http://www.asyura2.com/13/senkyo151/msg/704.html
Tweet |
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-9434.html
2013/7/29 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
オバマ大統領は先週、次期駐日大使にケネディ元大統領の長女、キャロライン・ケネディ氏を指名した。米国初の女性駐日大使、しかも、名門ケネディ家の出身で、歌手のニール・ダイアモンドが「スイート・キャロライン」という歌を作ったほどの美人……。で、日本のメディアは歓迎ムード一色なのだが、キャロライン氏は弁護士出身で外交はド素人。オバマが駐日大使に起用したのも、08年の大統領選でイチ早くオバマ支持を表明した論功行賞といわれている。
これが米国における、日本の地位なのだろう。論功行賞のポストといえば、見てくれはいいが、さして重要でない場所だ。要するに、米国にとって、駐日大使なんて、地方の知事みたいなものなのだ。
そんな日米関係を強烈に物語っていたのがこれまた、先週、明らかになった日本郵政とアフラックの業務提携だ。ちょっと前まで、がん保険に参入しようとする日本郵政に、アフラックや米国は神経をとがらせていた。ところが、今年4月にまとまったTPP2国間協議で「米国の自動車関税は最大限の期間、維持する」ことと並んで、日本郵政の問題が取り上げられ、新規事業の凍結をのまされた。これだけでも屈辱なのに、今度はアフラックのために日本郵便が直営する全国約2万カ所の販売網を差し出すわけだ。
元外交官で評論家の天木直人氏はこう言った。
「米国の要求がどんなに理不尽で無謀であっても、何とかして受け入れ、絶対服従しようとする安倍政権を見ると、暗澹たる気持ちになります。守るべき日本企業を圧迫して、米国企業の利益を優先するのは、本末転倒です。日本郵政とがん保険を共同開発していた日本生命が“遺憾”を表明したのも当然です」
◆「カタキ」のために販売網をそっくり差し出す屈辱外交
日本郵政は政府が株主だ。日生とは08年に業務提携し、システム構築やがん保険の商品開発などを模索してきた。それが、いきなり、米国企業の応援に回ったわけだから、日生にしてみれば驚天動地の裏切りだろう。
しかも、TPPの全体交渉に初参加した直後のタイミングなのである。今年6月に日本郵政の社長になった西室泰三氏は「政府からの圧力はなかった」と言い、官邸もスットボケていたが、官邸と一体で動いていたのはミエミエだ。米国の機嫌を損ねず、TPP交渉がスムーズに運ぶように、日本郵政を差し出したということだ。一体、どこの国の政府かと思ってしまうが、これが日米関係なのである。主従の関係だから、「こうしろ」と言えば、逆らえない。ケネディ起用なんて、そのカムフラージュみたいなものだ。
この調子だと、間違いなく、米国の要求はエスカレートしていく。「TPPすぐそこに迫る亡国の罠」の著者で立教大教授の郭洋春氏(経済学)はこう言った。
「米国は自動車、がん保険という本丸の2分野ですでに日本に大幅譲歩させることに成功しましたから、これからは守りから攻めに転じると思います。例えば、自動車です。関税維持の次は何とかして米国車を日本に輸入させようと動き始めるでしょうね。実際、お隣の韓国では、米韓FTAの締結から1年ちょっとしか経っていないのに、アメ車の輸入が5割も増えました。自動車の次は医療、医療の次は薬といった具合に、米国からモノやサービスを買わされることになります」
そうなれば、国内企業はどうなるのか。目も当てられないことになる。
◆副大統領との会談に舞い上がった「下駄の雪」
政界では「踏まれても蹴られてもついて行きます下駄の雪」という都々逸があるが、今の日米関係はまさしくこれだ。どんな理不尽な要求をされても、踏みつけられても、下駄の雪のごとく、ついていく。これが日本だ。冷戦時代はともかく、今や、米中は日本の頭越しに接近し、日本の出る幕はない。米中首脳会談を8時間もやったオバマが安倍と会わないのは象徴だ。
安倍は今月26日、シンガポールでバイデン副大統領と会談した。会談予定時間が延びたことに安倍は舞い上がっていたが、アホみたいだ。もともと、こっちが首相なのに、向こうは副大統領なんて異例だ。安倍はコケにされているのである。
「副大統領というと聞こえはいいですが、米国では大統領に万が一があったときのスペアで、政策的には何の権限もありません。つまり、副大統領と何を話しても、それがオバマ政権の外交政策には直接つながらないのです」(外交関係者)
安倍は東南アジア歴訪でODAをばらまき、「地域と世界の平和に貢献する戦略的外交」「地球儀を眺める俯瞰外交」とかいい気になっていたが、下駄の雪がよく言う。米国には従属なのに、東南アジアででかい顔は本当に見苦しい。と思ったら、安倍の祖父、岸信介はCIAの協力者だった。血は争えないというか、米国にしてみれば、ますます操りやすいのではないか。筋金入りの売国首相に任せていたら、日本はどうなってしまうのか。本当に心配になってくる。
「安倍政権がタカ派路線を見直さない限り、日本はますます世界で孤立を深め、対米従属にすがるしかないという悪循環になります。TPPや、米との2国間協議での譲歩はもちろん、沖縄の米軍問題も解決しない。米国はもっと搾り取る腹ですよ。日本郵政とアフラックが提携して売る保険もマネーは米国に流れていく。こんな理不尽な話はないが、野党が壊滅状態ではTPP条約の批准も阻止できず、お手上げです」(天木直人氏=前出)
この前の参院選で沖縄は、オスプレイに断固「NO」の糸数慶子が当選した。ところが、26日、追加配備のオスプレイ12機が岩国基地に到着、8月には普天間に配備される。民意の拒否は歴然なのに、オスプレイはどんどん増えている現実をどう捉えるべきか。
米国にしてみりゃ、日本の民意なんて関係ないし、安倍は媚びへつらうだけで何も言わないのだから、事態が改善されるわけがない。こうして、国民の生命、財産が削り取られていくのである。
◆米国経済を支えるための異次元緩和
「例の異次元緩和だって、米国の意向みたいなものです。緩和マネーは米国債に向かっていて、それが米国経済を支えているのです」(金融アナリスト・菊池英博氏)
それで米国は得するかもしれないが、日本経済は焼け野原のようになってしまう。
「FRBのバーナンキ議長は金融緩和の縮小を言い出し、出口戦略の模索を始めましたが、日本はそうはいかない。今の水準の株価を維持しようと思えば、円安を続ける必要があるし、日本の異次元緩和は米国も歓迎なんです。機関投資家はポートフォリオに外債を組み込んでいますからね。そのために、これまで以上に大胆な金融緩和が求められることになるかもしれません。しかし、これは危険な政策で、すでに“悪いインフレ”の兆候が出始めています」(埼玉大教授・相沢幸悦氏=経済学)
悪いインフレが加速すれば、いよいよハイパーインフレの懸念が出てくるが、米国はもちろん、そんなの知ったこっちゃない。自分たちの企業が儲かればいいわけで、安倍も日銀もその言いなりになる。
国民が「おかしい」と言っても、野党不在でどうにもならない。こんな政権が3年も続いたら、どうなるのか。国のかたちも庶民の生活も、何もかもが変わってしまうに違いない。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。