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2013年8月 5日 植草一秀の『知られざる真実』
7月21日に参院選が終わり、8月2日に臨時国会が召集された。
自民は昨年12月の総選挙に続き、今回参院選でも大勝した。
衆議院では自公が3分の2を確保、参議院では自公で過半数、みんな維新改革を合わせて3分の2を確保した。
国政選挙に3連勝すると権力を完全に掌握できる。
小沢−鳩山民主党は2007年参院選、2009年総選挙に2連勝して、権力の完全掌握に王手をかけたが、ここからの既得権益の逆襲はすさまじかった。
目的のためには手段を選ばないのが既得権益の行動様式の特徴である。
主権者勢力は、あと一歩のところで権力を強奪された。
しかし、これであきらめるわけにはいかない。
次の国政選挙はダブルヘッダーになる可能性が高い。
このダブルヘッダーを2連勝すれば、情勢は一気に逆転する。逆に王手をかけることになる。
参院選で、本当は原発・憲法・TPP、そして、普天間・消費税を問わねばならなかった。
ところが、安倍自民は争点隠し、争点ずらしを強硬に押し進めた。
マスメディアが全面協力した。
選挙の争点は「景気」、選挙の焦点は「ねじれ」だとされてしまった。
安倍首相が提示したアベノミクスは、金融緩和と積極財政、そして成長政策だった。
金融緩和が円安を通じて株価を上昇させ、13兆円補正予算が景気浮上に力を与えた。成長政策はまだ何もやっていない。
13兆円補正予算は利権支出満載の投票誘導バラマキ予算だった。
ちょうど半年間、「アベノミクス効果」が表に出て、これをマスメディアが全面礼賛したから、安倍政権は参院選に勝った。
5月22日から6月13日にかけて「アベノミクス効果」が出尽くし、金利上昇=円高=株安の逆流が生じたが、米国が金融緩和縮小を発表し、米金利が上昇したために、ドル高=日本株高が復活して、安倍自民党は九死に一生を得た。
これから3年間の日本は地獄だ。
議会制民主主義が完全に機能マヒ状態に陥る。
参院選で自公に投票した主権者は、主権者全体の25%だった。
この25%の民意で、日本のすべてが決められてしまう。
維新、みんな、民主の大半は、同質で自民党に近い。
つまり、議会から、政権批判勢力がほとんど消えたのである。
この体制で、すべての重要事項が決められていってしまう。
それが、
原発・憲法・TPP&普天間・消費税
だ。
麻生太郎氏は憲法改正問題で、ナチス党の行動を肯定する表現を使って、憲法改定を強行する姿勢を示した。
サッカーの東アジアカップで、韓国観客が横断幕を提示した比ではない。
首相経験者で、現職の副総理が、ナチス党を肯定する発言を示しながら、憲法改定を秘密裏に進めてしまう提案を示したのだから、客観的に捉えて、議員辞職に該当するような暴挙だ。
ところが、このような事態に対しても、政治権力は公道のど真ん中を歩いて悠々と突き進む姿勢を示している。
野党は召集された国会で予算委員会を開き、集中審議を求めたが、安倍氏はこれを踏みつぶした。
これが、独裁政治の怖さなのである。
政治評論家は、選挙後が正念場だと強調するが、そうではない。
すでに、正念場は通り越えて、安倍自民党一党独裁が始まっているのだ。
参院選前に、安倍晋三首相に対する問責決議が参院で可決された。
国権の最高機関である国会が内閣総理大臣に「失格」の烙印を押したのだ。
しかし、安倍晋三氏は参院の問責決議可決を厳粛に受け止めることすらせず、問責決議可決は「ねじれの象徴」だと開き直った。
これ以上の傲慢はない。
日本国憲法63条の定めに反する憲法違反の行為を実行し、このことで国権の最高機関である国会から問責決議を受けたにもかかわらず、反省も謝罪も真摯な受け止めもなく、参議院で野党多数の状態が悪いと開き直ったのだ。
しかし、このような暴挙でさえ、もはや首相に苦言を呈する存在はなくなった。
「絶対権力は絶対に腐敗する」
と言われるが、絶対的な腐敗はすでに始まっている。
暴政が何のチェックも受けずに、繰り広げられてゆくことになった。
この臨時国会で、麻生太郎氏のナチス肯定発言が厳しく追及される必要があった。
ところが、安倍晋三自民は、予算委員会すら開催せずに、国会を閉幕し、議論を封じ込める。
これはいまだけの事象ではない。
これから3年間持続する日本政治の基本図式になる。
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