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2013/8/9 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
意図的に学校では教えない戦前戦中戦後の現代史を知らない国民が人口の大半を占めたのに乗じて中韓を刺激し民族感情を煽り憲法を改正し昔の国家主義再来を狙う勢力が大手を振っている重大な危機
麻生財務相の「ナチスに手口を学べ」発言は、早くも幕引きムードになっている。国会は7日にサッサと閉じてしまい、問題発言を追及する機会がない。民主党など野党5党の国対委員長は7日、麻生の罷免を求める共同声明を官邸に持参したが、門前払いを食らった。
安倍首相の周辺は「10月まで国会もないのに野党に何ができるのか。秋風が吹く頃には、こんな話は風化している」と余裕シャクシャクだ。
政権のナンバー2が、事実誤認のデタラメを放言し、世界中で物議を醸したのに、発言を撤回してチョン。本当にそれでいいのか?
歴史問題に詳しい作家の三好徹氏が言う。
「政治家の発言は、いったん口にしたら世界中を駆けめぐる。取り消せないのです。撤回して済む話ではない。そもそも、麻生氏の発言は、歴史に対してあまりに無知で、世界中に恥をさらした。ナチスは、麻生氏が言うように『静かに』『合法的に』憲法を変えたのではない。全権委任法によって、実質的にワイマール憲法を停止したのです。全権委任法の成立過程は、表面上は合法ですが、採決時はナチ親衛隊が本会議場を取り囲み、反対する議員を脅すという暴力的な空気の中で行われた。ナチスと対立する共産党議員や社会民主党議員は弾圧され、議会に出席もできなかった。合法を装ってはいるが、まがいもないファシズムです。こうやってナチスがドイツを掌握すると、親衛隊は旧日本国の憲兵隊のような取り締まり機関になっていったのです」
その後、独裁体制を築いたヒトラーが狂気の戦争に突き進み、世界中を惨禍に巻き込んだのは周知の通りだ。
◆法制局も力ずくで従わせてナシ崩し改憲
麻生の発言が看過できないのは、ナチスを引き合いに出したことだけではない。ナチスの部分を全部削除しても問題だ。「こっそり改憲してしまえ」というのは安倍政権の本音。語るに落ちるとはこのことなのだ。
「実際、安倍首相が言っている憲法96条の先行改正などは、国民が警戒していないような条文を数の力で変更し、そうやって改憲のハードルを下げておいて、9条改正などに踏み込もうとするものですから、まさにナチスの手口そのものです。さらには、内閣法制局の長官人事に悪しき政治主導を発揮し、集団的自衛権の行使容認派を据えた。現行法のままで、解釈を変更し、自衛隊が攻撃をされてもいないのに武器を使うことを容認する。ナシ崩しで実質的に9条を改正してしまおうというのです。武力行使の既成事実を積み重ねて、実態がそうだからと、明文化に舵を切る。そうやって、『こっそり改憲』という腹積もりなのです」(政治評論家・森田実氏)
政府はきのう(8日)の閣議で、外務省の小松一郎駐仏大使を法制局長官に充てる人事を決定し、発令した。この異例の人事について、会見で聞かれた菅官房長官はこんなことを言っていた。「そもそも法制局というのは、内閣を補佐する機関であって、(憲法解釈は)あくまでも内閣の責任」「時代は大きく変わっている」
これにはド肝を抜かれてしまう。法制局が積み上げてきた解釈の経緯、他の法律との整合性を一気にブッ壊すということだ。従来の法制局のあり方を完全否定したのである。「内閣の補佐」という言葉には、「黙って従え」という意図が見える。これではやりたい放題になってしまう。
「戦争体験がある私からしたら、法制局に圧力をかけ、平和憲法を捨て去ろうとしている安倍政権は許し難い。米国と一緒になって戦争をすれば、報復されるのは日本です。いったん武力行使を認めてしまえば、国と国民を危険にさらすことになる。戦後、築き上げてきた平和国家が崩れてしまう。とんでもない国民無視の反逆政権というしかありません」(森田実氏=前出)
今の安倍政権がやろうとしていることは、ナチスと同じだ。こんな暴挙を許してはいけない。
◆無知より危険な「自分は正しい」という思い込み
今の国民は、8割が戦争を知らない世代になっている。現代史なんて教科書でさらっと習うだけだから、戦争の悲惨さもよく分からないし、当時の国民の辛苦もピンとこない。そこに乗じて、狂信的な右傾化を正当化させようとしている安倍政権は本当に汚いし、危険だ。
麻生だけじゃなく、安倍も独特の歴史認識をたびたび披露してきた。従軍慰安婦の強制連行には疑問を投げかけ、旧日本軍の侵略戦争についても「侵略の定義は定まっていない」と言い出し、河野談話、村山談話の見直しもにおわせた。
単に無知なのか。それとも、あえて歪曲しているのか。ここが微妙なところで、確信犯のにおいがする。
「ノーベル文学賞を受賞したイギリスのチャーチル元首相は『歴史に学ぶことは未来を学ぶこと』という名言を残しています。歴史をしっかり勉強するのは政治家の務めと言っていい。間違った知識をひけらかして、世界中で物議を醸している麻生氏はどうしようもないが、安倍首相もどうかしています。きちんと歴史に向き合い、学んでいれば、戦前回帰のような話が出てくるワケがない。安倍首相は自分の思いを麻生氏に言わせ、世間の反応を見ているのではないか。そんな思いすらします」(三好徹氏=前出)
「嘘も大声で時間を費やして語れば、人はそれを信じるようになる」と言ったのは、他ならぬヒトラーだが、安倍と麻生も、自分たちの歴史観を声高に叫び続けているのは、そういう意図なのかもしれない。そうやって中韓を刺激し、緊張感が高まり、ナショナリズムが高揚すれば、狙い通りということだろう。
鹿児島大教授の木村朗氏(平和学・国際関係論)もこう言う。
「安倍首相の場合、単に歴史を学んでいないというだけでなく、自分は絶対に正しいという妙な思い込みがある。そこが、無知であることよりも危ないのです。こういう思い込みの最高指導者が国を間違った方向に導いてしまう。安倍首相は戦後世界の秩序を否定するような歴史観の持ち主です。歴史認識を誤っているということは、過去に学ばず、同じ過ちを繰り返すということ。いたずらに中国や韓国の脅威を煽(あお)ることで、日本の再軍備化を図ろうとしているとしか思えません」
◆半年で独裁を手にしたヒトラーと安倍の共通点
安倍政権になってから、周辺国との関係は緊張しっ放しだ。最新の日中共同調査を見ても「相手国に対する印象」は過去最悪だった。
ヒトラーは首相就任からわずか半年で一党独裁体制を確立させたが、くしくも、今の安倍も半年で国会の一党独裁を実現してしまった。権力を掌握したヒトラーは、まず国民の集会や結社の自由を停止したが、不気味なのは安倍政権もひそかに同じことをやろうとしているフシがあることだ。
「国民の知る権利を抑圧する『秘密保全法案』が、秋の臨時国会に出てくる見通しです。国家公務員の機密漏洩を禁ずるものですが、こんな法律ができれば、軍事や原発に関する情報が隠されてしまうだけでなく、真実を伝えることが“違法”になりかねない。国民の知る権利や、報道機関による取材の自由が制約されてしまう悪法です」(木村朗氏=前出)
広島、長崎で開かれたシンポジウムでは、米映画監督のオリバー・ストーン氏も、日本の右傾化を危惧していたという。
後世の歴史家が安倍政権をどう評価するのかは分からないが、日本がいま歴史の岐路に立っているのは間違いない。当の国民がコトの重大性に気づいていないとしたら、それが一番恐ろしい。
「大衆がものを考えないということは、支配者にとって実に幸運なことだ」――これも、ヒトラーの言葉である。
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