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菅氏に離党勧告だそうです。要するに、出ていってくれ、というということのようてす。引導を渡したのが、彼にさんざん苛められてきた事故当時の経済産業大臣・海江田氏と、首相補佐官として暴走の尻拭いをしてきた細野氏というのも泣かせます。民主総潰れで、参議院議員山本太郎を誕生させてしまったので、もう手遅れですが、追い出された菅氏は山本太郎氏と「新党脱原発」でも作るんじゃないですか。
相性、すごくよさそうだし。党首・菅直人。幹事長・山本太郎。政審会長・三宅洋平って配置かしら。う〜ん、それなりにインパクトありそう。普通、仮にも国家のトップをやった人間は、こういう人たちとは絶対に組まないんですが、菅氏ならやるでしょう。彼のスタイルは一貫して「市民運動家」そのものでした。自分が国家という官僚機構と法体系の上に立つ人間だというアイデンティティがぜんぜんないんですね。
だから、鉄火場の事故現場に行ってかき回してみたり、東電に怒鳴り込んだりと、いかにも「市民運動家」らしい直接行動がお好きでした。市民運動家なら身ひとつですが、彼の場合はなにぶん最高権力者なので、SP引き連れて自衛隊ヘリに乗って突っ込んでくるんですら、さぞかしシュールな眺めだっと思います。米国大統領が同じことをしたら、世界中からバッカじゃねぇかと大笑いされて、盟主の地位から滑り落ちます。
フランス大統領なら、ANC(仏原子力規制機関)の総裁から、「閣下、出口はあちらです」と冷酷に言われてつまみ出されます。そういうことは、自分が誰なのか分からなくなった人がやることなのです。菅氏は、自分の立場はガバナンス(統治)するべき立場だということを忘れて、というよりハナっから自覚していない人だから迷惑なのです。「あなたは首相なのよ、いいね」とそっと教えてやってもダメでしょう、この人は根っから「市民運動家」でしかないからです。 それもあまり質のよくない。
菅氏自らは、自分は気さくな権力者ぶらない市民政治家のイメージなのでしょうが、それがとんでもなく迷惑なスタンスだということは、首相に就任してすぐに分かってしまいました。あの福島第1原発事故があったからです。福島事故時に菅氏は、原災法(原子力災害特別措置法)15条(緊急事態通告)に則って、各自治体に対して緊急避難勧告べきを失敗をせねばなりませんでした。もちろん、避難通告から避難までの手順は決まっていました。
この原子力事故緊急事態に際して、首相に原子力安全委員会の5人の委員と40人調査委員からなる「緊急技術助言組織」という原子力の専門家ブレーンが付くはずでしたが、これが震災の交通・通信インフラの麻痺で官邸まで来られなかったのです。携帯の呼び出しすらできず、それをいいことに「原子力に強い」と自称する菅氏は、自らが電話で呼び寄せた東工大の同窓だけを集めて緊急対応を始めてしまったからです。それらの人々はかつて菅氏と同じ大学紛争の釜の飯を食った、というだけの理由で招集された素人集団で、原子力事故の専門どころか、原子炉ってなにという人までも含まれていました。
こういう「専門的知識・経験もない政治家」(民間事故調)が、さらに素人のお仲間を呼び寄せて、彼らに内閣参与の肩書を与えて指揮系統に介入させていたのです。キャンパスじゃあるまいに、ここは国家の中枢ですよ。彼はまさにリスクマネージメントでいちばんやってはいけない指揮系統逸脱をしています。それをトップが率先してやるのですから、どうしようもない。
後に菅氏は反省はおろか、むしろ得意気にインタビューでこう述べています。このへんの反省のなさが、まさに「自分が誰だかわからなくなった人」特有の病理です。「私にはそういう経験があるの。だからこのときも(略)個人的つながりで、後に内閣参与になってもらう人から話を聞いたんだ。」 原子炉の過酷事故について菅氏がどういう「経験」があったのか知りませんが、菅氏とその「個人的つながり」のご学友の皆さんたちは早々に重大なミスを犯します。 原災法では緊急事態が宣告されると、避難を定めた区域を定め、住民を避難させることをせねばなりませんが、首相は緊急事態を宣言しただけで、その避難誘導どころか、避難区域を設定することすらしなかったのです。
理由はただ忘れていただけで、指示を出すのは斑目委員長らが官邸に到着してからのことになります。それも避難圏の規定がなかったために3キロ、10キロ、20キロと猫の眼のように変わっていきます。その都度、周辺住民は転々と避難場所を変えねばなりませんでした。政府事故調報告書によれば、ある人など逃げた先のほうが、自宅がある地域より高い放射線量だったということすら起きました。この状況について、当時の細野首相補佐官は、「(官邸では)原発でどんな事象が起きていて、どんな避難区域にすべきなのか、完全に検討できなかったのです」と正直に述べています。(11年6月20日記者会見)
ちなみに 脱線しますが、私は細野氏の事故処理は、彼の補佐官という立場では最善であったと思っています。特に3月15日に統合対策本部事務局長になってからは、菅氏の重しがとれたのか的確な手腕を振るったと思っています。それはともかく、官邸が勝手に指揮系統を乱しているために枝野官房長官は、午後7時45分の記者会見でこのような重大なミス発表をしています。「居住者や滞在者は現時点で特別な行動をとる必要がありません。あわてて避難することなく自宅で待機していて下さい。」
一方、この官邸の指示の遅れにしびれを切らしたのは地元福島県でした。福島県は緊急事態宣言が発せられたままなんの指示も政府から来ないために、独自に午後8時50分に2キロ圏の住民を避難させ始めています。官邸から避難指示が来たのは福島県の独自避難が始まってから30分がたつ午後9時23分でした。
枝野官房長官は、午後9時52分の記者会見で前回の記者会見の内容を忘れたかのように、「すみやかに避難を始めていただきたい」と前言撤回をしました。この政府避難勧告があったのは、吉田所長が「15条通告」(緊急事態通告)をした午後4時36分から実に5時間、首相が緊急事態宣言をしてからも2時間50分が経過していました。避難に際して、事故初動の貴重な5時間もの時間を徒に空費した政府とは一体なんだったのでしょうか。
後に分かることですが、この時既に、1号炉は炉心頂部が露出し始めてメルトダウンが始まっていたのです。この惨憺たる政府の原子力事故対応はもはや犯罪的ですらあります。このようなことは、菅直人氏という人が、まともな首相ならば起きなかったことでした。
こういう「権力者」という立場をわきまえない人、自分が国家と国民を背負っていることを理解しようとしない人、ガバナンスの頂点に立っていることを忘れて、学生活動家のスタイルのまま怒鳴り散らす人、それが菅直人という人物です。
辞任後も、選挙戦の真っ最中に後任の首相を訴えたり、それどころか公職選挙法を無視した「落選運動」まで展開にするなどやり放題。菅氏は鳩さんとは違った意味で「自分が誰だかわからなくなった人」なのです。今思い出しましたが、鳩さんも金曜デモに出ていましたね。つい数年前まで最高権力者だった人が、国家権力と「戦う」というマンガのような風景だと気がつかないのが「病理」なのです。このふたりは似た者同志なのかもしれませんが、国民はちっともほのぼのとしませんがね(笑)。
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-4af5.html
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