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2013/8/9 晴耕雨読
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朝から外で蝉が鳴いていた。
この猛暑は数日続くらしいので、蝉の鳴き声も続くのだろう。
あの蝉のようにマスメディアが不正と悪政に騒いでくれたら良いのだが、むしろ隠蔽するので、日本国民は何も理解することなく、バラエティとスポーツに熱中しながら静かに死を迎えることになりそうだ。
あんまりばかばかしい世の中では、時々 、解毒剤として優れた文学や映画に触れることが大切だ。
するとそこにはまだ人間の顔をした人間が息づいており、ほっとさせられる。
それは主体的な行為なのですが、たまさか外から解毒の言葉がやってくる。
それが現在来日しているオリバー・ストーン監督だ。
オリバー・ストーンの言葉は、私たちが日常マスメディアから受け取っている劣化した洗脳と誘導の言葉とは全く違う。
例えば、8月6日に広島で行なわれた講演が素晴らしい。
「すばらしい記念式典は「日本人」の性質をよく表していたと思う。
しかし、今日そこには多くの「偽善」もあった。
「平和」そして「核廃絶」のような言葉が安倍首相らの口から出た。
でも私は安倍氏の言葉を信じていない」(引用終わり)
私も安倍晋三の演説を批判していたので、わが意をえたり、と思った。
訪問先のトップを批判するとは、オリバー・ストーンは、大変誠実な人である。
(オリバー・ストーン)
「みなさんに聞きたいのはどうして、ともにひどい経験をしたドイツが今でも平和維持に大きな力を発揮しているのに、日本はアメリカの衛星国家としてカモにされているのかということだ。
あなた方には強い経済もあり良質な労働力もある。
なのになぜ立ち上がろうとしない? 」
私がいつも使っている言葉でいえば、日本は植民地だということだが、こういう辛口の忠告こそ、日本人の人格を認めた表現なのだ。
震災直後に「日本人は我慢強い」 、「秩序を崩さずに復興に取り組む姿に感動した」と、外人の賞賛とやらが御用メディアを通じて流された。
これはもちろん抗議や異議申し立てを封じるための為政者の常套手段である。
本当に日本を愛し、日本を評価している外人から見れば、どうしてこう、権力に弱いのか、立ち上がらないのか、不思議なのだ。
(オリバー・ストーン)
「オバマはヘビのような人間だ。
ソフトに語りかける。
しかしオバマは無慈悲な人間だ。
台湾に120億ドルもの武器を台湾に売り、日本にスティルス戦闘機を売る。
日本は世界第4位の軍事大国になっている。
それを「自衛隊」と呼ぶのはかまわないが世界4位の軍事大国だ。
日本より軍事費が多いのは米国、英国、中国だけだ。
日本をそういうふうにした共犯者はアメリカにほかならない。
日本は米国の武器の最大の得意客なだけでなく、アメリカの行なったクウェートやイラクでの戦争の戦費の支払をしてくれた。
よく聞いてほしい、アメリカは、こんなことを言いたくはないが、いじめっ子なのだ。
日本が今直面している恐ろしい龍は中国ではなく、アメリカだ。
4日まえ、私は韓国の済州島にいた。
韓国は上海から400Kmのその場所に最大の海軍基地を作っている」(引用終わり)
私にはこのオリバー・ストーンの言葉が日本への励ましに聞こえる。
本当は日本の政治家とメディア、それに大学教師が、オリバー・ストーンの発言を繰り返さねばならないのだ。
勇気を持って立ち上がれ。
抵抗し、闘え。
日本人はそれができる民族である。
オリバー・ストーンの言葉はそう聞こえる。
(オリバー・ストーン)
「米国は「唯一の大国」であろうとするために脅威を増大させ、世界中にアメをなめさせ、無実の人を刑務所に入れ、消し、ファイルを秘匿し、盗聴し、永遠の監視国家たろうとしている。
ご存知かどうかわからないがジョージ・オーウェルがこのことをうまくいいあらわした。
これが今世界に起っている事だ。
日本は、悪事に加担している。
もう一度言おう。
ベトナム戦争の後、みなさんは戦争のあぶなさにを知って、これがアジアで最後の大きな戦争になると思ったはずだ。
でも、もう一度戦争がある。
ここでみなさんにはドイツがヨーロッパでしたように、立ち上がって反対の声を上げてほしい。
日本はかつて敗戦し広島長崎そのたでひどい目にあった。
その悲しみを糧にして強くなり、繰り返し戦争を起こして日本と世界に痛みを与えてきたバカ者どもと戦ってほしいのです」
雷は炸裂する。
「もう一度戦争がある」「繰り返し戦争を起こして日本と世界に痛みを与えてきたバカ者どもと戦ってほしい」。
来日の講演で、この映画監督が、芸術家であると同時に哲学者であり、歴史家であることがよくわかった。
オリバー・ストーンの残した言葉はあまりにも重い。
(完)
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