http://www.asyura2.com/13/senkyo152/msg/157.html
Tweet |
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/ee20693a3f1830cdcc0957ad4eef064f
2013年08月05日
永田町は今日一日臨時国会の日程を残しているが、何事ともなく過ぎていくだろう。国内の政局的次元で言えば、殆どコラムに書くべきものがないような状況が暫く続くことになる。しかし、現実の政治は、官僚をや審議会中心に粛々と安倍政治が進捗することになる。昨日のコラムではないが、集団的自衛権の行使を容認するべく法制局長官に小松駐仏大使を起用。過去の憲法解釈を覆そうとしている。日米同盟に縛られた原発再稼働、国内新設、海外への輸出など、日本政府だけの決意では結論の出ない事情を抱えている。福島原発の後処理が上手く行くか行かないかに関係ない次元で、物事は進んでいる。
TPPは交渉力を発揮する期間も少なく、モラトリアム条項のような屁理屈をつけて、留保、留保で切り抜けようと霞が関は考えているようだ。TPPに関しては、実際問題霞が関官僚のフィールドに入った途端に、結構難渋する可能性を秘めている。何故なら、霞が関官僚組織のメカニズム温存に支障をきたす部分が多々ある包括的貿易協定だけに、おいそれと官僚達が首を縦に振るとは限らないのが真実だろう。明治維新以降、幸か不幸か堅持出来た官僚統治システムの危機なのである。米国資本にとって、最も厚い参入障壁は霞が関なのだから、彼らの抵抗は相当のものだと読んでおく方が賢明だ。つまり、政治家や政党はどうにでもなるが、霞が関官僚機構は米国と雖も、簡単に突破できるものではない点、我々も留意しておくべきだろう。勿論、霞が関官僚機構の抵抗が、国民国家を慮る行動と云う事ではなく、営々と築いた彼らの利権を奪われない範囲で障壁を取り除くだけで、コアな部分は、善かれ悪しかれ堅守すると云う意味である。
社会保障の負担増や支給の引き下げは当たり前のように起きるだろうし、増税も遅かれ早かれ実施されることになるだろう。TPPが例外なき関税撤廃と云う言葉があまりに強く印象づけられた為に、真正面から受け取り過ぎたきらいもあるだろう。舐めて掛かるものではないが、ビビるものでもないと云う事も言える。考えてみれば判るのだが、あれ程までに不平等な条約が表看板通りに成立するとなると、最後は日本障壁のシンボルである霞が関官僚機構が崩壊することを意味しているので、是か非か、現実的判断としては微妙な問題なのだ、と最近気づいている。
TPP協定を批准した場合、脱退問題は問題外と云う主張が主流だが、日米同盟との絡みからの思考によればその通りだが、その枠を取り外せば、至って簡単に脱退も可能である。又は日中韓FTAやASEANプラス6、日欧FTA、日露FTAなどで、協定の効果を限りなくゼロに接近させWTO時代に逆戻りさせることも不可能ではない。グローバリゼーションなのだから、強者が生き残るのみを、その言葉通り行う世界の実現に邁進すれば、どこが勝つか負けるか、どの業界が生き残るか、結構良い勝負になるとも言える。つまり、自由化なら徹底的にやろうぜ。日本民族のデモクラシーにおける欠点である、意外にこう云う時長所になる(笑)。
以上、日米同盟と霞が関官僚機構のバトル風に語ったのだが、国外に目を向けると、実は大騒ぎになっている。主にアメリカの大慌て状態のことだ。アルカイダのテロ決行部隊に、多くの脱走事件で解放されたテロリストが糾合され、戦力を回復、対米徹底抗戦の布石を敷いたようである。このような情報をキャッチした国務省は、今月中にアルカイダによるテロを警戒、エジプトやイエメンなど中東中心の17カ国の大使館を一日、乃至はそれ以上閉鎖することにした。あまり確証のない情報だからこそ、17カ国の大使館の閉鎖などと云う荒唐無稽な行動に出たのだろう。確たる情報があれば、もう少し絞られた行動になる筈だ。米国の覗き盗み聞きの効用を喧伝する壮大なハリウッド的演出じゃないのか?と云う疑念さえ頭をもたげる。
殊更に慌てふためくマッチョなアメリカの姿を世界に見せる事が、米国の今後にプラスなのかマイナスなのか、判然としない。いずれにせよ、アメリカと云う国がマッチョで気弱と云うことの現れとも見えるし、自国民の生命の防御うに真剣に取り組んでいるようにも見える。それをどう見るかは、個人それぞれの見方によるだろう。ただ、元CIA職員スノーデン氏がロシアに無事に一時的亡命を果たした問題も影を落としているだろう。プーチンは必ずしもスノーデンに好意的ではなかったが、ロシア世論はことの他“アメリカ憎し”の感情を持っていることを、プーチン自身、あらためて気づいたに違いない。
スノーデンの暴露資料は、既にメディア側に全面的に渡っており、幾つかの顛末に合わせて、その都度ごとに暴露する事実を細分化して、身の安全を確保している可能性が強いのである。この暴露情報の中には、米国政府転覆に近い情報まで含まれている可能性が大いにあることを示唆している。911事件やボストン爆破事件がヤラセであったとか、ビンラディン殺害はそっくりさんのビデオ編集だったとか、驚くべき事実の隠蔽劇かもしれない。ロシアが深入りするのを避け、早々に第三国への出国を画策したのを徹底的に邪魔をしたのが米国政府だった。穿った読みをすれば、南米の反米国家に行かれるよりも、ロシアに留まらせる方が得策、最悪のなかでベストの選択であった可能性が高い。
つまり、スノーデンは米国政府のキンタマを握ってしまった。今回のスノーデン事件における、米国政府のうろたえ方は尋常ではない。余程の問題が隠されている可能性が高いのだろう。NBCの解説者が言うように「米当局がスノーデンの確保にまごつき、能力不足を露呈していることによって、繊細な外交関係が綻びかけており、世界におけるアメリカのイメージが損なわれている」と云うだけではなく、致命的情報を握られている可能性まで、疑惑は拡がるようだ。この事と、アルカイダの元気の良さは、関係がないようで、密接に関係している。テロリストの多くは、心情的動機づけで動いているので、相手が苦境に立てばたつほど勇気づけられるものである。
既に暴露された覗き見、盗み聞きプログラム以外にも、世界が仰天するような悪事の限りが残されている可能性も捨てがたい。しかし、既に十二分に米国の偽善性が暴露されているわけで、これ以上、地球上を進軍ラッパ吹きならし、スノーデン抹殺に動いても、得るべきものはなく、失う信頼の方が遥かに大きい。このような事実は、合衆国の威厳をいたく傷つけ、強大さの衰退を世界中に喧伝したことになる。ロシアは米国が世界制覇の中で好んで使った「人権」を逆手に、スノーデンやアサンジ氏を人権活動家と位置づけている。こう云うのが戦略外交なのだろう。ウラジミール・プーチン食えない男である(笑)。
さてさて、そこでと云うわけではないが、本題の安倍晋三の心を読む問題に取りかかろう。必要に筆者が語っているのが、安倍晋三の自己矛盾した政治姿勢への疑問である。経済をグローバルに展開し、国内市場も開放し、ナショナリズムを断固遂行する!まったく整合性がないと云う問題に行きあたる。安倍晋三が2006年9月、内閣総理大臣になった時、彼は「戦後レジームからの脱却」を高らかに宣言し、美しい日本を取り戻すと叫んだ。そして早々に中国に飛んで行ったのである。安倍の心根は初心に存在すると云うのが真実に近いと筆者は考えている。この安倍の「戦後レジームからの脱却」を我々は今一度噛みしめておく必要があるような気がしてならない。安倍晋三の公式HPには、2009年政権交代間近に更新した「戦後レジームからの脱却」について書かれている。(今でも残っている)
≪ 憲法改正
• 最終変更日時 2009年06月12日
私は平成19年1月の内閣総理大臣施政方針演説で「戦後レジーム」からの脱却を宣言しました。憲法を頂点とした行政システム、教育、経済、雇用、国と地方の関係、外交・安全保障などの基本的枠組みの多くが、21世紀の時代の大きな変化についていけなくなっていることは、もはや明らかです。
戦後レジームからの脱却を成し遂げるためには憲法改正が不可欠です。
憲法改正が必要と考える理由として、次の3点を指摘します。
まず、憲法の成立過程に大きな問題があります。日本が占領下にあった時、GHQ司令部から「憲法草案を作るように」と指示が出て、松本烝治国務大臣のもと、起草委員会が草案作りに取り組んでいました。その憲法原案が昭和21年2月1日に新聞にスクープされ、その記事、内容にマッカーサー司令官が激怒して「日本人には任すことはできない」とホイットニー民生局長にGHQが憲法草案を作るように命令したのです。
これは歴史的な事実です。その際、ホイットニーは部下に「2月12日までに憲法草案を作るよう」に命令し、「なぜ12日までか」と尋ねた部下にホイットニーは「2月12日はリンカーンの誕生日だから」と答えています。これも、その後の関係者の証言などで明らかになっています。
草案作りには憲法学者も入っておらず、国際法に通じた専門家も加わっていない中で、タイムリミットが設定されました。日本の憲法策定とリンカーンの誕生日は何ら関係ないにもかかわらず、2月13日にGHQから日本側に急ごしらえの草案が提示され、そして、それが日本国憲法草案となったのです。
第二は憲法が制定されて60年が経ち、新しい価値観、課題に対応できていないことです。例えば、当時は想定できなかった環境権、個人のプライバシー保護の観点から生まれてきた権利などが盛り込まれていません。もちろん第9条では「自衛軍保持」を明記すべきです。地方分権についても道州制を踏まえて、 しっかりと書き込むべきです。
第三に憲法は国の基本法であり、日本人自らの手で書き上げていくことこそが、新しい時代を切り拓いていくのです。
憲法前文には「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と記述されています。世界の国々、人々は平和を愛しているから日本の安全、国民の安全は世界の人々に任せましょうという意味にほかなりません。
普通の国家であれば「わたし達は断固として国民の生命、財産、領土を守る」という決意が明記されるのが当然です。 安倍内閣は憲法改正のための手続き法である国民投票法を成立させました。保守合同によって昭和30年に自由民主党が結成されましたが、その原点は自主憲法の制定でした。これまで憲法改正問題が放置されてきたのは残念ですが、国民投票法の成立によって大きな一歩を踏み出しました。今後も憲法改正に向けて全力で取り組みます。≫(安倍晋三公式HPより)
上記の歴史的事実の誤認など、この際見逃すとして、安倍の心根を探るには最適なテキストでもある。早いは話、憲法が出来あがったプロセスが痛く気に入らない心情が露わだ。出来あがったものが良いか悪いかより、成立経過が気にくわないと言っている。ただ、戦後レジームとは、具体的にどのようなことなのか、いくら読んでも具体的全容が見えてこない。心情政治家らしい、言霊一本槍である。或る意味で可愛いが、非常に怖くもある。
戦後レジームが具体的にどう云うものか、此処では詳細に触れないが、戦前の日本を一定の範囲で参考にしようとしている点は疑いようがない。連合国から押しつけられた制度や価値観を変えたい気持ちは沸々と感じる。安倍は21世紀に向けた憲法のあり方と言っているが、自民党憲法草案を読む限り、戦前の憲法に近づこうとしている。イザとなれば日本独自で戦争の出来る国を目指しているとしか思えない。つまり、米軍から独立した軍隊を持つことが、日本の独立に欠かせないと云う心境が色濃く見られる。反米ではないが、米国からの独立を強く意識している。外交においても、日米同盟の箍から抜け出したい思いが露呈している。
にも拘らず、現在の自民党の政策選択は、より親米に靡いている。TPPにせよ、原発推進にせよ、沖縄辺野古基地問題にせよ、米国の思うがままを許している。心とは逆向きの政策は現実論であり、理想論への方向づけは追々悟られないように行おうと云うのだろうか。誰が見ても判りそうなレトリックで、到底米国の目を誤魔化せるものではないのだが、この自己矛盾に満ちた政権は、粛々とスケジュールをこなしている。ASEAN各国との強い友好関係の構築は、日本の真の独立に欠かせない。ロシア、モンゴルとの関係強化も目立つ。独立した軍隊も、集団的自衛権可能の経過を経た上に、独立軍隊の構築は見えてくる。
対中問題は、最後の最後に首脳同士の胸襟を開いた話し合いで、手を打つ算段かもしれない。その時、対米追随からの脱却、アジア回帰、強力な軍事力の保持と云う、鳩山由紀夫と安倍晋三の心根は一致する。世間では、鳩山の度々の訪中を騒乱行動のように捉えているが、保守政治家として対中のパイプを堅持していると見る事も可能だ。対韓問題は、所詮弱小国のウロチョロ外交なので、後手に回っても大した問題ではないだろう。このような小説的考えに立つと、米国オバマが安倍晋三に親和的ではない態度の説明はつく。まさか、そこまで安倍晋三が考えて行動しているとは思えないが、集団的自衛権行使の過程で、着々と軍事力を整え、強大な軍隊の構築は夢ではない。米中太平洋分断論が語られる中で、太平洋に日本ありの心情が生まれても不思議ではない。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。