http://www.asyura2.com/13/senkyo151/msg/611.html
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参院選は安倍政権の大勝に終わったが、まだ安倍政権を食い止める方法は残っている。それは「一票の格差」問題だ。現在、弁護士グループが提訴を行っているが、これをテコにして再選挙に持ち込む手はあるのではないか。
もはや綺麗事だけでは、強大な権力を握る安倍政権と対峙することは困難だ。我々は利用できるものは全て利用していくべきではないか。
「最高裁vs.安倍政権」より
http://ameblo.jp/gekkannippon/entry-11580512726.html
参院選の翌日の22日、「一票の格差」が是正されないまま実施された参院選は憲法違反だとして、格差解消に取り組んできた弁護士グループが選挙無効を求める訴えを起こしました。この問題について裁判所は既に厳しい判断を下しており、昨年の衆院選の際は「違憲・無効」が2件、「選挙は有効だが違憲」が12件、「違憲状態」が2件という状況でした。最高裁大法廷はこれについて年内にも統一判断を示す見通しです(『東京新聞』7月22日付)。
最高裁は極めて政治的な組織ですので、法律的な観点からその判断を予想することは困難です。最高裁が安倍政権に対して思うところがあれば、彼らは厳格な判断を下すでしょう。安倍政権としては何とかそれを阻止したいでしょうから、今後、最高裁と安倍政権の間で政治的な駆け引きが行われるのではないかと思います。
仮に最高裁が厳しい判断を下せば、安倍政権はまずこの問題に取り組まなければならなくなります。最高裁の判断を無視すれば、国際社会から「日本は法治国家ではない」とみなされ、その信用を著しく傷つけてしまうことになるからです。
ここでは弊誌6月号に掲載した、今回の訴訟をリードする升永英俊弁護士のインタビューを紹介したいと思います。
『月刊日本』6月号より
「一票の住所差別」という不条理を許すな
―― 升永弁護士は「一票の格差」を巡る全国訴訟を主導してきた。その目的について伺いたい。
【升永】 まず初めに指摘しておきたいが、「一票の格差」という表現は適切ではない。「格差」と言うと、格差が少しでも是正されればそれで良い、という話になりかねない。これは「一票の住所差別」と言うべきものだ。住んでいる場所によって一票の価値が違うということは、住所地による差別に外ならず、これほど不条理なことはない。それゆえ、これは「是正」ではなく「撤廃」しなければならない問題である。
日本国憲法には、主権者である国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて、三権、すなわち司法、立法、行政の三権を行使すると書かれている。「正当な選挙」を実現するためには、「一人一票」という前提が必要不可欠だ。しかし、現状では、国民の大多数が一票未満の選挙権しか持っておらず、少数の国民によって多数の国会議員が選ばれている。これではとても民主主義国家とは言えない。
2012年のアメリカの大統領選挙は、オバマ氏が総投票数の50・4%を、ロムニー氏が48・1%を得票したため、オバマ氏の勝利となった。これは「一人一票」という前提から考えれば当然のことだ。仮に、得票数では敗れましたが一票の価値が違うのでロムニー氏の勝利です、などと言われれば、小学生でも「オカシイ」と思うだろう。
「一票の住所差別」という不条理を正すこと、日本を本当の意味での民主主義国家に変えること。私の目的はそれに尽きる。
―― この問題はしばしば、アメリカの上院と比較して論じられている。アメリカの上院議員は各州から2人ずつ選ばれており、大きな「一票の格差」がある。
【升永】 アメリカの州(state)と日本の都道府県は全く異なるものだ。それらを比較して論じること自体がおかしい。アメリカの州にはそれぞれ、州の最高裁判所、州の高等裁判所、州の地方裁判所がある。州ごとに民法や刑法、家族法、相続法なども異なる。また、州は軍隊や本格的な課税権も持っている。これに対して、日本の都道府県には軍隊や本格的な課税権はない。もちろん、神奈川県民法や埼玉県刑法もない。都道府県と州を同一視することはできない。
アメリカの選挙制度に注目するのであれば、むしろ下院の小選挙区制の方だ。たとえば、ペンシルバニア州(人口1280万人強)の連邦下院選の選挙区は19個に分けられているが、最大人口の選挙区と最小人口の選挙区の人口差は何と1人だ。
米国連邦地裁は2002年、ペンシルバニア州の選挙区間の最大人口差が19人となったことを違憲と判断し、3週間以内に憲法に沿った選挙区割りの法改正案を提出するよう選挙管理委員会に命じた。それを受けて、同州議会は、裁判所の命令の日から9日後に、最大人口差を1人に縮減する選挙区割り法の法改正を行ったのだ。
裁判所の判断から立法までのスピードには驚くべきものがある。ここまで徹底しているからこそ、民主主義の多数決が成り立っているのだ。
他方、日本の場合、「0増5減」案を反映しても、最大人口と最小人口の差は29万人にも及ぶ。しかし、アメリカにできているのだから、日本にできないはずはない。
国民は主権者としての当事者意識を持て
―― 「一人一票」という人口比例選挙は地方の切り捨てに繋がるという議論もある。
【升永】 それは基本的な情報を知らない議論だ。たとえば、今夏の参院選挙の場合、最も票の価値が小さいのは北海道だ。鳥取選挙区を一票とすると、北海道の票の価値はわずか0・21票に過ぎない。北海道は「地方」ではないのか。
北海道の次に票の価値が小さいのが兵庫県だ。確かに神戸市近辺は都会であるが、兵庫県の日本海側は「地方」だ。そこに住む人々は、お隣の鳥取県の人たちが1票なのに、0・21票しか持っていないのだ。
―― 国会議員は選挙制度の改革について、あまり積極的ではないように見える。国会が最高裁判決を黙殺する可能性もある。
【升永】 それは現職の国会議員たちが既得権者だからだ。彼らが自らの権益を失うような改革をしないのは当然のことだ。国会議員に期待してはならない。
憲法に反して国会議員となった彼らは、立法行為を行う資格の無い人である。ハッキリ言って立法行為の「無資格者」である。「違憲国会議員」が、今日も、明日も、明後日も、その次の日も、国会で行っている立法行為は、憲法改正提案も含め、国家レベルの異常行為と言わざるを得ない。国家レベルのデタラメである。
最高裁が「一人一票の人口比例選挙が憲法の要求である」と明言した後も、国会が抜本的解決に踏み切らないようであれば、私たちは国家賠償請求訴訟を起こすつもりだ。
国家賠償法1条2項では、故意または過失のある公務員が金銭的な負担を個人で負うと定められている。国賠法の要件は、@公務員であること、A公権力の行使、B違法、C故意または過失、D損害が発生していること――である。違憲違法判決か違憲無効の判決が出れば、これら全てを満たすことになる。
海外在留邦人の選挙権が毀損された訴訟の判例から、有権者一人あたり5000円の損害が認められるだろう。仮に1千万人の原告の訴訟になれば、賠償額は500億円だ。税金は国民のお金だから充当されない。国が敗訴したら、国が原告に賠償金を支払う。しかし、国は、故意責任のある国会議員にその賠償金を求償する権利を持っている。従って、最終的に賠償金を負担させられるのは議員個人だ。(以下略)
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