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2013年08月09日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆「宣誓 私たちは今、この甲子園球場に立てることに幸せを感じています。
第95回を数える長い歴史の中でさまざまな困難を乗り越え、本当に多くの先輩方が前を向き、夢、感動、勇気を与えてくれました。
それを私たちが継承し、また先輩方に負けないように決して諦めず、仲間を信じ、今よりも一歩でも前進します。
今生きていること、すべての命に生かされている重みをしっかりと受け止め、高校生らしく爽やかに、すがすがしいプレーをすることを誓います。
平成25年8月8日、選手代表 帯広大谷高校硬式野球部主将杉浦大斗」
第95回全国高校野球選手権記念大会(朝日新聞社・日本高校野球連盟主催、毎日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)が8月8日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕し、4万人の観衆が見守った開会式で、帯広大谷(北北海道)の杉浦大斗主将(3年)が選手宣誓した。
落ち着いた、しかも、決して力むことなく、堂々とした見事なこのすがすがしい宣誓に、多くの観衆はもとより、テレビの前の多くの視聴者が感動したようである。
◆これに対して、安倍晋三首相の下、またまた自民党国会議員が、「失言」した。今度は、良識の府の溝手顕正参院議員会長である。毎日新聞毎日jpが8月7日午後8時20分、「自民党:溝手参院議員会長、問題発言を陳謝」という見出しをつけて、以下のように配信した。
「自民党の溝手顕正参院議員会長は7日、党本部で開かれた新人参院議員向けの会合であいさつし、『安倍晋三首相のように大変勢いのよい首相の下だと、ばかでも、チョンでも(選挙に)通る』と発言した。『チョン』は韓国・朝鮮人に対する差別的表現とされている。溝手氏は直後に撤回し、記者団に対し『非常に問題ある発言だった』と陳謝した」
溝手顕正参院議員会長こそ、「ばかでも、チョンでも」の代表者ということを自ら実証してみせたということだ。本当に「ばか」だ。
自民党では、高市早苗政調会長が6月17日、自民党兵庫県連の会合で講演し、原発再稼働への意欲を示し、調子に乗って「悲惨な爆発事故を起こした福島原発も含め、死亡者が出ている状況にもない」とやってしまった。放射能による死者はゼロでも、関連死は福島だけで1300人を超えているにもかかわらず、この冷厳な事実を無視するかのような発言が、顰蹙を買ってしまったのである。直ちに撤回、取り消したが、参院議員選挙の応援演説にも呼ばれなくなった。
続いて、麻生太郎副総理兼財務相が8月1日、憲法改正論をめぐり、ナチス政権を引き合いに「手口を学んだらどうか」などと発言した。これも国内外から激しい批判を浴び、慌てて、「誤解を招く結果となったので、ナチス政権を例示としてあげたことは撤回したい」とするコメントを発表した。
これらの失言に共通しているのは、気の緩みである。最近、言論を武器にしているはずの政治家、とりわけ国会議員の発言が軽薄になっている。一言一言に責任を持たねばならないのに、無責任発言が少なくない。国民有権者に訴える力が欠落している。心を震わせる「名演説」というものが、ほとんど聞かれなくなっているのだ。
これらに比べれば、帯広大谷高校硬式野球部、杉浦大斗主将の宣誓の方が、よほど感動的なのである。
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