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http://www.iwate-np.co.jp/ronsetu/y2013/m08/r0803.htm
生活の党の小沢一郎代表が民主党在籍時、政治資金規正法違反罪で強制起訴され、離党後の昨年11月に無罪が確定した陸山会事件にまた一つ、闇が増えた。元秘書が小沢氏の事件への関与を認めた−とする事実と異なる捜査報告書を作成した元検事を、最高検はついに立件しなかった。
最高検の聴取に、元検事は「以前に(元秘書を)取り調べした際のやりとりと記憶を混同した」との説明を繰り返したという。一般市民で構成される検察審査会(検審)は今年4月、それは考え難いとして不起訴不当を議決し、再捜査を求めていた。
今回、最高検が再び起訴を見送ったことで捜査は終結した。不起訴不当議決は起訴相当議決と異なり、強制起訴にはつながらないからだ。
最高検が不起訴とした理由が振るっている。以前、元検事が元秘書を5時間にわたり聴取した際はメモを取っていなかったという。だから「記憶違いを起こす危険性が高かった」(最高検)そうだ。
検察官は頭がいいとは思っていたが、メモも取らずに5時間も聴取し、記憶だけを頼りに捜査報告書を作成しているとは知らなかった。その結果、一人の人間が起訴され、社会的ダメージを被る。記憶違いだったと言われて、誰が納得できるだろう。
まして被告とされたのは、政権党にあって首相の座も狙える立場にあった政治家。その政治資金への関わり方には依然、一般庶民には分かりにくい部分が残るとはいえ、強制起訴に何らかの意図的関与を推察する論調は、今後もくすぶり続けるに違いない。捜査の闇が深まった印象こそあれ、それは決して今後の検察活動に有益ではあるまい。
元検事を不起訴処分とした理由は、突き詰めれば捜査報告書の記載は「虚偽ではなく勘違い」という解釈だ。思い起こせば、陸山会をめぐる一連の裁判で有罪となった元秘書らも類似の弁明をしていたものだ。身内でなければ、もっと厳しく追及したのではないかとの疑念は拭えない。
しかも「間違い」が発覚したのは、元秘書が自らに対する取り調べの様子を「隠し録音」した内容が明らかになったのがきっかけだ。報告書が検審メンバーの心証形成に大きく影響した事態の重大性に鑑みれば、ここで経緯を明らかにせずして検察への信頼回復は望めまい。
「疑わしきは罰せず」という刑事司法の大原則は、司法という名の国家権力の暴走を戒めるためにあるだろう。権力に属する側は、自らが疑われることにもっと厳格であるべきだ。「記憶の混同」などと国民をばかにしたような結論づけは、検察に自浄能力はないと認めるに等しい。
(2013.8.3)
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