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(回答先: 鳩山元首相が「東アジア共同体研究所」設立記念フォーラム開催、尖閣問題は「中国の主張、理解できる」―中国紙 投稿者 かさっこ地蔵 日時 2013 年 7 月 26 日 23:36:26)
残念ながら、鳩山氏があれこれ動いても、日本で多数の支持を得ることはできないと思う。
“東アジア共同体”構想も、15年前せめて10年前なら日本にとって大きな意義があったと思うが、これからどうにかしたいというのでは、前近代のそれとは性格が異なるとは言え、中華的アジア秩序の復活に手を貸すことになる。
資金も潤沢にある鳩山氏だから、信念と理想に従って様々な活動をやられることを止めはしないが、鳩山氏が動けば動くほど、鳩山氏の理想の実現は、かえって遠のくような気がする。
尖閣諸島領有権問題で、鳩山氏は、「日本政府は当時、これら島しょが無人島であると確認し、日本領土に組み入れると内閣で決議したというが、官報で公示せず、メディアも報道しなかった。日本国民はもちろん知らないし、外国政府も知らない。中国が『日本が盗んだ』というのも理解できる」と指摘したそうだが、領土獲得で行われる狡猾な手法は、近代国際法の世界では珍しい話ではない。(もっとどぎつく、あらぬ理由で弱い国に戦争をしかけたりする)
尖閣諸島の日本領土編入経緯は胸を張れるものではないが、尖閣諸島領有の“合法性”と“正当性”は、その後1971年(沖縄返還協定にかかわる中華人民共和国と中華民国の異議表明)まで抗議を受けることなく、長きにわたって沖縄県尖閣諸島であることを公知の事実としながら、日本及び米国が実効支配してきたことに由来する。
中国はクレームを付けているが、日本が尖閣諸島を領土に編入する前に清国が尖閣諸島を支配していた“証拠”は、今もって出てきていない。
これまで何度も書いてきたが、中国政府は、盗んだなどといった口汚い非難を日本に浴びせる前に、尖閣諸島に対する日本の“近代的”領有権を認めることを日中外交交渉の出発点にしなければならない。
72年の田中−周両首相の話し合いをもって、「日中が『棚上げ』で合意したのは歴史的事実。日本は挑発行為を止めるべきだ」という認識も間違っている。
田中−毛首脳会談の議題にしないという意味の「棚上げ」であり、日中平和条約締結時も、条約で触れないという「棚上げ」である。
いずれにしろ、「棚上げ」は、尖閣諸島の領有権未確定を意味するものではなく、現状を暗黙裏に認めることである。71年秋に出した異議は継続しつつも、中国が、日本の実効支配(表見的領有権)を認めるということが「棚上げ」の真意である。
むろん、そこはアジア的阿吽の呼吸で、99年に締結された日中漁業協定でも、領海を除く経済水域で中国漁船が漁をすることを認めている。日本は、十二分に中国に対して配慮をしてきたと言える。
昨年9月の「尖閣諸島国有化」問題は、日中国交正常化40周年という歴史的節目に、指導部が入れ替わる中国共産党大会の直前、胡前国家主席が直々に申し入れというなかで行われたことで大きくなったと思っている。この点では、「棚上げ」という歴史的経緯を踏まえると、日本政府は配慮に欠けていたと言えるだろう。
鳩山氏は、さらに、「カイロ宣言の精神に基づくなら、日本は侵略し、占領した領土を返還すべきだ。『尖閣』という名称はカイロ宣言で使われていないが、この精神に基づいて中国が『尖閣』の返還も要求するのは理解できる」と考えているそうだが、台湾でさえ、侵略によって手に入れたわけではなく、日清戦争というアジア秩序をめぐるガチンコの戦争で勝利し割譲を受けたものである。
「カイロ宣言の精神」は、戦勝国が過去の戦争の結果にまで遡って失地を回復できるということを含んでいるのである。
今後はあのような戦争は起こらないだろうから、ざっくばらんに言えば、最後に勝ったものが勝ちなのである。
鳩山氏の「領土問題は冷静に対処しなければならない。主権を棚上げし、次世代に引き継ぐのが最も適切な解決方法だ」という考えについては、領土問題は冷静に対処しなければならないということには同意だが、「主権を棚上げ」にするという考えは受け容れられない。
日本の主権(領有権及び支配権)をきちんと認め合うことから、日中の交渉は始まらなければならない。そのうえで、交渉が不調に終わるのなら、よき解決方法を次世代に託せばいいだろう。
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