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医療・介護保険の加入は、正規、非正規を問わず概ね週30時間以上の労働に適用される。会社は加入を嫌い、パートの労働を30時間未満にする。多くは20時間未満である。なぜなら、雇用保険にも入れる必要がないからである。(介護保険の場合は40歳以上の労働者に適用され、医療保険に加えて保険料を払う。)
医療・介護保険が適用されると、折半になる。会社が半分払う。適用から外れた人は、国民健康保険に入る。折半はないから、全額自分で払う。介護保険も同じである。少ないパートの給料では払えないこともあり、その時は医療・介護が受けられなくなる。経営母体である市町村は軽減措置をとらざるを得ない。
日本はドイツの方式を採用したため保険方式であるが、税方式もある。スウェーデンは全額税金でまかなう。イギリスは約8割を税金でまかなっている。アメリカの場合は民間医療が原則であり、65歳以上の老人と障害者に適用されるメディケアと低所得者に適用されるメディケイドを除いて民間保険に加入する。
医療・介護の場合、保険料を払わないからといって放置するわけにはいかない。命に関わるからである。これは保険方式より税方式がよい。すべての国民が医療・介護を受けられるというのが憲法第25条の主旨であるからだ。つまり政府は国民の生存権を保障する義務がある。
医療・介護を税方式にし、その代わり所得税の累進課税税率を上げることだ。高額所得者の税率を上げる。もちろん、現在の税率でも税方式にすると、低所得者の多くは少なく払うか払わなくてよい。しかしそれでは財源をどうするかという反論が出る。財源は、現在のデフレのもとでは消費税より所得税がよい。
とはいっても難しいことはない。1990年代以前に戻すとよい。日本の所得税税率は1990年代からの度重なる改正により、低所得者に厳しく高額所得者にやさしくなった。高額所得者の最高税率は60%が40%になった。この時から格差が激しくなった。
税率を元に戻せば税収は増す。サラリーマンには多くの控除があり、その中でサラリーマン控除として、靴代や背広代などの経費とみなされる控除があるが、これは低所得者ほど低く(最低65万円)、高所得者(最高245万円)ほど高い。これも不思議な話である。これを一律に低所得者に合わせるだけでも多くの税収になる。
それでも足りないなら消費税となるが、デフレ下の消費税は景気の足を引っ張り、不況を加速させるからよくない。無謀にも消費税を上げることに決まったが、食料や書籍などを軽減する軽減税率を採用していない。これは最悪である。また輸出企業には消費税分が戻ってくる。ある医師会の人が消費税増税反対と言っていたが、医療の場合、消費税が取れないので、薬剤購入の際の消費税が上乗せされており、その分を払うことになる。輸出企業はその分が返ってくる。おかしな話である。この還付制度は撤廃するのが筋である。
こう考えると、医療・介護を税方式にしても財源はすぐ作れる。しかも低所得者は保険料を少なく払うか払わなくても医療や介護をうけることができる。あとは自己負担だけになる。これは本人が医療や介護を受けた時払うので、公平の原則に反しない。
医療・介護を税方式にすると、会社の負担が減る。折半が消えるからである。週30時間以上のパートも増える。30時間以上にした場合、残るのは年金だけである。これについては、会社に厚生年金の脱退自由を認めることだ。経営に余裕のない会社は脱退するとよい。ただし加入を選択した会社は、全労働者加入を義務化する。
前回の提案(正規・非正規の格差是正―最低賃金)のように全労働者が雇用保険に入り、かつ週20時間未満の労働の場合の保険料は全額会社負担、20時間以上の労働は原則折半にすると、労働者の多くは週20時間以上の労働になる。さらに医療・介護を税方式にすると、週30時間以上の労働も多くなる。また厚生年金の脱退を認める。これらは労働者にとって朗報である。のみならず医療・介護、年金の会社負担も消え、お互いの利益になる。現在の不況克服にはこのような大胆な政策が必要である。
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