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2013年08月01日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆新潟県の泉田裕彦知事(2004年10月25日就任、3期目、元通産・経産官僚)が、「ウソつき東京電力」の広瀬直己社長の厚顔無恥、厚かましさに不信感を抱き、かつ、怒るのは当たり前である。
とにかく、東京電力は、口で言うことと実際に行うこととがまったく違う。そのうえ、黒いものを白いと言い張って、何としても原発再稼働をゴリ押ししようとする。地域住民が原発大事故で大被害、大損害を受けようと、死んでしまおうと「知ったこっちゃない」と言わんばかり、蛙の面に小便の厚顔無恥ぶりである。
泉田裕彦知事は、2007年7月16日に新潟県中越沖地震(マグニチュード6.8)が発生した際、柏崎刈羽原発で稼働していた3号機建屋外部にある所内トランス(変圧器)が火災事故を起こしたことに対する東京電力の不誠実な対処について、不信感を抱き、怒っているのだ。
原発構内の敷地で1.5メートルくらい下がり、(敷地のずれにより)トランスとの間のパイプが外れて、油が漏れて発火した。東京電力は、トランスの基礎を建屋と一体化すると説明していたけれど、その説明通りの設備を未だに設置していない。それどころか、いまでは、「フィルターベントを離す」計画だと言っている。フィルターベントとは、原発の事故時に原子炉格納容器内の圧力が高まって壊れるのを避けるため、配管を通して放射性物質を含む蒸気を原子炉建屋外に置くタンク(タンクは高さ約8メートル、直径約4メートルで内部を水で満たす)へ送る設備である。
◆その東京電力が、約束を果たしていないにもかかわらず、広瀬直己社長が、事前の挨拶も、説明もなく、泉田裕彦知事のところに姿を現して、いきなり「再稼働申請したいので許可して欲しい」と強引に申し出てきた。「仁義も何もない」、まさしく国家権力をバックにして「許可しろ」と言わんばかりである。これにもまた、泉田裕彦知事は、ムカついた。
原発施設の専門家は、「原子炉建屋とベント設備を一体化していないと、事故が発生して排気に至った際に、余震などにより配管が破断した場合、大量の放射性物質が外部に放出される危険が大だ」と懸念している。配管破断が実際に起きたら、取り返しがつかなくなるからだ。
泉田裕彦知事は、広瀬直己社長に対して鼻から不信感と怒りを感じている。福島第1原発から高濃度の放射能に汚染された水が、もうかなり前から海洋に流出していた重大な事実を隠蔽し続けていたのが、ついにバレてしまい、広瀬直己社長は認めざるを得ない事態に追い込まれた。それも参院議員選挙の投開票日である7月21日の2日前から知っていたのに、発表したのは、22日だった。作為的に投開票日を避けたのは、ミエミエであった。実に小賢しい、小ずるい、陰険なやり方である。もはや「風評被害」と言い訳もできず、近隣の漁協は、廃棄を覚悟しなくてはならない状況に追い込まれている。はっきり言えば、放射能は、福島県全域に及んでおり、農産物や畜産物も、「福島産」という一字で、だれも買わなくなるのは、必定である。事実、首都圏の埼玉県、そのなかの「さいたま市」のスーパーでも、多くの消費者が「福島産」を敬遠しつつある。
だから、新潟県の泉田裕彦知事が、原発再稼働をめぐる国内の動きについて、福島第1原発事故の検証・総括が先行すべきと主張しているのは、もっともなことなのである。広瀬直己社長に対して「顔を洗って出直してこい」と言っているのだ。
これは、甘利明経済再生担当相に対しての気持ちも同様である。泉田裕彦知事は7月30日午前、柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働に向けた安全審査の申請問題について、内閣府で甘利明経済再生担当相と会談したが、意見が噛みあわず、すれ違いに終わった。原発再稼働がいかに国策であろうとも、地域住民の安全を第一に考えなくてはならない県知事としては、いい加減な許可は下せないのである。
新潟日報が7月30日午後2時33分、「泉田知事、甘利担当相と会談 申請めぐり『すれ違い』」という見出しをつけて、以下のように配信した。
「泉田裕彦知事は30日午前、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働に向けた安全審査の申請問題について、内閣府で甘利明経済再生担当相と会談した。知事は会談後、取材に対し『(原発の安全性や審査に対する)懸念を伝えた。すれ違いだった』と述べた。早期審査の必要性を訴えた甘利氏も『すれ違いだった』と話し、議論がかみあわなかったことを明らかにした。知事は柏崎刈羽原発の過酷事故対策であるフィルター付きベント設置について、県が安全協定に基づく事前了解を与えるまで審査の申請をしないよう東電に求めており、会談後も考えに変わりがないことを強調した。会談は『大臣側の意向』(泉田知事)で非公開で行われた。知事は過酷事故の際に放射性物質を放出するフィルター付きベントの設計や、ベントに対する原子力規制委員会の審査が地元自治体の住民避難計画を踏まえていないなどの問題点を伝えたという。会談後、知事は取材に対し、申請をめぐる東電の広瀬直己社長との再会談について、事前調整の段階で県の質問に東電が十分な回答をしていないとして不満を示した。『東電は誠意を持って対応し、情報隠蔽(いんぺい)はやめてほしい』と訴えた。甘利氏は会談後の取材に『厳しくなった新基準で審査をすることは悪いことではないと伝えたが、すれ違いだった』と話した。2007年の中越沖地震で柏崎刈羽原発が被災した際に経済産業相として対応に当たるなど電力や原発の問題に詳しく、知事の懸念については『担当大臣に回答するようアドバイスしたい』と述べた。原発再稼働問題を担当する茂木敏充経産相は30日午前の閣議後会見で、甘利氏から閣議前に行われた知事との会談内容について説明を受けたことを明らかにした。柏崎刈羽の審査申請をめぐり、泉田知事は東電が地元に説明をしないまま早期申請方針を決めたことに反発。東電の広瀬社長が5日に知事と会って理解を求めたが物別れに終わった。甘利氏は9日の閣議後会見で『(規制委に)安全かどうかを判断させないというのは、(知事の)誤解ではないか』と発言。泉田知事は『誤解しているわけではない』として会談を求めていた」
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