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2013/8/3 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
年収500万円4人家族
消費税率を来年4月に8%に上げるのか延期するのか。安倍政権内部で賛否両論が渦巻いているが、庶民からなけなしの生活費をムシり取る“暴政”はすでに始まっている。まだ消費増税は実施されていないのに、この2年で実質可処分所得(物価上昇分を除く)が大きく減少しているのだ。
大和総研の最新の試算によれば、〈年収500万円、片働き4人家族の子育て世帯〉は、2011年から今年にかけて、年間14万4500円もの負担増になっている。この間に、子ども手当は縮小、住民税の年少扶養控除が廃止され、厚生年金の保険料が引き上げられたためだ。
大和総研では、「あまり税引き前の年収が変わっていないにもかかわらず、なんとなく生活費に余裕がなくなっていたり、家計収支が悪化していたりする世帯も多いものと思われる」と指摘している。なるほど、生活が苦しくなるワケだ。
来年からの消費増税が加われば、このタイプの世帯は今後もほぼ同じペースで可処分所得が減る。16年時点で11年と比較して31万2200円(7・19%)の減少になるという。
◆増税でさらに倍額が吹き飛ぶ
逆に、〈年収500万円の単身世帯〉は、もともと子ども手当や扶養控除がないため、この2年間の負担増は厚生年金の保険料引き上げぐらいだった。だから消費増税で一気に負担感が増す。16年時点の実質可処分所得(11年比)は17万9800円(4・56%)の減少だ。
〈年収240万円の年金夫婦世帯〉も、この2年間は介護保険料の改定分が負担増になっているくらいだったが、来年は大変だ。今年10月と来年4月に年金支給額が1%ずつ減額され、消費増税も上乗せされる。来年は今年と比べ、実質可処分所得が7万1300円(3・15%)減る。低年金者対策として、15年10月から年金生活者支援給付金が支給される見込みではあるが、消費増税分まではカバーできない。
「知らず知らずに増えている負担はものすごいですよ。扶養控除廃止、子ども手当減少、復興増税、食料品の高騰、電気代の値上げ……。少子高齢化ですから、今後も社会保険料や健康保険料、介護保険料は上がっていく。一方で、毎月発表される所定内給与(残業代などを除いた額)は13カ月連続で減少している。可処分所得は減るばかり。これでデフレ脱却なんてムリですよ」(経済ジャーナリスト・荻原博子氏)
国民はもっと怒るべきだ。
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