http://www.asyura2.com/13/senkyo151/msg/635.html
Tweet |
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-9428.html
2013/7/27 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
安倍首相は25日から3日間の予定でASEAN各国を歴訪中だ。今回はマレーシア、シンガポール、フィリピンの3カ国。官民挙げてのインフラの売り込みをやって、またまた経済外交の成功をアピールするつもりだろうが、それにしても安倍はなぜ東南アジアにばかり出掛けるのか。
これが永田町では“謎”になっている。なにしろ、昨年12月に首相に就任してから東南アジア訪問は3度目なのだ。ASEAN加盟10カ国のうち、実に7カ国を訪問していることになる。
それも、シンガポールの首相とは今年5月に会談したばかり。それなのに3カ月もしないうちにまた会う。その一方で、中国や韓国にはまったく行かないのだから、どう考えても偏っている。
もちろん、日中、日韓は尖閣や歴史問題で関係が冷え切っていて、首脳会談の見通しすら立たないためだが、だったら、こちらの関係改善に全精力を傾注すべきなのである。
それなのに、なぜ、安倍はいつも東南アジアなのか。ここに安倍の性根が見えるのだ。
「東南アジアにとって日本は最大のスポンサーで、その経済力への期待は大きい。日本の首相が行けば当然、歓待されます。友好国ですから会談で関係が悪くなることもない。安倍首相にとっては居心地がいいのでしょう。一方、中国、韓国とはこうはいかない。難しい外交案件から逃げていると言われても仕方ありません」(元外交官の天木直人氏)
安倍の東南アジア歴訪には、中国を牽制する思惑もあるらしいが、こんなもんは後付けの言い訳にしか聞こえない。要するに自分をヨイショしてくれるところにはホイホイ行くが、面倒なところは避けてしまう。それが安倍外交なのだろう。
◆中韓対話の「ドアはオープン」なら自ら動け
今回、マレーシアでは、医療や教育など成長分野での連携や高速鉄道、上下水道などのインフラ輸出促進を確認した。シンガポールでも同じくインフラ輸出の促進で一致した。連携、促進と言えば聞こえはいいが、日本のインフラを買ってもらう分、相応の援助もつける。つまり土産だ。
最終日のきょう(27日)は、フィリピンのアキノ大統領と会談し、新たな政府開発援助(ODA)による支援を提案するという。
そういえば、安倍は5月に行ったミャンマーでは、対日債務2000億円の帳消しと910億円の新たなODAを約束してきた。その裏で、昭恵夫人がミャンマーでの学校建設などで活躍、これまで10回も訪れていたことから、「アッキーの手土産か」なんて言われたものだ。
これだけ大盤振る舞いをすれば、そりゃ、安倍は威張れる。大歓迎を受ける。さぞかし、ご機嫌だろうが、そんなもんは外交といえるのか。そこを問うてみたいのだ。
「安倍さんが外交でまずやるべきは中韓との関係改善です。経済面を考えても日中、日韓関係は日本にとってもっとも重要な案件になる。安倍さんは口では『対話のドアはオープンにしている』と言っていますが、自分から積極的に動くことはなく、対話から逃げている。参院選で大勝利し、強い政権になるのだから、日本側から働きかければ中韓だって無視できない。ところが、安倍さんは逆に、東南アジアを日本の勢力圏に置くことで、中国との分断作戦を展開しようとしている。これは大きな間違いです」(天木直人氏=前出)
安倍は来月下旬には中東4カ国を訪問する意向だというが、過密日程で詰め込む外遊先は、いずれも発展途上国ばかりだ。その間、最大案件の中国、韓国は置いといて、ただコブシをふり上げ、イキがっているのだから、どうしようもない男である。
◆「自己満足外交」の裏に「強情」と「度量の狭さ」
こんな外交姿勢を見ると、この国の未来は大丈夫なのかと、つくづく心配になってくる。
政治評論家の野上忠興氏はこう言った。
「安倍さんが自らの外交について『地球儀を眺めるように世界全体を俯(ふ)瞰(かん)して』などと表明したものだから、メディアは『地球儀外交』と名づけていますが、外交は黙って粛々とやればいい。大袈裟な冠を付けるのは、仕事ができない裏返しです。今回の東南アジア歴訪は『自己満足外交』と言った方がいいと思う」
首相の自己満足で外交をやられたらたまらないのだが、その裏には安倍の奇妙なプライドの高さや強情、頑迷さがある。こうした性格が極端でかたくなな外交姿勢につながっている。外交といえば、したたかさ、柔軟さが必要なのに、要するに度量が狭いのである。
「自民党内の長老議員は安倍さんを『強情』『懐に深さがない』と評している。そういえば、子供の頃、親に叱られると、プーッと頬をふくらませて、半日以上口を開かなかったそうです。そんな幼児性がそのまま大人になっても見え隠れする」(野上忠興氏=前出)
自分がエバれて、自分を大事にしてくれる相手としか付き合わないのであれば、まさに子供だが、もうひとつ、安倍の幼児性を物語っているのが、異様な「ブチ切れ方」だ。
街頭演説のすぐそばに反TPPの市民団体が居合わせたとき、「左翼の人たちが、一生懸命演説妨害してました」とムキになってフェイスブックに書き込んだのは一例。元外務審議官の田中均氏に外交政策を批判されると、「彼に外交を語る資格はありません」とこれまたフェイスブックに書き込んで、「首相の言論弾圧」と非難された。就任1年未満の河相外務次官を交代させ、事実上、更迭したのも、日米首脳会談がうまくいかなかった“腹いせ”とみられている。だとすると、常軌を逸した暴君だ。逆上して忠臣を斬殺する封建領主みたいで、その我欲には背筋が寒くなってくるのである。
◆日本は孤立の道へまっしぐら
こんな安倍の性格を、ジャーナリストの高野孟氏は「自己愛性人格障害だろう」と本紙コラムに書いた。「自己愛性人格障害」は、〈自分は特別な存在〉で〈自分を称賛してくれる取り巻きを求め〉〈自分のやり方に注文をつけられると、相手かまわず激しく反撃に出る〉といった特徴があるそうだ。安倍そのものではないか。改めて、高野氏はこう言った。
「自己愛性人格障害は誰にでもある心理的な傾向です。安倍さんがそうだと考えれば、彼の行動は理解しやすくなります。外交は本来、敵になりうる国、最も付き合いが難しい国を優先しなければならないのに、安倍さんは逆に付き合いやすい国から訪問する。居心地のいい方に流れていくのは、安倍さんの性格的な弱さだと思います」
こんなトップが国会の数の上にふんぞり返り、独裁者として君臨、長期政権を狙っているのだ。他国はドン引きしているのではないか。中韓どころか、欧米との関係も不安定になり、日本は孤立の道を突き進むことになりかねない。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。