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吉良佳子氏
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130809/plt1308090729001-n1.htm
2013.08.09
「うちが2、3議席増えても政権を取ることにはならない。でも、風穴は開けられる。衆参ねじれが解消されて『国会は凪になる』といわれるが、面白くしますよ」(共産党中央委幹部)
久々に共産党が元気だ。ふがいない民主党に代わって、参院選で反自民票の受け皿になり、選挙区と比例と合わせて8議席を確保した。
選挙区で勝ち上がった吉良(きら)佳子氏(東京)や辰巳孝太郎氏(大阪)は、非正規雇用や就職難の若者の共感を得るために、共産党が「4年越しで育ててきた」(同幹部)若い候補者だ。
彼らが開ける「風穴」とは何なのか。
「ブラック企業問題です。特に、吉良議員は徹底的に追及する『キラークイーン』。標的は、自民党で初当選した外食大手ワタミ創業者の渡辺美樹氏です」(同)
渡辺氏はベンチャー企業のリーダーとして「時代の寵児」だったが、週刊誌が社員の過労自殺を報じたのをきっかけに、一転、「ブラック企業」の代名詞がついた。自民党本部には「公認すべきでない」と抗議も殺到したが、最終的には公認出馬し、当選を果たした。
吉良氏は、ワタミに関する労働実態の情報を相当持っている。出馬する前、共産党の東京都委員会「雇用と就活対策室」の室長をしていたのだ。
「対策室は、口コミなどで若い人の駆け込み寺的存在だったが、ここにワタミで働いていた人たちが相談に来ていた。彼女はそれらをすべて把握していて、隠された労働実態をたくさん情報として持っている。これらを国会でオープンにするつもり。かなり衝撃的なことになる」(党幹部)
渡辺氏は、選挙戦を通じて「ブラック企業ではない」と反論してきたが、自民党の参議院国対幹部は「新情報があるとすれば予算委員会などで炎上する可能性がある」と警戒感を強めている。
前出の共産党幹部は「吉良さんを早々に委員会デビューさせる。質問はブラック企業一本。渡辺氏と公認した自民党の責任追及だ。ワタミ以外にも、対策室に寄せられたブラック企業情報がある。これらを公開するつもりだが、献金を受け取っている議員もいるから、関係者は戦々恐々としている」という。
参院選では「ブラック企業対策」「非正規など就職問題」を争点に挙げる若年層も多かった。ネットなどを中心に関心も高い。順風満帆の安倍晋三政権をつまずかせる爆弾を、キラークイーンが投げ込むかもしれない。 (政治ジャーナリスト・鈴木哲夫)
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