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2013年7月25日 田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授] :ダイヤモンド・オンライン
低調な選挙戦に終始した今回の参院選だが、東京選挙区から無所属で当選した山本太郎氏には大きな期待が集まっている。
私も彼の街頭演説を池袋まで聴きに行ったが、やはり盛り上がりや勢いには確かなものがあった。
話の内容は、“脱原発”と食品安全の観点からの“反TPP”の2つが軸。前者が7割、後者が3割くらいを占めていたようだ。
頭の右上には、かなり大きな円形脱毛症状があり、彼がさまざまな苦悩や困難に遭遇してきたことを思わせた。
私は、彼と親しかったわけではないが、大震災の年の夏に大阪のテレビで一度一緒になったことがある。彼が原発事故で大きな衝撃を受けて、矢も盾もたまらず1人で猛然と走りだした頃である。
私はそのとき、彼の目を見て並々ならない“本気”を強く感じた。その後の彼の言動も注視してきたが、私の最初の印象はそのまま強まるばかりで期待感もふくらんできた。
■山本太郎氏から感じた脱原発への“本気度”
なぜ今回の選挙でも彼に期待してきたか。それはきわめて簡単な理由である。原発問題に本気な候補は彼1人だけとは言わないが、その本気の度合いでは全候補の中でも彼が突出していると思ったからだ。
おそらく共産党が躍進したのも、他の党と比べて脱原発への本気度が高いと受け取られたのだろう。
ほとんどの民主党候補も脱原発を掲げて臨んだが、残念ながらその本気を信じる人は多くない。政権交代選挙の重大公約に違反したから、「今度は本気だから信じてくれ」と言っても信じるわけにはいかないのだ。
野田佳彦政権は、「2030年代に原発をゼロにする」政府方針を決めた。それを安倍晋三政権が大きく転換したとき、野田元首相をはじめ民主党議員は何をしたのか。1人としてそれに抗議し、議員辞職をした人はいない。そもそも「政治家の行動」とは、その地位をかけた行動をいうのではないか。それに菅直人元首相が脱原発候補の運動の先頭に立ったという。どうしたものか。もし彼が脱原発に本気なら逆に黙って見守っていたはずだ。
■山本太郎氏は“原発の監視人”になる
さて、「原発の安全性」の重大さは、脱原発派も原発推進派も全く同じはずである。原発大国の米国もその安全性に対する厳しさは日本の数段上を行く。しかし、日本の推進派は、明らかに安全性を経済性の二の次に置いている。要するに安全確保に本気ではなく、「再稼働ありき」で突進しているように見えるのだ。
原発に対する最も厳しい監視人となるであろう山本太郎氏は、単に脱原発派の人たちばかりでなく、原発に依存しようとしている人たちにとってもこの上なく必要な人材だと言えるだろう。
福島原発事故は、原発の安全性についての最終責任を、政治が行政や専門家に任せてきた結果である。これから山本太郎氏が、自民党も含め党派を問わず本気な政治家を1人でも多く増やしていくことを期待する。政治はふつう数で動くものだが、本気な政治家が登場すれば、1人でも大きく動かすことができる。それは古今の歴史が幾たびとなく示している。
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