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「真犯人」が送ってきた江ノ島の猫の写真
【PC遠隔操作事件】「真犯人」からのラストメッセージ
http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20130810-00027167/
2013年8月10日 17時55分 江川 紹子 | ジャーナリスト
PC遠隔操作事件の「真犯人」は、落合洋司弁護士らに送った「告白メール」、「自殺予告メール」、そして今年元日に送られた「謹賀新年メール」、それに猫の写真を添付した「延長戦メール」の4通のメールの他に、長文のメッセージ(以下「ラストメッセージ」と呼ぶ)を作成している。それは「謹賀新年メール」で添付されたパズルを解くと「先着1名様限定」で入手できる、と書かれていたものだ。そこには、それまで寄せられていた質問に答える形で、犯行についての説明や心境などが綴られている。
「真犯人」は、この「ラストメッセージ」を社会に向けた最後の発信とする、としていた。ところが、警察が元日に雲取山でUSBメモリーを発見できなかったため、1月5日に「延長戦メール」を送信。同日中に、江ノ島の猫に取り付けられた首輪から、SDカードが発見・押収された。なので、時系列で言うと、「ラストメッセージ」は「延長戦メール」より前に書かれたもの、ということになる。
かなり長文だが、文章は整然として読みやすく、自民党の「安倍総裁」を「安部総裁」、「部落解放同盟」を「部落開放同盟」としている他は、誤字や脱字、変換ミスなどは見当たらない(後にアップする「ラストメッセージ全文」にそれ以外の誤字があれば、私の書き写しミスなのでご指摘ください)。かなり時間をかけて書いたり確認したものだろう。
自分の行為の反響の大きさに対する感想は、かなり率直に心情を吐露したように思える。
〈140人の捜査体制だ、FBIに協力要請だ、そういうのを見て正直プレッシャーを感じてもいます。〉
〈警察が誤認逮捕をやらかす、世間が騒ぐ、という意図どおりの結果になったとは言え、反響が予想以上に大きく戸惑っています。
同時に達成感も大きいものとなっています〉
誤認逮捕された4人に対しては、「大変申し訳ない」と言いつつ、次のような理屈で自分を正当する。
〈自分は悪くないなどと言う気はないです。償わなければならない罪を犯したことは分かっています。
でもそれ相当の罰は先に受けている。だからこれ以上責任を負うつもりはないです。
罪と罰の因果の逆転。そういうことが起こっていることを分かってください〉
「法が間違っているのなら、法を侵してでもどんどん逆襲すべき」とも書いており、自分がやったことを悔いている様子はみじんもない。
そのような点も含めて、「ラストメッセージ」で「真犯人」はできる限り率直に語ろうとしているように見える。「自殺予告メール」で嘘をついたことも認めた。
〈「ミス」は嘘です。ごめんなさい。自殺する気は全く無かったです。〉
あるいは、写真の位置情報について、こう書いている。
〈恥ずかしいことに、これは本当にミスしました。
保土ヶ谷の適当な住宅地の緯度経度を入れたつもりが、10進数→60進数の変換を忘れてしまいました。
これは本当に私の無知であり、ラックの西本さんに「犯人は教養がない」と言われても仕方ありませんねw〉
ちなみに、このメッセージには「落合洋司先生」「神保哲生さん」「伊集院光」「片桐裕様」などの人物名がフルネームで出てくるが、なぜか「ラックの西本さん」だけは姓のみ。検察は、片山祐輔氏がメールやメッセージを書くために様々な言葉をネット検索していると主張している。検索すれば情報セキュリティー会社「ラック」の西本逸郎専務理事の名前はすぐに出てくるのだが…。
「真犯人」が、もしここで嘘を書いていないとすれば、片山祐輔氏を犯人とする検察側の主張とは矛盾する記載もある。
「謹賀新年メール」に添付されたUSBメモリーを埋めた場所を示す写真
http://rpr.c.yimg.jp/im_sigg676xcFQRjtcK3DRQlyDRYQ---x280-n1/amd/20130810-00027167-roupeiro-001-5-view.jpg
たとえば、検察側は昨年12月1日に片山氏が雲取山に登った際、山頂の三角地点にUSBメモリーを埋めた、とみている。しかし、「ラストメッセージ」には、「謹賀新年メール」を見て、USBメモリーを掘りに雲取山に登った人をあざ笑うかのように、こう書かれている。
〈冬山はいかがでしたか?
私は紅葉のはじめの頃に行ったので快適でしたが、雪が積もった山は大変だったと思います〉
謹賀新年メールにも、「10月から仕込んでおいたのをようやくお披露目です」という記述がある。この2つからすれば、真犯人が雲取山にUSBメモリーを埋めたのは、10月ではないか、という推測が成り立つ。ちなみに、12月1日の雲取山は、山頂から700メートル下の山小屋でも最高気温がマイナス0.9度。雪も降った。
また、「真犯人」は犯行の動機として、自分が「間違った刑事司法システムの被害者」であり、それに対する「リベンジ」であると説明している。
〈ある事件に巻き込まれたせいで、無実にもかかわらず人生の大幅な軌道修正をさせられた〉
〈やってないのに認めてしまった。
起訴された。公判で「反省している」と発言した。
おかげで刑務所に行かずに済んだが、人生と精神に回復不能な大きな傷を残した〉
その時の事件についての詳細は述べていないが、「サイバー関係ではありません」とは言っている。
片山氏の前科は、「サイバー関係」であり、無実ではなく、一審の実刑判決を受け入れて服役した。「真犯人」の説明とは全く違う。
さらに「真犯人」はこうも書いている。
〈警察・検察の怖さは思い知っています。
どれほど怖いか、どれほどしつこいかを。
それを知っているからこそ、ここまで神経症・偏執狂とも言えるまでに厳重な注意を払って動いてきました。〉
〈オンラインでのアクティビティだけではなく、自分しか触らないローカルPCの中身までも偏執的なまでに注意を払っています〉
〈犯行に使った罠Javascriptやトロイのソースファイルそのものから、細かいメモに至るまで、ファイルを置く場所については厳重に管理していました。〉
相当に用心深くふるまい、犯行後の証拠隠滅にも細心の注意を払っていたことがうかがえる。
こういう写真を撮られていることにも気づかなかったhttp://rpr.c.yimg.jp/im_siggInuG4kGgDAms4dZID6EuSQ---x280-n1/amd/20130810-00027167-roupeiro-002-5-view.jpg
一方の片山氏はどうか。警察の尾行にも気がつかずに、一連の犯行に利用した(と検察側が考える)スマートフォンを店で売り、たちまち回収された。逮捕前にマスメディアの記者たちにたくさんの写真を撮られていても、全く気がつかなかった。この鈍感ともいえる無防備さは、「ラストメッセージ」に書かれた警戒心の強さとは全く相容れない。
事実に関する食い違いは、捜査を撹乱するために嘘の情報を入れ込んだと言う説明もできるだろうが、このような文中にもにじみ出てくる人間性のようなものは、なかなか取り繕いようのない気もする。
「ラストメッセージ」には、こんな意味深長な一文もある。
〈「真犯人」を追求したつもりが、「新犯人」を作ることにならないといいですね〉
果たして片山氏が、このメッセージを書いた「真犯人」なのか。あるいは、「真犯人」は別にいるのか。だとしたら、「真犯人」は今の事態をどんな思いで見ているのだろうか…。
◇
【PC遠隔操作事件】ラストメッセージ全文(上)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20130810-00027168/
2013年8月10日 17時56分 江川 紹子 | ジャーナリスト
■はじめに
お疲れ様でした。
冬山はいかがでしたか?
私は紅葉のはじめの頃に行ったので快適でしたが、雪が積もった山は大変だったと思います。
さて、これまでメールにてさまざまな質問が寄せられました。
関連報道で謎とされている部分もあります。
それらについてFAQ形式でお答えしたいと思います。
■なぜこうしたことをなさったのですか 警察・検察にどんな恨みがあったの?動機について詳しく教えて。
私もまた、間違った刑事司法システムの被害者です。
ある事件に巻き込まれたせいで、無実にもかかわらず人生の大幅な軌道修正をさせられた人間です。
それがどんな事件だったのかは詳しくは言えません。
サイバー関係ではありませんが、彼らが間違いを犯した原因の趣旨は、その事件も今度の事件も大して変わりは無いものです。
刑事司法の問題点として良く出てくるキーワード、「自白偏重」「代用監獄」「人質司法」「密室取調」「作文調書」...etc
私はそれらを実体験をもって知る人間です。
そして、そのとき私は負けてしまった。やってないのに認めてしまった。
起訴された。公判で「反省している」と発言した。
おかげで刑務所に行かずに済んだが、人生と精神に回復不能な大きな傷を残した。
一連の事件は、私が「負け犬」から復帰するためのリベンジと言えます。
『先に償いをさせられた人間はその分の犯罪を犯してもいい』という持論。
あなたは間違っている、たとえどんな理由があっても許されない、そういう突っ込みがあることを理解する程度の理性はあります。
でも、それが私だけの哲学であり、誰にも軌道修正されない行動原理です。
いつかのDigで誰かが「犯人は壊れている」と表現していました。
そう、壊れている。私を壊したのは奴らだから。
■警察・検察をナメてるの?
慇懃無礼な文面から「ナメている」「グリコ森永事件みたいだ」などと言われてますが、そんなことはありません。逆です。
警察・検察の怖さは思い知っています。
どれほど怖いか、どれほどしつこいかを。
それを知っているからこそ、ここまで神経症・偏執狂とも言えるまでに厳重な注意を払って動いてきました。
ほとんどの人は、それだけの体験をしたなら、「もう警察には逆らってはいけないのだ」「目をつけられないようコソコソ生きよう」そういう卑屈な人生を送るのでしょう。
しかし私はその気持ちのベクトルが逆に働きました。
恐ろしい警察・検察に挑戦し、乗り越えることこそが私の人生に課せられた試練であり、それ無くしては一生負け犬として生きていくしかないと思いました。
■自殺予告について。
・ミス
「ミス」は嘘です。ごめんなさい。自殺する気は全く無かったです。
11月10日前後に、どこかの記事で「犯人が致命的なミスか?」「Torを使わず直接書き込んだ箇所」というのが載ったのがきっかけです。
決定的なミスで警察も期待しているかのような報道だったゆえ、ちょっと乗せられてみました。
結論を言うとその書き込みもTorです。
Torに割り当てられる出口ノードによっては2ch書き込み可能なところもあります。
たまたまそのとき書けるところに当たったので、わざわざシベリアの依頼スレを使わなかったというだけの話です。
結局何だったのかというと、一部メディアが言っていた「観測気球」という表現が半分合っていて、あとの半分は「面白半分」です。
・新聞紙
「予告犯」という漫画を読んで、とても共感を覚えました。
特に、登場人物の犯人グループの一人である「ゲイツ」君の境遇には自分と重ね合わせできるものがありました。(11月に入ってからはじめて単行本で読んだので、このマンガに感化されて一連の事件を起こしたというわけではありません。念のため)
その作品に出てきた、新聞紙を使う手口をちょっとだけ真似てみたというわけです。
・写真の位置情報
恥ずかしいことに、これは本当にミスしました。
保土ヶ谷の適当な住宅地の緯度経度を入れたつもりが、10進数→60進数の変換を忘れてしまいました。
これは本当に私の無知であり、ラックの西本さんに「犯人は教養がない」と言われても仕方ありませんねw
結果的には、保土ヶ谷の団地が捜索され、意図どおりにはなりましたが。
■決して死を選ばす、生きてすべての真実を明らかにしてください。
死を選ぶつもりはありませんが、自首することもありません。
もし仮に捕まったとして、私が白旗を掲げて自白したとしたなら、動機について「逆恨み」と表現されることでしょう。
「前科者が前に捕まったことを逆恨みしてまた犯罪を犯した」と、報道各社は警察発表そのままに垂れ流すでしょう。
私が前に経験した事件の判決が覆ることも無いでしょう。
もっと掘り下げてくれるほどマスメディアの皆さんのジャーナリズムを信用していません。
記者クラブで警察とベッタリなのは分かっているから。
「真実を明らかに」という点ではこのドキュメントだけでも十分なのではないですか?
これだけ詳細に書いたなら、あと残りの謎なんて、私の住所氏名年齢程度の些細なことでしょう。
そんなことで事件の全容が変化するわけでもないです。
■ご本人について・・・お名前、性別、年齢など可能な限り、ご本人様について教えてください。
ご想像にまかせます
■取材させてください
できません。
このドキュメントを持って、私から発信すべきことはもうありません。
余談になります。基本的に面会取材は一切受けるつもりは無かったのですが、英国のBBCの方から取材依頼のメールが来たとき、ちょっとだけ気持ちが動きました。
以前見た「ポチの告白」という映画を思い出したのです。
警察腐敗、刑事司法の問題、記者クラブ制度の病巣、そういう部分を明らかにした、社会派な内容です。
登場人物が警察腐敗を暴こうとするも、記者クラブ制度に漬かった国内メディアには全く相手にされず、普段記者クラブから締め出されている海外メディアを頼るシーンが出てきます。
そのシーンを思い出し、BBCの取材依頼なら受けてもいいかな?と傾きましたが、やっぱり止めました。
そこまで出しゃばり屋でもないし、「凄腕ハッカー」のような扱いで出されても困る。(そこまで誇れる技術力があるつもりもない。)
「刑事司法の問題」という部分で言いたいことはいくらでもあるとは言え、私程度が言えることは誰かもっと頭のいい専門家が既に言っています。
だからわざわざ出る必要も無いと思い、他のメディアと同じようにBBCのメールも無視しました。
落合洋司先生がBBCの取材を受けていたようなので、それで私が言いたいこと、世界に向けて言うべきことは言ってくれたと思います。多分。
■どんなことを考えていますか?世間の反応についてどう思いますか?
警察が誤認逮捕をやらかす、世間が騒ぐ、という意図どおりの結果になったとは言え、反響が予想以上に大きく戸惑っています。
同時に達成感も大きいものとなっています。
正直なところ、もともと犯行動機は私怨が主で、あまり政治的自己主張は考えていませんでした。
警察・検察・世間が騒いであたふたしたら嬉しいな、自分の溜飲が下がる、それだけでした。
「刑事司法の矛盾を暴く」というような高尚な目的意識も高くはありませんでした。
また、神保哲生さんが、「ダウンロード刑罰化・ACTA・サイバー犯罪条約・児童ポルノ単純所持処罰などのネット規制の動向に抗議する意図も犯人にはあったのではないか?」のように分析していましたが、そのあたりについても全く考えていませんでした。
それらについては、事後に専門家のコメントを見て深く考えるようになりました。
もともとネット規制は私もどちらかというと大反対です。
刑事司法の諸問題、ネット規制に関する諸問題、どちらについても国民の自由が奪われる方向に向かっていくことは防がないといけないと思っています。
後付けの動機となってしまいますが、今となって思えば、自分の行為がその一助になれたら本望です。
(もっともネット規制のほうは私のせいで逆に締め付けが強くなりそうですが)
余談です。
家電量販店のウイルス対策ソフトのコーナーでは、「遠隔操作ウイルスの脅威」のように煽るPOPを付けて売っていますね。
私はそういうところに立ち寄り、一連の事件の社会的影響を確認したりしています。
売り場に立っているソフトメーカーの販促スタッフに、ぱそこんしょしんしゃの振りをして神妙な顔で、「最近ニュースで話題の遠隔操作ウイルスがすっごく不安なんです
(>_<)」のように話しかけてみました。
すると「この製品が一番最初にiesysに対応したんですよ!」と、とても嬉しそうにアピールされました。
何だかおかしかったです。
今まさに目の前に真犯人がいるとはこの人は微塵も思ってないんだろうな・・・と内心考えながら、説明をしっかり聞いてあげました。
■目的通りに誤認逮捕を招き、警察・検察が謝罪しているが、今どのように感じているか
警察官や検察官はもっと人並みに、人の話をちゃんと聞く姿勢があれば1件も誤認逮捕など起こさなかったのでは?と。
あの人たちはコミュニケーション能力以前の問題、日本語というか地球語が通じない宇宙人です。
彼らにそういう能力が無いことを分かっていて試した私も私ですが。
結合試験のテストパターンを作って流したら再現性のあるバグの結果が得られた、そんな感想です。
テスト結果を全国に、全世界に提示できたことは大変有意義だと思います。
■警察の技術レベルについてどう思われたか
CSRFについては見破られると思っていました。
後述のようにいろいろ工夫したとは言え、「2秒で送信」問題は消せなかったので。
私の知っている警察のしつこさは、被疑者をシロにする方向には働かなかったのだなと再確認。
iesysについては見つけられなくても仕方が無いです。
投入前に、主要なウイルス対策ソフトの体験版をいくつか試用し、検知に引っかからないことを確認しました。
完全自作プログラムだったので定義ファイルにパターンマッチすることは無いですが、ヒューリスティック検知に引っかかるかも?と興味を持ちテストしました。
特にキーロガー機能でOSのキーボード・マウス入力命令をフックしているあたり、「怪しいプログラム」アラートぐらい出てもおかしくないと推測。
結果的にはどの製品でも引っかかることはありませんでした。
あの手の「ヒューリスティック検知搭載」と謳って売っている製品が、それをどのような基準で行っているのか興味深いところですね。
警察の技術レベルが高いか低いかですが、今回の失態の趣旨は、デジタルとは関係ない部分での捜査手法の欠陥のほうが、原因の多くを占めていると思います。
技術レベルは高いところもあれば低いところもあるのでしょう。少なくともサイバー課をナメてはいないし油断してもいません。
140人の捜査体制だ、FBIに協力要請だ、そういうのを見て正直プレッシャーを感じてもいます。
最近の動向として、「犯人がアクセスした可能性のある90億ログを解析している」という。
これについては、直接関連するサイトへのアクセスは下見閲覧段階も含めて完全にTorを使っています。
たとえば横浜市のサイトやJALのサイトなど、一度も生IPでアクセスしたことはありません。
この時点で9割5分、捜査線上に挙がることすら無いと思っています。
しかし全てのアクセスでTorを使ったわけではない。
間接的に関連するようなサイトは、普通に閲覧したところもあります。
ビッグデータ解析のようなことをして、「こいつはこのサイトとこのサイトを見ているので怪しい」という、
100人か200人かの「犯人候補」の中に絞り込まれることも無いとは言えないです。
全国津々浦々、それら犯人候補のところに一人ずつ家庭訪問すれば、どこかで私に突き当たるかもしれない。
その可能性も予測しているため、油断は一切していません。
前に述べたようなオンラインでのアクティビティだけではなく、自分しか触らないローカルPCの中身までも偏執的なまでに注意を払っています。
つまり、私のPCを調べたところで証拠は何も出ません。他の100人200人の犯人候補者と同様に。
犯行に使った罠Javascriptやトロイのソースファイルそのものから、細かいメモに至るまで、ファイルを置く場所については厳重に管理していました。
そしてそれらが存在した記憶媒体、およびそれらを開いたことのあるシステムの記憶媒体は全部、とっくに完全消去の後、スクラップにして燃えないゴミに出してしまいました。
現在うちにあるシステムや外部記憶媒体全部、どんな高度な復元やフォレンジックを行おうと関係ありそうなものは何も出ません。
令状なしで来ても「どうぞどうぞ」と見せてあげますよ。
エロ画像の10枚や20枚は普通にあるので、それだけ鑑賞してお帰り下さい(笑)
それとも、犯人候補の中からあてずっぽうに選んでお得意の自白強要しますか?
「真犯人」を追求したつもりが、「新犯人」を作ることにならないといいですね。
私は根っからのカタギであり、ヤクザや過激派セクトの人のような海千山千な犯罪者ではないですが、経験者であるだけに、否認なり黙秘なり適切に対応する自信はありますよ。
「テメエコノヤロウ」とか、「お前の関係先にガサ入ってガチャガチャにしてやるからな!」(原文ママ)とか同じようなセリフを言われても今度は負けませんよ。
■一体、このゲームをどこまで続けるおつもりですか?どのように決着をつけるつもりでしょうか。
もうやめます。
私の気が済むまでやって捕まらなければ勝利、という条件を設定していましたが、ここまで反響が大きいと、私の溜飲は下がりました。もう負け犬ではないです。
私が巻き込まれた事件のことも、私が起こした事件のことも、全部忘れて再出発します。
■誤認逮捕された4人の男性への謝罪の気持ちはありませんか。
こうでもしないと警察・検察を自省させることはできなかった、仕方の無いこととは言え、大変申し訳ないと思っています。無関係の4人を巻き込んだこと、軽く考えてはいません。
自分は悪くないなどと言う気はないです。償わなければならない罪を犯したことは分かっています。
でもそれ相当の罰は先に受けている。だからこれ以上責任を負うつもりはないです。
罪と罰の因果の逆転。そういうことが起こっていることを分かってください。
【PC遠隔操作事件】ラストメッセージ全文(下)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20130810-00027169/
2013年8月10日 17時56分 江川 紹子 | ジャーナリスト
■横浜事件
・●●小学校
横浜市サイトに脆弱性があったのを見つけたので、横浜市の小学校一覧から無作為に選んだだけです。
・「鬼殺銃蔵」の意味
「餓鬼殺し」を省略して「鬼殺」。また、日本酒の商品名とかけたというのも合ってます。
殺し屋であるゴルゴ13、「こち亀」に登場したパロディキャラ「後流悟十三」、あと昔読んだ「隣人13号」の主人公の「村崎十三」、そのあたりのキャラクターをイメージし、「じゅうぞう」という読みに決め、「銃蔵」と当て字にして完成。
それほど深く考えて決めたわけでもない、30秒ぐらいで決めた名前です。
・本文
猟銃で射殺していく内容は、春ごろに読んだ小説「悪の教典」を参考にしました。
・CSRFについて補足説明
CSRFの仕組み自体はオーソドックスだったのですが、ちょっと工夫を入れました。
1)犠牲者は最初の一人のみに絞った
不特定多数が見る掲示板に貼るという性質上、複数の人が踏むのは当然。
そして複数の人から一字一句違わない脅迫文言が届いたら、どんなに警察がお馬鹿でも何らかの仕掛けを疑うでしょう。
サーバ側のPHPで制御することで、最初に踏んだ一人にのみ有害CSRFが発動し、2人目以降は無害なリダイレクトが発生するだけという仕組みになっていました。
2)キャッシュで罠スクリプトを発見されない工夫
A「直接踏ませるスクリプト。BをJSONPでクロスドメイン読み込みして実行する」
B「CSRFを行う有害スクリプト。Aとは別サイトに設置。」
の2部構成。
Bの側に、1)で書いた制御を入れました。
そして、Aでは、
「Bを読み込んで変数に格納(B1)→Bを再度読み込む(B2)→B1を実行」
というフローで動作します。Bを2回読み込むというのが肝心です。1)の制御により、B1はCSRF、B2は無害スクリプトになります。
永続性記憶装置に保存されるブラウザのキャッシュには、B1はB2に上書きされ、B2だけが残ります。
変数に格納されただけのB1は実行後、DRAMから揮発してしまいます。
ただし再読み込み時、キャッシュ再利用の挙動はブラウザごとに異なります。
IE等では、2回目の読み込みは発生せず、キャッシュから拾ってきてしまいます。(2回目もB1になる。)
URLの語尾にgetクエリでユニーク文字列を付加するというのがキャッシュリサイクル対策の常套手段ですが、
これをするとどのブラウザでも全く別のURLとして扱われ、キャッシュも個別に残ってしまうのです。
解決方法が思い浮かばなかったので、Aの時点でダメブラウザは入り口で弾くようにしておきました。
3)エスケープ
一応気休めで、文言も含めたスクリプト全体を、encodeURI()関数でエスケープしてありました。
仮に有害スクリプトのキャッシュが残ってしまっていたとしても、発見しづらくなる効果を狙いました。
その時刻付近のブラウザキャッシュに対し、脅迫文言の一部で機械的にgrep検索をかけたとしても、罠Javascriptの構文は引っかからないはずです。
もっとも2)がちゃんと機能していれば別に平文のままでも良かったのですが。一応念のためにという感じ。
4)iFrameにより関連サイト4〜5箇所次々と読み込む
単に文言を送信させるだけなら、所定CGIにリクエストパラメータ付きでPOSTする仕組みで良かったのですが、
それだけではなく、「犯人性を高める」工作を入れました。
明大生のPCに小学校のサイト等へのアクセス記録があったというのはこれのことです。
「小学校のサイト」「横浜市トップページ」「入力フォームのページ」などを読み込ませることで、あたかも自分でアクセスしたようなブラウザログ・キャッシュが出来るのを狙ってのことです。
何の前触れも無くいきなりCGIだけを触った痕跡しかなかったとしたら、警察の捜査員が見ればどう考えても何らかの仕掛けを疑うと思ったため。
もっとも、開かれている数秒のあいだに全て終了させた以上、「2秒で250文字を送信」という不自然さは消せないわけですが。
数分のあいだ開かせ続けられるような魅力的コンテンツを用意できれば、時系列的にもっと自然な形で文言の送信ができたのですが。
まぁ面倒だったので、時間的不自然があることは把握しつつ、うまく行くかどうかはダメ元でのチャレンジでした。
警察がお馬鹿だったので見事に嵌ってくれたわけですが。
・「告白文」のゆくえ
上記のように、CSRFスクリプトをこれだけ工夫しすぎたせいで、ちょっと動作の不具合があったみたいです。
後で試したら、大丈夫だと思っていたブラウザでもうまくいかないことがあったり。
おそらく「告白文」のほうは、踏んだ人の環境では正常動作しなかったのだと思います。
逮捕2日目でネタバラシしたつもりが、発覚まで3カ月以上も費やさせてしまったことについて遺憾の意を表したいです。
7月初旬のあの時期、告白文は届いていたと思っていたのに「誤認逮捕」報道が無いことについて、警察が完全に黙殺したか、釈放はしたものの明大生に因果を含めて騒がないようにしたか、記者クラブでベッタリのマスコミに因果を含めて黙殺させたか、そっちの可能性で考えてしまっていました。
■CSRFとオリジナル遠隔操作ウイルスを作成しているが、途中切り替えたのはなぜか
CSRFでは、脆弱性のあるサイトにしか通用しないです。
それを探し出すのもまた手間なので。
もっとどんなサイトでも適用できる汎用性のある手段をと考えて、iesys.excを設計しました。
■大阪
●●●氏へのお詫びに●●●のBDを全巻買いました。
今まで見たこと無かった作品でしたが、ファンになってしまいました。
新作映画も見に行きたいと思います。
■福岡
遠隔操作先PCオーナーは福岡の人だったと分かり、福岡ドームとか太宰府天満宮とかを脅迫する文言を書きかけたのですが、気が変わりました。
警視庁の方たちに、遠路はるばる福岡までガサ入れしに行かせてあげるのも一興かなと思い、わざと東京のターゲットにしました。
単純に警察に対する嫌がらせです。
(せっかくだから稚内とか利尻島とかも思いついたんですが、さすがに僻地すぎて無視されるだろうな・・・と思ってやめました。)
■三重−「わざと消さなかった」は虚偽では?
最初の感染確認後すぐ遠隔操作で2chに伊勢神宮脅迫書き込みを行い、その後しばらくPCの中身を物色していたのですが、
iesysのキープアライブ通信が途絶え、オフラインになってしまいました。
単にオーナーが電源オフにしたのかと思い、自分でプロセス停止をしたことまでは分かりませんでしたが。
したらばのスレッドにsuicaコマンドさえ書き込んでおけば、次にオンラインになったときに勝手に消える仕組みですが、このときはそれはしませんでした。
このPCが捜索された際、ひょっとしたら警察の捜査の実行画面が見られるかも?という好奇心が沸いたので。
夏からやっている連続犯行予告にもそろそろ飽きてきていて次の展開に行くタイミングを計っていたこともあり、
iesysを発見されたらそれはそれでいいかなという気持ちでした。
結果的にはその後一度もオンラインにならず、観察を続けることはできなかったのですが。
いずれはどこかで発見されるよう仕向け、また告白文でネタバラシするつもりだったというのも本当です。
何より誤認逮捕が明らかにならなければ、本当の攻撃対象である警察・検察に何のダメージも与えられないのですから。
■安部総裁殺害予告もやったのか?
私ではありません。
模倣犯?ということもちょっとだけ頭をかすめましたが、
10月上旬という時期から、模倣犯とするには時系列的な矛盾があります。
「遠隔操作」が言われ始めたのが10月7日ぐらいですが、安部さん殺害予告はそれより前からあったようなので、私の事件に触発されたという線は無いでしょう。
報道によると発信元とされるオーナーは否認しているとのこと。
私がやったのと類似の何らかの仕掛けによるものなのか何なのか、私にも分かりません。
■黒子のバスケ脅迫は
知りません 関係ないです
■「犯人像」についてコメント
メディアに出てくる「専門家」の方々が、各自好き勝手に犯人像を語るのはとても面白かったです。
的外れなのもあり、当たってるのもあり、いい感じにバラけていると感じています。
そもそもこれまでの行動・言動は、プロファイリングの面で犯人像を絞り込ませないための工夫を入れています。
・C#を使うような若者かもしれないし、「はだしのゲン」に思い入れのある中年かもしれない。
・皇室や神社を攻撃するような反日左翼かもしれないし、部落開放同盟を攻撃するような右翼かもしれない。
・アニメフィギュアのコレクターなのかもしれないし、まったく興味が無いのかもしれない。
・「また来世〜」などと、伊集院光のラジオのファンかもしれないし、そういうフリをしているだけなのかもしれない。
・将棋が好きなのかもしれないし、そうでないのかもしれない。
・引きこもりなのかもしれないし、アウトドア派なのかもしれない。
挙げればキリが無いけれど、こういう気まぐれで無軌道な動きはわざとやっています。
引き出しが多いほうだと人から言われるほうですが、私の引き出しにあるものも、全くの守備範囲外のものも、程よくミックスして出しているわけです。
このドキュメントでまた材料が増えたわけですが、この段階で今度は「専門家」の方たちがどうプロファイリングするのか、かなり興味深いですね。
■捜査特別報奨金制度の対象となったことへのコメント
>犯人に関する情報について
>〜この犯人を知っている
>〜事件について噂話を聞いた
>このメールを送信した者を知っている
身近な人だろうと誰にも喋っていません。
このような情報は全宇宙の誰からも得られません。
>これらの言葉遣いや言い回しを使う者を知っている
>同じような表現を用いて文章を書く人を知っている
一般社会ではきわめて常識人ですので、それらのようなキチガイ文書を書くことはありません。
よって、私に関する情報は全宇宙の誰からも得られません。
>このような特徴を持つウイルスを過去に作成した人や団体を知っている。
>このウイルスを作成した者を知っている。
お話になりませんね(笑)
■片桐裕様へ
たしか就任直後から「2ch潰す」とか「ネット規制する」とかいろいろ言ってますね。
そんなに言論統制が好きなら、あなたは日本人やめて中国の小役人にでもなったほうがいいのではないですか?
あなたの大好きな検閲・規制・弾圧がいっぱいでまさに理想の国ですね。誤認逮捕しても怒られないでしょう。
というわけで、貴様は今後発言するときは語尾に「アル」を付けて喋ること。(命令)
■改めて世の中に言いたいことは
私のように警察・検察・裁判所に対して悔しい思いをされた方は多数いると思います。
上訴、再審請求、国賠請求、あるいはデモや街宣、出版、主張サイト開設、そういった法を侵さない正攻法の戦い方もいいですが、勝ち目は無い場合が多いです。
法が間違っているのなら、法を侵してでもどんどん逆襲すべきです。
国家権力という途方も無い相手と戦うのに、コソコソ隠れるゲリラ戦術を選択するのは卑怯でも何でもないことです。
戦うべき人が戦えば国は良い方向に向かう、そう信じています。
■最後に
私からは以上です。もう何も発信しません。
●●●@●●のメールアドレスはもう解約しましたので、メールをもらっても受け取れません。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
さようなら。
(固有名詞などは一部●●で伏せててあります)
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