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2013-08-06 陽光堂主人の読書日記
本日は「原爆の日」ですが、米国の映画監督、オリバー・ストーン氏がこれに合わせて来日し、「原爆投下には正当性はない」と正論を吐いています。米国政府は未だに「終戦を早めるために原爆投下は必要だった」と強弁し、多くの国民もそれを信じている中、まともな認識だと言えましょう。
東京新聞は、本日付で次のように報じています。
(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013080602000105.html)
米「投下に正当性」は「うそ」 O・ストーン監督が来訪
アカデミー賞の受賞作品「プラトーン」などで知られ、米国の軍事展開を批判する米映画監督のオリバー・ストーン氏(66)が、広島の原爆の日などに合わせて来日している。十五日まで長崎、沖縄を回り、原爆や米軍基地問題について人々と対話する予定だ。原爆投下を「正当性がない」と指摘、「歴史を正しく記憶することが大切」と訴えている。
「米国は日本がソ連に侵略されることを恐れていた。だから日本が降伏したがっているのを知りながら原爆を落とした」。広島市で市民団体のシンポジウムなどに参加したストーン氏は強調する。
昨年、歴史学者でアメリカン大准教授のピーター・カズニック氏とテレビドキュメンタリー「もうひとつのアメリカ史」を制作、同名の本を出版した(日本語版は早川書房「オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史」)。公文書をひもとき、戦時中から今のオバマ政権まで続く覇権主義に疑問を投げかける内容だ。
すべての元凶とみるのが日本への原爆投下。戦争を早く終わらせ、多大な犠牲を防ぐのに必要だったという米国の正当化理論に対し、ストーン氏は「私も長年、投下は正しかったと信じていたが、それは神話、うそだと分かった。今も子どもたちはうそを教えられている」と指摘する。
さらに、米軍が沖縄をはじめ各国に軍事基地を展開していることを「非常に危ない」と懸念、「だから広島は象徴でなければならない」と訴える。
安倍政権は「日米同盟強化」を理由に集団的自衛権の行使に布石を打ち、その先には改憲の議論が待ち構える。ストーン氏は日本の右傾化を「世界にとって危険なこと」とみる。カズニック准教授も「憲法九条は日本にとって要。安倍政権が変えようとしていることは問題で、悲惨な結果を招くだろう」と強調した。
「これ以上、双方の犠牲者を増やさないために原爆を投下をして終戦を早めた」という公式見解は、どう考えても可笑しいのですが、ストーン監督ですら「長年、投下は正しかったと信じていた」そうですから、苦し紛れのインチキな説明でも効果はあるようです。
まともに考えたら、軍人の犠牲者を減らすために無辜の国民を一瞬にして大量殺戮するなんて、どのようなロジックを使っても正当化できません。米国政府の説明を信じている人たちも、心の奥深くでは可笑しいと思っているはずです。
それでも、「政府が正しかったと言っているのだからそうなんだろう」と無理に納得させているに違いありません。後で認識の誤りを指摘されても、政府のせいにすればよいのですから。
ストーン監督は、「米国は日本がソ連に侵略されることを恐れていた。だから日本が降伏したがっているのを知りながら原爆を落とした」と述べていますが、この発言はズレています。日本は以前から降伏を打診しており、米国は原爆の威力を実験するために戦争を長引かせていました。
戦後のソ連との対立を見越して、威嚇のために投下したという側面もありますが、第一の目的は人体実験でした。日本人はこの後も、水爆や生物・化学兵器、原発事故の被害を経験していますが、こうした国民は他に見当たりません。明らかにABC兵器の実験対象にされています。
ストーン監督は知ってか知らずか、この点に言及していません。知ってはいるものの、そこまで踏み込んだ発言はできないのかも知れません。ストーン氏の映画や最近刊行されている本は、他に比べれば良質ですが、いずれも本質を衝いていません。米国は指折りの言論統制国家ですから、この辺が限界のようです。
広島には原爆慰霊碑があり、そこには「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」と刻まれています。この表現は責任の所在が曖昧で、「自分たちが悪かった」という意味にも受け取れます。
原爆を投下したのは米国ですから、第一に反省すべきはもちろん米国です。にも拘らず、そういう指摘については直ぐ様反論がなされ、「誰の責任か問うのは重要でなく、不戦の誓いをすることが肝要だ」という尤もらしい説明が繰り返されて来ました。
尤もらしい話は胡散臭い背景があるのが常で、米国に矛先が向くことを懸念しているとしか思えません。日本を貶めたい左翼の連中も、呉越同舟しているようです。
責任を追及することはもちろん必要で、そうしなければ反省も「過ちを繰り返さぬ」こともできません。徒に感情的に反応するのではなく、冷静に順序立てて真相を明らかにすることから始める必要があります。
日本の軍隊の犯罪もきちんと立証すべきですが、中韓は問答無用の政治的言動に終始していますから、常に水掛け論で終わり、国民感情は悪化するばかりです。利害関係を抜きに事実を検証するという作業は、この地域ではまだ難しいようです。どこの国でも利権屋が跋扈しており、彼らを政治の中枢から放逐しない限り、事態の進展は望むべくもありません。
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