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http://mainichi.jp/opinion/news/20130731k0000e070198000c.html
毎日新聞 2013年07月31日 13時33分
わかっちゃいるけどやめられないのか。それとも自分たちの置かれている危機的状況が本当にわかっていないのか。参院選に惨敗した民主党のあぜんとする光景が続く。
なぜ、海江田万里代表は即座に代表辞任を表明しなかったのだろう。有力な後継候補がいないとか、誰がなっても苦境は変わらないとか、誰も手をあげないとか。理由はあろうが、いずれも国民には無関係の党内事情だ。かねて民主党は失敗しても誰も責任を取らない政党だと言われてきたのだ。ここでけじめをつけないことには到底次には進めない。
細野豪志氏もひとり幹事長を辞めるのではなく体を張って執行部総退陣に持ち込むべきだった。おかげで党内からは「細野氏だけがいいかっこうをしている」といった見当違いの声が出る始末だ。
選挙中、各地を回って私も感じたのは「民主党にだけは投票しない」というすさまじいばかりの有権者の怒りだった。もはや一種の「嫌悪政党」「忌避政党」になっているといっていい。政権運営への失望だけではない。どうしてうまくいかなかったのか。その後も心底から反省し、謝罪する声が民主党から聞こえず、責任をほおかぶりしていることが大きな要因だと私には思える。
参院選の東京選挙区で公認を取り消した無所属候補を支援した菅直人元首相に対する処分も党内から異論が出て中途半端に終わった。
それにしても、現生活の党代表の小沢一郎氏といい、鳩山由紀夫元首相といい、代表経験者が次々と離党や造反行為をする政党とは一体何だろう。かつてトロイカと呼ばれた小沢、鳩山、菅の3氏に輿石東参院議員会長を加えた4人の責任、というより罪は極めて重いと思うのだが、どうやら本人たちはそうは感じていない様子である。
党内では輿石氏を参院副議長に推す動きがあるそうだ。まさかの「引責昇格」? これまた普通の感覚ではおよそ理解できない。
所属議員が自分の生き残りでなく党の再生を本気で考えるのなら、かつて英労働党が長い年月をかけてブレア元首相を育てたように、思い切った若返りを図るしかなかろうに。そんな意見も聞こえてこないところをみると、やはり、わかっちゃいないという結論になる。(論説委員)
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