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http://shukan.bunshun.jp/articles/-/3004
週刊文春 2013年8月15日・22日 夏の特大号
「問題点を指摘することなく、ただ聞いたままを記事にしている。これではジャーナリスト失格でしょう」
こう憤るのは森豪氏。豪氏の娘・美菜さんは、ワタミに入社し、約2カ月で過労自殺に追い込まれた。豪氏が憤るのは、朝日新聞に掲載された前ワタミ会長の渡辺美樹参院議員(53)のインタビュー記事である。
こんなインタビューならいつでも受けたい!?
参院の初登院日である8月2日の朝日朝刊。注目の新人議員として渡辺氏のインタビューが掲載された。
〈ブラックじゃない。賃上げする〉
と題された記事では、渡辺氏は言いたい放題。
小誌が明らかにした理念集の言葉「365日24時間死ぬまで働け」についても、
〈この1行だけで『ブラック』というのはおかしい〉
と問題を矮小化。
中でも最もひどい暴言は、過労自殺の原因について、
〈なぜ採用したのか。なぜ入社1カ月の研修中に適性、不適性を見極められなかったのか〉
と、まるで森さんの適性に問題があったかのように答えていることだ。森氏はこう憤る。
「娘への、遺族への冒涜です。ワタミの労務管理に問題があったのに、娘の能力の問題にすり替えている。そもそも、実際の労働時間を明示せずに採用し、ろくな研修もせずに長時間労働を強いておいて、適性不適性を言う資格はない」
森氏の言う通り、ワタミの労働環境に問題があり、美菜さんが過労自殺に追い込まれたことは、労働者災害補償保険審査官が労災認定の際、認めている事実だ。
問題は、朝日新聞が渡辺氏の言い訳を垂れ流すばかりで、それ以上、突っ込んだ質問をしていない点だ。
一例をあげよう。渡辺氏は過労自殺について二度も「命がけの反省」を口にしているが、いまだに遺族に謝罪をしていない。森氏はこう語る。
「今の今までワタミと渡辺美樹氏は反省をしていません。労災認定が下されたのに責任を認めず、遺族に会おうともしない。私たちに彼の口からは何の説明もないのです。朝日はどうしてしまったのでしょうか。参院選期間中でも、過労死問題を連載し、ワタミを取り上げた産経新聞によっぽど気骨を感じました」
記事では森さんの過労自殺のみで、ワタミがブラック企業批判を受けているように読めるが、他にも死亡事故が起きていることについては一切聞いていない。「ワタミの介護」では、2件の死亡事故で、業務上過失致死容疑で捜査を受けている。しかも1件は、わずか3カ月前、渡辺氏が出馬表明する直前の今年5月の事件なのだ。7月に報じられたばかりの事件についても、朝日記者は知らなかったのか。ちなみに朝日新聞は死亡事件発覚翌日、東京版で記事にせず、夕刊では、ワタミの介護施設の広告を掲載していた。
元朝日新聞編集委員の落合博実氏が嘆息する。
「朝日新聞は、まじめに働く人、力の弱い人の代弁をする報道姿勢を大切にしようとした時代もありました。しかし、最近の朝日はそうした姿勢を著しくなくしてしまっているのではないか」
結果として、渡辺氏の広報紙に成り下がってしまった朝日新聞。ブラック企業が社会問題化する中、報道機関としての見識が問われている。
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