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2013年7月28日 神州の泉
参院選で“ねじれ”が解消したというが、“ねじれ”とは本来、衆参不整合の影響で補正予算などがなかなか通らず、国政に支障をきたす現象を言う。
ならば、参院を撤廃して一院制にした方が話が早いではないかという論調も依然根強い。
参議院は一見、無駄飯くらいの徒食(としょく)議員242名を6年間も税金で養う無駄な存在と思われる向きもあるが、なければ大変ことになる。
なぜ二院制なのか、なぜ参議院があるのかということだが、神州の泉はずばり、参議院が衆議院の暴走ストッパーだからと考えている。
2005年の郵政解散総選挙を見ても分かる通り、暴走制止の参議院が否決した郵政法案は、小泉元首相が異例の衆議院解散権行使で覆している。
少し調べると、憲法学的には衆院の解散権は、7条と69条という2つの条文、三権分立の制度説などの考え方で規定されているようだ。
7条は内閣の助言と承認により天皇が国事行為として行うことを定めたもの。
もう1つの69条は、衆院で内閣不信任決議案が可決、もしくは信任案が否決した時に内閣が実施する。
そしてあと一つは国会と内閣の均衡を前提とした制度説「権力分立(三権分立)制」の考え方があるようだ。
法案の参院否決を理由とする衆院の解散権行使が違憲かどうかはまだ決着がついていない。
仮にあの郵政解散が違憲であったとしても、あの時はその手続き上において選挙結果そのものは無効化できなかったような気がする。
後の祭りというやつだ。
その意味ではじつに恐ろしい選挙であったと言えるかもしれない。
こむずかしいことはさておいて、小泉元首相が解散権行使について、国会で恐ろしい前例を作ってしまったことは確かである。
冒頭に述べたように、予算審議やその他の重大法案すべてが“良識”の範囲内で行われるという前提が成立しているなら参議院は不要であろう。
だが現実は権力を掌握した与党が、米官業既得権益勢力の小間使いとなり、国民の望まない法案をごり押ししてしまう事例が後を絶たない。
権力与党の暴走を食い止める国会のシステムは大きく分けて二つある。
一つは与党に対抗する野党であり、もう一つが参議院の存在である。
野党は審議段階で与党の勇み足に歯止めをかけ、参議院は法案のチェックを行う。
厳密に言うなら、権力与党内でも反対派との調整という党内手続きがあるが、これは党議拘束や公認指名圧力等によって、事実上無効化されている。
大雑把な感覚で言うと、小泉政権以降、国会内でも代議制民主主義政治が機能しなくなる傾向が出てきて、3・11以降は菅、野田政権、安倍政権は露骨にかつ急速に翼賛国会の性格を強めている。
小林興起氏はこの傾向を“裏切りの政治システム”と呼んでいる。
国会における最近の趨勢は、国民の声をくみ上げた個々の良識ある国会議員の意見が反映しなくなっている。
このような状況下、しかも大本営マスコミの極めて怪しげな高支持率演出の中で行われた今夏参院選の結果は自公の圧倒的勝利をもたらし、参議院は“良識の府”から一転して安倍独裁政権樹立へのパスポートを与える“暗黒の府”と化してしまった。
参院選を終えたとたん、政府は、外交・安全保障政策を名目とする日本版「国家安全保障会議(NSC)」創設に向け、「特定秘密保全法案」(仮称)を秋の臨時国会に提出する方針を決めた。
この秘密保全法は、NSC設置関連法案と抱合せて成立を目指すらしい。
気を付けていただきたいのは、この日本版NSCと一緒に提出される「秘密保全法」の目的が、同盟国アメリカと情報共有を図るために秘密保全の強化が必須と判断したと言っていることにある。
これは大嘘である。
なぜなら、TPP(環太平洋経済パートナーシップ)という国家大崩壊に進む安部首相が国益視点から日本版NSCや秘密保全法を捉えていることはあり得ないからである。
ではその真意が何かということだが、それは明らかに日本国民を対象とした“言論統制”にある。
秘密保全法の問題点を検索していただければよく分かるが、この危険な法案は、秘密を扱う人、その周辺の人々、つまり国家公務員を政府が調査・管理する「適性評価制度」を導入して、違反者を処罰対象にするとなっている。
だから、当局筋が勝手に決めてしまう該当秘密を所轄公務員がバラさないよう、彼ら自身を萎縮させることも大きな意図だが、この法案の最大目的は当局筋が国民に知らせたくない情報の流出を完全にシャットアウトすることにある。
簡単に言えば、米官業利権複合体が国民に知らせたくない情報すべてを“機密情報”に決めつけることが可能なのである。
つまりこの法案は実質的な国家治安法であり、もっと深部を言うなら、これは米国グローバル資本が日本へのTPP侵略に際して、国民の批判や不満をいっさい封じ込めるために行われる。
秘密保全法が「国の安全(防衛)」「外交」「公共の安全及び秩序の維持(治安)」を守るためという表向きの理由は大嘘である。
TPPを是認する政府が国の安全や国民の生活防衛を一顧だにしていないことはもはや明白である。
この法案は、消費増税、TPP、原発事故を隠蔽しながら再稼働を是認し、権力に寄り添う報道ばかりを垂れ流す大新聞・テレビよりも、ネット系メディアやフリージャーナリストを標的にしていることは確実なのである。
つまり、今進められている秘密保全法とは、内外のグローバリストたちがTPPを睨んで設置する言論弾圧法案の一つに他ならない。
ある記者さんのサイトによれば、この法案をまとめた有識者会議そのものに、恣意的な秘密指定を先取りするかのような運営が露呈したそうだ。
http://www.magazine9.jp/don/120328/
それは発言者名を伏せた箇条書きの簡単な議事要旨しか作成しておらず、録音テープもなく、おまけに、やりとりを記した行政職員のメモが強制的に廃棄させられていたことが明らかになったという。
闇の中で策定された法案が、いかに筋が悪いか言うまでもない。
策定過程自体が秘密のベールに覆われている形はTPPと瓜二つである。
ここから秘密保全法が日本国民を狙う恐ろしい弾圧法案であることがよく分かる。
真の意味で“国民の知る権利”を行使しようとする人間は、公務員に関わらず一般国民すべてを含めて“秘密保全法違反”で御用にすることがこの法案の目的である。
この法案の詳細は明らかにされていないが、おそらくこの法案の最大のカギは、リークした公務員の厳罰もさることながら、そのリーク情報を得た側も厳罰処分にする可能性が強い。
むしろ、そこにこそ最大の力点があるのかもしれない。
国家の機密情報を得た側は、その取得経緯がどうであれ、多分、取得の受動性は認められず、能動的な犯意として判断される可能性がある。
この点が最も恐ろしい部分なので、今から政府に徹底した突っ込みを入れる必要がある。
政府は最後の最後まで、“知ろうとする側の処罰”を伏せるはずである。
この観点から、とくにネットメディアの言論人やフリージャーナリストが最大のターゲットになることは容易に推し量れる。
もう一度言うが、国家の安全を第一に考えるならTPP参加はあり得ない選択である。
これをやっておきながら、国家の安全をお題目にするすべての法案は、国民の政治批判を完全に封じ込める目的以外はない。
『秘密保全法』というネーミングからして、憲法第21条の“表現の自由”に背反している。
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