院選で当選し、臨時国会に初登院した8人の共産党議員たち=8月2日、国会(財満朝則撮影)
真夏の“怪”? 共産党「躍進」なのに『赤旗』は大幅減
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/676030/
2013/08/11 10:53 産経新聞
【高木桂一の『ここだけ』の話】
7月の参院選で12年ぶりに選挙区で議席を獲得するなど「躍進」を果たした日本共産党だが、党勢拡大の基盤たる機関紙「しんぶん赤旗」の購読部数は同月、大幅に減少していた。参院選の結果について、共産党指導部は「従来の支持層以外からも幅広く支持を得た」と胸を張っている。ならば機関紙の部数は増えてよさそうだが、選挙真っ只中での「赤旗」の後退は「やはり…」ということらしい。
共産党関係者によると、7月の「赤旗」購読部数は前月比、日刊紙(月額3400円)が5411部、日曜版(同800円)が2万2204部それぞれ減らし、トータルで2万8000部近く落ち込んだ。
とりわけ党の財政基盤となる「赤旗」日刊紙の購読者数はこの10年余の間に36万人から24万人余に後退していたが、ついに「23万部割れ」となった。3日付「赤旗」日刊紙で岩井鐵也党建設委員会責任者は「日刊紙は23万を割るという事態にあり、この課題が緊急課題だ」と危機感を示し、8月の巻き返しを党内に呼びかけた。
共産党はこれまでも、国政選挙前の数カ月に「赤旗」購読者数拡大への「大号令」を全党にかけ、部数を瞬間風速的に増やしながら、選挙中にそれを減らすのが“通常”だった。同党幹部はその理由をこう打ち明ける。
「『選挙まで赤旗をとってほしい』と知人に期限付きで購読を無理強い頼み込み、部数を増やしてきたケースが多いからだ。また選挙期間中は党員も選挙運動に専念せざるを得ず、赤旗の部数拡大まで手が回らない事情もある」
共産党関係者によれば、「赤旗」日刊紙は4月に119部、5月に778部、6月に595部増え、日曜版も4月に3039部、5月に4277部、6月に4644部拡大した。しかし7月にその“貯金”を使い果たすどころか、参院選に向けての「赤旗」読者拡大運動をスタートさせる前より減らしてしまっているのが実情のようだ。
ちなみに日曜版の増減幅が大きいのは、月額購読料が日刊紙より格段に安いため、購読者数を一時的ながら増やしやすいからである。
志位和夫委員長は2月の第6回中央委員会総会で、「赤旗」購読者数について「7月の参院選前に(平成22年の)前回参院選時の回復をめざす」とぶちあげたが、結果的に7月の参院選前には前回参院選時の数に大きく届かず、さらに7月に後退させてしまったのだ。
共産党は23年7月に開催した第3回中央委員会総会(3中総)で同年9月からの「赤旗」値上げを決め、党勢拡大のための「大運動」の号令をかけた。講読部数24万部の「赤旗」日刊紙の赤字が毎月約2億円にのぼるため、購読料を月2900円から3400円に値上げした上、部数を2万部増やす目標を掲げていた。それが日刊紙を26万部に増やすどころか、「23万部割れ」である。
とはいえ、今の共産党は「赤旗」を年々減らし続けてきたこの10年余とは“勢い”が違う。12年の志位委員長−市田忠義書記局長体制発足後、国政選挙で「8連敗」を喫していたこの党が、15年ぶりに躍進を果たしたのだから、普通に考えれば7月の「赤旗」購読者数は増えていてもおかしくないだろう。
参院選の結果について「自民党の“暴走”を食い止めようと訴える日本共産党の主張に無党派層、とくに若い層の共感を得た」と党幹部は強調しているが、その無党派層を「赤旗」購読までつなげるのはやはり一筋縄でいかないということだ。
なおも党の理論的支柱とされる不破哲三元議長は「軒下に雨宿りしている人々に、どうやって家の中に入ってもらうかだ」と周囲に語っているというが、参院選で共産党の躍進をもたらした無党派層の支持も緊急避難的要素が強く、“本物”ではなかったことが、7月の「赤旗」後退でも浮き彫りになった。「とりあえず共産党に票を入れとくか…」程度の有権者も多かったということだ。
日刊紙の「23万部割れ」に危機感を抱く共産党は去る6日、党本部で全国都道府県組織部長・機関紙部長合同会議を開き、党勢拡大の「歴史的チャンス」を逃さず、「赤旗」購読者と党員の拡大に向け「8月攻勢」をかける方針を打ち出した。同会議で市田書記局長は「『鉄は熱いうちに打て』ということわざがある。この8月からスタートダッシュすることが大事だ」と訴えたという。
共産党広報部によると、今回の参院選後、党本部に直接入党を申し出てきた人は計200人を超えた(9日現在)。かつてない勢いとかで、今後「赤旗」購読者と党員を飛躍的に拡大させていく素地は十分できつつあるという。まずは猛暑のなかで展開される「8月攻勢」の帰趨が注目される。(政治部編集委員)
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