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2013年 7月 29日 00:32 成瀬裕史
■「低投票率」と“組織型”選挙
全くもって「メディアの予想」どおりに終わった参院選…。
投票率は前回(2010年)を5.3ポイント下回る52.61%で、1995年の44.52%、92年50.72%に次ぐ過去3番目に低かった。
投票率が低い程、“組織型”政党が有利と言われるが、今回の参院選も、それを証明する形となった。
公明党は候補を立てた4選挙区で完勝し11議席を獲得し、共産党も5議席増の8議席を獲得した。
地方議会の地盤が厚い自民党も岩手・沖縄を除く選挙区で完勝するなど65議席を獲得。
“惨敗”民主党にあっても、比例区当選7のうち6名は得票順に、自動車総連、電力総連、自治労、日教組、NTT労組、電機労組の“組織内”候補だった…。
■“圧勝”した自民党だが…
今回、“圧勝”した自民党の比例代表得票率は34.7%。
6年前の参院選で大勝した民主党の当時の得票率39.5%を下回り、民主党が苦戦した3年前の得票率31.6%と余り変わらない。
同じく自民党の比例代表得票数は1,846万票で、善戦した3年前の1,407万票から439万票上積みしたが、大敗した6年前の1,654万票と比べると、「大きく伸ばした」とは云えない。
6年前に大勝した民主党の比例得票数は2,325万票もあった…。
その民主党の今回の比例得票数は民主713万票だが、苦戦した3年前の得票数は1,834万票で、圧勝した自民党の今回の得票数とほぼ同じであり、今回の自民の“圧勝”は“低投票率”の「成せる業」であろう…。
■「浮動票」はどこへ行ったか?
それでは、民主党の比例得票数の前回から減った1,132万票はどこへ行ったのであろうか?
他の党の今回の比例得票数は、公明党が756万票で前回より126万票減、みんなの党は475万票で同319万票減、共産党は515万票で同159万票増、日本維新の会は純増で635万票。
得票を伸ばした自民、共産、維新の三党の増加分の合計は1,233万票なので、3年前の民主の票の減った分がそっくり流れた形だ。
しかし大勝した6年前から今回民主が減らした票は1,612万票であり、約400万票がどこかに消えた格好だ…。
参院選の比例代表の総得票数は、6年前は5,891万票、3年前は5,845万票、そして今回は5,323万票で、6年前・3年前と比べ500万票余りも下回っている。
つまり、6年前に民主を勝たせた400万票から500万票の「浮動票」が、今回は“棄権”という形で「消えた」のである…。
■「比例名簿」は民主党“落選”衆議の「墓銘碑」?
今回の参院選の比例代表名簿で驚いたのは、先の衆院選で落選した民主党(離党者も含む)議員の「余りの多さ」である。
民主党では、鹿野道彦元農相、五十嵐文彦元財務副大臣、吉田公一元農水副大臣、奥村展三元文科副大臣、佐々木隆博元農水副大臣の5名。
生活の党では、山岡賢次元国家公安委長、三宅雪子氏、東祥三元内閣府副大臣の3名。
この他、みどりの風では山田正彦元農相、新党大地では松木謙公元農水政務官、内山晃元総務政務官、橋本勉氏、萩原仁氏の4名。
以上、総勢13名が名を連ねていたが、敢えなく全員、落選した…。
6年前の参院選、4年前の衆院選で「民主」を勝たせた「浮動票」。
今回の参院選、未だ「民主」には入れはしないが、「みんな」や「維新」にも抵抗がある…。
反原発・反消費税・反TPPを打ち出した「生活」「みどり」「大地」も、名を連ねているのが前「民主党」衆院議員ばかりでは、触手は動かないというもの…。
結局、行き場を失った400万票から500万票の「浮動票」の“減少”(=“棄権”)が、自民党の「圧勝」を導いたのである…。
■「出たい人」ではなく「入れたい人」を!!
こうした比例代表をはじめ「シラケ感」の強かった今回の参院選にあって、唯一の“光明”は、東京選挙区の無所属・山本太郎氏の当選と、緑の党・比例の三宅洋平氏の“善戦”であろう…。
初の「ネット解禁」選挙の“効果”もあったであろうが、組織に頼らずとも、ワン・イシューの「反原発」を掲げ、見事“当選”を果たし、無名の党(諸派)からでも“善戦”を果たした…。
大敗した東京選挙区で“選挙区調整”した筈なのに、無所属から「反原発」で出馬し、これを「TPPを初めて言い出した」元首相が応援するという“分裂選挙”で2議席とも失った、「原発を再稼動させた」前・政権与党の「解りづらさ」とは、好対照である…。
そんな“党”など、さっさと分裂・消滅していただき、「入れたい人」を揃えた「新たな党」を、どなたか立ち上げていただきたいものだが…。
そんな“人材”が出てきてくれないのが、我が国・日本の「最大の不幸」でなのである…。
成瀬裕史記者のプロフィール
1960年生まれ。北日本の一地方在住。一次産業を主とする“地方”の復興のため、明治維新から続く中央集権・官僚主導の国家体制の“CHANGE”を志す。
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