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2013/7/26 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
カネボウの被害届にも反応せず
被害は広がる一方のカネボウ化粧品の美白化粧品回収問題。トラブルを発表した今月7日の時点で39人だった“被害者”はその後もどんどん増え、重い症状の訴えは2250人に上っている。
そんなカネボウを痛烈批判したのが消費者庁の阿南久長官(63)である。肌がマダラに白くなる「白斑」の症状が皮膚科に寄せられたのは今年5月。「5月の段階で使用中止を呼びかけていれば、少しでも被害を防げたはず」「もっと早く公表すべきだった」と対応の遅れを指摘した。
しかし、これは「よく言うよ」だ。消費者庁はカネボウよりも先に、美白化粧品の被害を把握していたからだ。ひとつは50代女性が昨年5月に皮膚科で「顔面頚部白斑」と診断されたケース。もうひとつは今年2月に50代女性が顔と手にかゆみと発疹が出たケースだ。2件とも報告が上がっていたのに、対処せず放置していたのが消費者庁だ。
「該当商品の相談はこれまでに2件しかなく、事故と商品の因果関係がはっきりしなかったため、カネボウにはヒアリングなどをしていません。もちろん、消費者の相談があれば迅速に対応をしますが、ほかにも化粧品のトラブルはたくさんあって、類似した相談件数がある程度ないと対処しにくいのが実情です」(消費者安全課)
一見、もっともな「言い訳」に聞こえるが、こんな調子でいつも後手後手なのが消費者庁なのである。こんにゃくゼリーの販売中止も遅れたし、安愚楽牧場でも立ち入り検査などの調査を怠り、「役立たず」と批判された。
もともと、内閣府や経産省などから出向した300人超の「寄り合い所帯」。09年9月の発足当初から「ちゃんと機能するのか?」と危ぶまれていたが、案の定だ。
野田内閣は昨年8月、サプライズで全国消費者団体連絡会事務局長だった阿南久長官を抜擢した。初の女性で、官僚ではなく、民間の消費者団体出身だった。「私の武器は消費者の声」と言い切り、鋭い主婦目線が期待されたのだが、今回のカネボウの一件を見る限りは期待外れというしかない。
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