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小松一郎駐仏大使
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130802/plt1308021212001-n1.htm
2013.08.02 ZAKZAK
安倍晋三首相が、国際常識である集団的自衛権の行使容認に向けて、極めて大胆な人事を決断した。内閣法制局長官に行使容認派の小松一郎駐仏大使を起用する方針を固めたのだ。民主党政権時代に傷ついた日米同盟を修復・強化することで、中国と北朝鮮を強烈に牽制する狙いだ。
内閣法制局は「法の番人」と呼ばれ、歴代長官は役人でありながら恣意的な法解釈を続け、首相の判断もしばってきた。
小松氏は条約課長、国際法局長を歴任した「国際法のプロ」(外務省幹部)で、きまじめな学究肌で知られ、安保法制懇の提言策定では裏方として活躍した。集団的自衛権の行使容認にこだわりがあり、内閣官房参与の谷内正太郎元外務事務次官が安倍首相に起用を進言した。
長官に外務省出身者が登用されるのは初めてで、法制局での勤務経験がない人物の起用も前例がない。
安倍首相は「日本領土周辺の公海上を警備している米艦船が攻撃された際、日本の艦船が助けなくてもいいのか」と述べるなど、集団的自衛権の行使容認への決意を何度も表明してきた。実現すれば、日米同盟の絆はより深まる。
これに対し、歴代長官は集団的自衛権について「保有しているが行使できない」とする憲法9条解釈に固執してきた。
第1次政権時代、安倍首相が国会答弁による憲法解釈の変更を模索した際も、法制局は長官ら幹部数人が「集団辞職」をチラつかせて抵抗し、首相に再考を迫った。
このため、安倍首相は諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」を設置したが、2008年に報告書がまとまる前に辞任に追い込まれ、後継の福田康夫首相(当時)が報告書を棚上げした経緯がある。
今回、安倍首相が小松氏の起用に踏み切った背景には、法制局の“脅し”に屈せず、行使容認に慎重な公明党を牽制する狙いもある。同時に、山本庸幸長官を最高裁判事に充てる人事も固め、法制局のメンツも立てる配慮も行う。
政治評論家の屋山太郎氏は「法制局は官僚内閣制の残滓だった」と、安倍首相の人事方針を評価したうえで、「日本が集団的自衛権の行使に踏み切れば、米艦船の防護や、米グアムに飛ぶミサイル迎撃もできる。これで抑止力が向上し、中国や北朝鮮も日本に手を出しにくくなる」と述べた。
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