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大激戦の末に比例代表最後の議席を太田房江元大阪府知事に譲った自民党候補の若狭勝氏=22日午前6時40分、東京都足立区の事務所(滝口亜季撮影)(写真:産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130728-00000531-san-pol
産経新聞 7月28日(日)15時12分配信
第23回参院選は自民党(総裁・安倍晋三首相)が現行選挙制度移行後最高の65議席(選挙区47、比例代表18)を獲得する歴史的大勝を収めた。対する野党は民主党が結党以来最少議席の惨敗を喫するなど、15年ぶりに躍進を果たした日本共産党以外は軒並み総崩れとなった。自共の高笑いだけが聞こえてくるが、実は自民党のトップからは「もう少し議席がとれた」と計算違いを反省する声も漏れているのだから“欲”は尽きない。
参院選から一夜明けた22日の午後。安倍首相は党本部で臨んだ「勝利記者会見」で感慨深げに語った。
「自民党が得た議席は20年の政治家人生で最も多い。20年前の今日、私は新人議員として紹介を受けたが、(その後の細川「非自民」連立政権発足で)野党からのスタートだった。20年の荒波を乗り越えて新しい自民党に生まれ変わった」
自民党の勝ちっぷりは歴史的だった。31の「1人区」で落としたのは岩手、沖縄のみの29勝2敗。93・5%という1人区の勝率は過去最高だ。定数が2人以上の「複数区」を含む選挙区で擁立した候補者のうち落選したのはその2人だけで、49人中47人が当選した95・9%の当選率はこれまた過去最高の数字だった。
衆参の「ねじれ」は解消し、2期6年の長期政権が視野に入ってきた。「親の敵(かたき)」とまで言った参院選での勝利に首相はさぞ酔っているかと思いきや、心残りもあるらしい。その胸の内について、周辺は「比例代表の獲得議席を最後まで読み間違えたことが悔やしくてしようがないようだ」と吐露する。
首相は22日夜、官邸にほど近い永田町の日本料理店「黒澤」で、時事通信の加藤清隆解説委員、ジャーナリストの後藤謙次氏らと会食した。出席者によると、首相はその席で「比例はもっととれたけどなぁ…」「選挙区は読み通りだったが、比例でもう少しいけると思った」などとこぼしたという。自民党選対関係者はこう打ち明ける。
「党の独自調査・分析では一貫して比例の獲得予想議席は20だったが、ふたを開けたら2議席足りなかった。その2議席はどこに行ったかといえば共産党だ。共産党の比例獲得票数は350万程度で議席は3と踏んでいたが、結局515万票、5議席まで上積みされてしまった」
永田町では「精度が高い」との定評がある自民党の調査・分析でも狂いが生じたのだから、「自共対決」を前面に掲げて野党で唯一気を吐いた共産党が、自民党にとっては“想定外”の勢いをみせたというわけだ。
結果的に自民党の「比例マイナス2議席」で割を食ったのは、テレビ、新聞などでのわかりやすい法律解説でおなじみだった弁護士の若狭勝氏と、元衆院議員の園田修光氏だった。
わけても「次点」で涙をのんだ若狭氏は比例の最終議席が確定した22日の明け方まで、元大阪府知事の太田房江氏と大接戦を繰り広げた。最終的に18着に滑り込んだ太田氏の7万7173票に対し、若狭氏は7万6829票。その差はわずか344票という惜敗だった。
若狭氏といえば、東京地検特捜部部副部長、同公安部長などを歴任した「ヤメ検」である。古巣の東京地検公安部と共産党の“因縁”は深い。
かつて同党員が党の議会報告などのビラを配布したことで同公安部がこの党員を住居侵入の罪で起訴するなど、警察・検察の公安と共産党による“衝突”はきびすを接して起きている。その度に共産党は「不当起訴だ」「言論弾圧だ」「議会制民主主義を破壊する行為だ」などと決まり文句で徹底抗戦を続けてきた。
「公安VS共産党」という“敵対関係”の構図が残るなか、かつて東京地検の公安部を率いた若狭氏を参院選で落選させたことで、共産党は「してやったり」の思いが隠しきれないようだ。
自民党関係者は「若狭氏自身はいま、共産党をどうのこうのと意識しているわけではない」と語るが、浮かれる共産党関係者は「自民党の比例議席を奪うことで結果的に積年の敵である公安の元幹部検事を追いやることができた」と、笑みをたたえながら“リベンジ”を果たした喜びを口にする。あくまで「偶然」のこととはいえ、まさに江戸の敵を長崎で討ったということらしい。
56歳の若狭氏は「弁護士をしながら次の参院選を目指す選択もあるが、何がなんでも国会議員になりたいわけではない。50代最後の挑戦だった」と今後の政治活動をやんわり否定している。しかし今回の参院選での比例当選者が死亡や辞職など不測の事態で1人欠ければ若狭氏は繰り上げ当選できる。あきらめるのは早いのだ。
ちなみに自民党の事前の比例代表の票読みを160万余も狂わせた共産党は今回、平成13年の比例への非拘束名簿式導入以来、「初めての試み」だった選挙戦術があった。
同党関係者によれば、これまで名簿を単純に五十音で並べていたが、今回は党内での「格付け」「期待度」で上位5人を順位付けして並べた。つまり山下芳生書記局長代行をトップに据え、次いで小池晃副委員長、紙智子、井上哲士、仁比聡平の3氏と続けたのだった。
これが共産党の比例票の上積みにどれだけプラスに作用したのかは不明だ。だが「自滅」から、自民党の独走と共産党の躍進をみすみす許した民主党や日本維新の会など他の野党の責任と罪は限りなく大きいと言わざるを得ないだろう。(政治部編集委員・高木桂一)
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