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電車とホームの間に足を挟まれた女性を救出するため、車両を押して傾ける乗客や駅員ら(22日午前9時19分、JR南浦和駅で)=繁田統央撮影 :読売新聞
http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/a036c37b2bd616be5b3629173376a0de
2013年07月27日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆さいたま市のJR京浜東北線「南浦和駅」で7月22日午前9時15分ごろ、ホームと車両の間に落ちた30代女性を乗客と駅員が協力し車両を押し傾けて救出したというニュースが、海外で絶賛報道されたという。読売新聞が7月26日付け朝刊「社会面=38面」で報じている。「南浦和駅」は、私も日ごろから利用していることもあり、乗客と駅員による救出劇には感動していた。このニュースが世界を駆けめぐり、各国で感動を呼んだということに、逆に驚かされた。
日本民族の道徳心には、中国・孔子の教え(『論語・為政』)の一つである「義を見てせざるは勇無きなり」(人として行うべき正義と知りながらそれをしないことは、勇気が無いのと同じことである)という言葉が、当然のこととして打ち込まれており、咄嗟の場合に発揮される。ただそれだけのことである。だから、海外で「英雄的な行動」として「絶賛報道」されたと知れば、驚く以外ない。
それでも、日本民族のなかには、タバコの吸い殻を平気で公道にポイ捨てしたり、散歩中の犬が道端にした糞をそのままにして立ち去ったり、公徳心のない大の大人の姿をよく見かける。実に不愉快な光景である。世界に絶賛されるほど立派な人ばかりではない。
◆それでも、日本民族が、いざというとき、「心を一つ」にして、まさに「一致団結」して、人助けする精神を持っていることが、証明されたのは、喜ばしいことである。
これは、大袈裟に言えば、安倍晋三首相が進めている「アベノミクス政策」(異次元の大胆な金融緩和、財政出動、成長戦略の3本の矢)が、「国民総動員=官民一致団結」すれば、「結果」を出して成功する可能性が大であることも示唆している。
女性がホームと車両の間に落ちたのを目撃して、咄嗟に警報ベルのボタンを押した乗客がいた。乗客と駅員が協力し車両を押し傾けて救出したように、1人1人の力は小さくても、みんなが力を合わせれば、重い電車の車両でさえ、傾けることができる。
一国の民族の力を一つにまとめるのは、国家最高指導者である安倍晋三首相の使命であり、役割である。日本経済は、「デフレ」という大きな蟻地獄に落ち込み、這い上がれなかった。失われた10年を含めて、約20年にわたる大不況に苦しんできた。それがいま、「アベノミクス政策」の浮揚力によって、克服されようとしている。問題は、景気回復実感を抱けないで、「疑いの目」で受け止めている国民が多いということだ。この疑いの目を払拭するには、安倍晋三首相の大号令が何よりも必要である。その気になれば、日本民族は、「心を一つ」にして、絶大なるパワーを発揮する。
◆だが、残念なことに、日本国内には、「いじめの構造」が「ガン細胞」のように転移しており、「社会の病理現象」として人間関係を急速に蝕んでいる。その一つが、教育界での「いじめ現象」と「教育関係者の無責任体質」である。小中高校生の「自殺」が跡を絶たない。
また、限界集落が各地の山間部に増えていて、高齢者ばかり少人数の狭い集落(共同体)で、いわゆる「村八分」が起きたらどんなことになるか。山口県周南市の山口県警周南署捜査本部は7月26日、5人連続殺人放火事件で、保見光成容疑者(63)を被害者1人への殺人と非現住建造物等放火の疑い逮捕した。保見光成容疑者は、殺した5人のうち1人に10年前、胸を刃物で刺されたことがあり、同じ集落の周辺住民とトラブルを抱えて最近、「集落で孤立している」と悩みを警察に相談していたという。警察は、地域住民の生活相談に乗る余裕がない。「事件が起きてからまた来なさい」という姿勢である。「5人連続殺人放火事件」に至り、やっと動き出したということだ。
「南浦和駅」でホームと車両の間に落ちた30代女性を乗客と駅員が協力し車両を押し傾けて救出したというニュースと「5人連続殺人放火事件」との間の「大きな断絶」、これがほぼ同時進行で起きている。日本民族の現実だ。
【参考引用】読売新聞YOMIURIONLINEが7月26日午後4時3分、「『日本、また世界驚かせた』電車押し救助を絶賛」という見出しをつけて、以下のように配信した。
「本紙が22日夕刊で報じた、さいたま市のJR南浦和駅での女性客救出劇は、現場に居合わせた本紙記者の写真と共に世界各地でも報道された。
ホームと車両の間に落ちた女性を乗客らが力を合わせ助け出したニュースに、『うちの国だったら、乗客は眺めるだけで何もしなかったかもしれない』『英雄的な行動』などの称賛の声が上がっている。
米CNNテレビは22日夜(日本時間23日午前)、キャスターが『日本から素晴らしいニュースです』と前置きし、本紙の写真と共に女性救出を報じた。キャスターは『生死に関わる状況で、駅員と乗客が冷静に協力した』と称賛。『おそらく、日本だけで起こりうること』として、電車が約8分後に通常運転を再開したことも合わせて伝えた。
英各紙がロイヤルベビー誕生の特集紙面を組む中、23日付ガーディアン紙は、『(駅員や乗客が)集団で、英雄的な行動を示した』とするAP通信の記事と本紙の写真を国際面で使った。
イタリアの主要紙コリエーレ・デラ・セラのウェブサイトには『イタリア人だったら眺めるだけだろう』といったコメントも。香港でも、中国政府寄りの論調で知られるフェニックステレビのウェブサイトに、『中国で同様の事故が起きれば、大多数の人はやじ馬見物するだけだ』といった書き込みが見られた。
対日関係が冷え込む中国では、政府の指導下にある有力ニュースサイト『中国ネット』が24日、日本での報道を引用する形で事実関係を論評抜きで報道し、国営新華社通信(電子版)などが転載。韓国でも聯合ニュースなどのメディアが、多くは、読売新聞の報道を引用して伝えた。23日の朝鮮スポーツ紙(電子版)は『乗客が力を合わせて救助する感動の写真が話題になっている』と指摘した。
ロシアの大衆紙『コムソモリスカヤ・プラウダ』(電子版)には『どうしてこんなに迅速に乗客が団結できたのだろうか』『他人の命に対して、我々ロシア人も無関心であってはならない』と、驚きのコメントが寄せられた。
タイのニュース専門チャンネル最大手TNNは、本紙の写真を、『日本の人々が生来の結束力を余すところなく示し、困っている人に助けの手をさしのべた、素晴らしいニュース』と紹介した。タイのソーシャルメディアでは、この写真をシェアする人が多く、フェイスブック上では『日本が、また世界を驚かせた』『とっさにこのような行動ができる日本人は、どのような教育を受けているのか』との声も出ている」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130726-OYT1T00376.htm?from=ylist
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