http://www.asyura2.com/13/senkyo151/msg/874.html
Tweet |
http://km2295.iza.ne.jp/blog/entry/3148368/
2013/08/03 06:52 日々雑感
官公庁の委員会には摩訶不思議な名称を付けるのが流行りのようだ。原発再稼働を推進する「原子力規制委員会」があるかと思えば、国民全体を見ることのない「社会保障国民会議」が社会保障のあり方を検討している。
この秋を目途に正式取り纏めするようだが、中間報告として出て来た答申案を見る限り、抜本的な改革とは程遠く現行制度の手直しに過ぎない。しかも74以上の1割負担を廃止すべきだとしていることからも解るように、国民の側に立つ議論ではなく、財政事情を勘案したやり繰りを官僚に成代わってやっているに過ぎない。
たとえ高齢者であろうと高額所得者は多く負担するという、世代を問わず「応能負担」原理を貫くのは正しい。が、民主党が掲げていた一律最低保障年金を排したのは「一律支給」の原則に悖るものだ。産経新聞は民主党が掲げた最低保障年金制度を非現実的だと批判しているが、実現してもらっては困る連中が「非現実的だ」と言っているに過ぎない。
さらに毎年上昇する社会保障費に対して税を投入するのを制限しようとするのは誤りだ。本来なら社会保障はすべて税で対応すべきものだ。それを別枠で「保険」なる名称で国民から徴収しているに過ぎず、国民の立場からみれば「税」であろうと「保険」であろうと公的負担では同じことだ。
少子社会では現行の団塊の世代が寿命を迎える頃まで高齢世代が全人口比で増大の一途をたどるため年々社会保障費が増大するばかりだが、やがて全人口比に対する高齢者割合が低下するのは簡単な算数の問題だろう。社会保障費が年々常に増加する、と国民を脅すのはやめた方が良い。
かつて団塊の世代が勤労世代だった当時、社会保障の各保険や年金は思わぬ増加にホクホクしていた。自分たちの小遣いと勘違いした官僚たちは野放図に乱費してしまった。
人口予測は間違わない唯一の予測だといわれている。団塊の世代が高齢化すればどうなるのか、昨日今日解ったことではない。だから少子化対策を数十年前から取り組んでこなければならなかったのだ。それを放置して、子育ては個々人の個人的な問題だ、と未開社会のような観念でいた日本の政治家と官僚たちの怠慢は非難されてしかるべきだ。
国家経営の基礎的数字は人口だ。人口が足らなければ移民で対応すれば良い、と新自由主義者たちは主張しているが、労働移民を積極的に受け入れて来た欧州諸国では移民社会が深刻な社会問題化しているのを御存じないのだろうか。社会保障のお手本とされるスウェーデンの人口比殺人事件率が異常に高い原因が移民にあると何人の人たちが理解しているのだろうか。
なぜ社会保障国民会議は狭い観点から社会保障を議論したのだろうか。社会保障というからには保育や福祉も含めてすべての社会保障を一元的に議論すべきだ。
能天気な官僚たちにとっては共済年金が高額な給付金を約束している限り現行制度が最も良い制度なのだろう。もちろん高額給与を手にしていた連中も高額な厚生年金が保障されている現行制度が存続する方が良い、と心秘かん考えているだろう。しかし、そうした特権階級の存在をいつまでも国民が許容するはずはない。
現在非正規労働従事者は全労働従事者の4割近くに達している。彼らの多くは国民年金に加入している。それが暮らせない年金である限り、死ぬまで非正規労働者として働き続けなければならないという「現実」に直面したら、彼らがネットなどで連帯することを学習したとしたら、大きな社会運動が起こらないとも限らない。
その際、官僚たちは困窮する財政状況でもチャッカリ別枠で人件費や共済年金基金などを確保して、残余の足らない予算を国民に押し付けていたという背任行為を指摘されないとも限らない。政治家たちも国民所得と比較して高額な報酬や政党助成金で「金塗れでなければ政治は出来ない」などという上から目線でふんぞりかえってはいられなくなるだろう。
政治を国民の手に取り戻そう。マスメディアによる誘導と官僚たちによる洗脳から醒めた国民が社会運動を始める日もそう遠くはないだろう。せいぜいアベノミクスと坊ちゃん顔の首相を前面に押し出して、新自由主義の策謀を実現するが良い。その結果が出る頃には安倍氏は首相でないかも知れないが、自公政権が批判を浴びるのは目に見えている。尤もらしく「社会保障国民会議」などと国民の名を冠した利権擁護会議の欺瞞性を国民は看破しなければならない。
関連ニュース
健全化踏み込み不足 中期財政計画具体目標示せず (08/02 21:54)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/674090/
「2割負担、やっていけるか」 国民会議で東京・巣鴨のお年寄り (08/02 22:37)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/dompolicy/674100/
【主張】社会保障国民会議 今度こそ骨抜き許されぬ (03:10)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/674111/
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。