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ワタミの26歳女性社員、入社2カ月で過労自殺…手帳に「誰か助けて」
産経新聞
2013年07月30日08時00分
【過労死の国・日本−労組の存在意義】
「体が痛いです。体が辛いです。気持ちが沈みます。早く動けません。どうか助けて下さい。誰か助けて下さい」
居酒屋チェーン大手「ワタミフードサービス」の新入社員で、平成20年6月に過労自殺した森美菜=当時(26)=がのこした手帳の文面だ。
日付は5月15日。美菜は入社後1カ月半でこれを書き、1カ月もたたずに亡くなった。
調理研修がほとんど行われないまま神奈川県横須賀市の店舗に配属され、刺し身などを作る最もハードな「刺場」を任された。開店前の午後3時までに出勤し、平日は午前3時、週末は午前5時の閉店後も働いた。しかも与えられた社宅が店から遠く、始発電車まで待機を余儀なくされた。
ボランティア研修や早朝研修が組み込まれ、休日に心身を休める暇もなかった。調理マニュアルに加えて経営理念集も暗記せねばならず、リポートの提出まで課せられていたという。
手帳に「SOS」を記すころまでの残業は月140時間。そして手を差し伸べる「誰か」は、会社の中にいなかった。父、豪(つよし)(64)は、ワタミが抱える欠点を指摘してこう悔やむ。
「労働組合があれば、娘は救われたはずだ」「労使一体で改善」
厚生労働省の24年の統計では、従業員千人以上の大企業で労組に加入している労働者は45・8%。千人未満の企業になると5・5%と極端に低いが、ワタミはグループ従業員数6157人でありながら、労組が存在しない。
労働者が労組を結成する権利は、憲法で保障されている。が、美菜と同期入社の女性は、豪に宛てた手紙の中で、入社時に会社から「労組を作ってはならない」という趣旨の説明を受けたことを明かした。なぜかという質問に、担当者は「不満があれば、すぐ上に伝えるから」と答えたともいうのだ。
神奈川労災保険審査官はこの手紙を証拠として採用し、昨年2月に美菜の過労自殺を労災認定している。
ワタミグループの広報担当者は、取材に「そのような説明をした事実は確認できない」と回答し、労組がない理由をこう述べた。
「弊社では労働条件の維持・改善は、労使一体となって検討し決定する方針、風土であり、結果として円滑に実施できている。今後もこの考え方を踏襲する」分断された職場
美菜の上司に当たる店長は、年下の女性社員だった。社内制度で決められた「カウンセリング」を週1回行い、休日に体力の回復や気分転換ができないと美菜から打ち明けられていたが、労働基準監督署の聴取には「どうして自殺したのか分からない」と答えた。
美菜のパソコンには死の直前、会社に提出したリポートが保存されている。
「120%の力で、どんなにひどい状況でも無理やりにでも乗り越えろと?」「日々の業務が終わると、皆へとへとである。それとも、へとへとになっているのは、私だけか?」−。疑念を直接、ぶつけていた。
入社前、過労死の心配を口にした母親に、美菜は「大丈夫。変だと思ったら、すぐ辞めるから」と応じたのだという。
労使一体を強調することで、会社は美菜から冷静な判断力を奪ったのではないか。労組が存在すれば、会社との協定によって残業に歯止めがかかっていたのではないか−。豪はそう考えずにはいられない。
「だれもが追い立てられ、互いを気にかける余裕さえなく、職場が分断されていた。労組は、やはり必要だ」
豪の悲痛な思いを受け止められる労組は、果たして存在するのか。ある労組で書記長を務めていた若者が自らの試行錯誤を語った。(敬称略)
http://news.livedoor.com/article/detail/7905709/
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