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「岩手選挙区に一体何があったのか」(EJ第3596号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/370106987.html
2013年07月25日 Electronic Journal
昨日のEJでお知らせしたように、参院選後のインタビューで
小沢氏は、岩手県──具体的には同県で平野達男氏を担いだ県議
たちに対して──かなり激しい怒りを含んだ発言をしています。
これには理由があるのです。
現在、自民党のベテラン議員として重要なポジションを占めて
いる二階俊博、野田毅、小池百合子の3氏は、もともと小沢氏の
自由党にいた衆院議員たちです。
ところが自自連立と自自公連立で与党になったとたん与党病に
取りつかれ、小沢氏が連立のさいの約束が守られないとして、自
民党との連立を解消したさい、これに反対して自由党を離党して
保守党を結成し、自公保連立を組んだ26人中の3人です。
保守党は後で自民党に合流するための前段階の党であり、自民
党議員になるための予定の行動です。そのウラで動いていたのは
当時自民党幹事長の野中公務氏です。彼は小沢氏の力を削ぐため
に26人の議員を自由党から寝返らせたのです。
これは、民主党と国民新党との連立解消のさいの騒ぎと酷似し
ています。国民新党代表の亀井氏が民主党が消費増税法案を提出
するのは約束違反であるとして連立離脱を決めたのに、自見庄三
郎議員をはじめとする所属議員が連立離脱に反対したあの騒ぎで
す。外から見ていると実に見苦しい騒ぎであり、自由党の連立離
脱のときとそっくりです。
二階俊博氏は、もともと自民党員で、竹下派の分裂には小沢氏
と行動を共にし、その後、自民党を離党して新生党、細川連立政
権、新進党、自由党と一貫して小沢氏と一緒に行動してきている
人物です。しかし、自自公連立離脱のさいは、行動を共にせず、
自民党に残って以来、小沢氏とは疎遠になっています。
衆院選の直前のことですが、当時総務会長代理をしていた二階
氏は民主党の平野達男議員と密かに接触し、同氏に対し、民主党
を離党し、自民党候補として選挙戦を戦うよう勧めたのです。そ
れは自民党の岩手県連が候補者の田中真一氏を擁立する前のこと
です。自民党は、過去一度も勝利したことのない岩手選挙区を重
点選挙区として位置づけ、そこで勝てる候補を擁立したかったの
です。小沢氏の影響力は落ちており、チャンスた゜ったのです。
平野氏は二階氏とも親しく、小沢氏の支援の下にこれまでの2
回の参院選に勝利してきたのですが、小沢氏が民主党を離党する
さい、行動を共にしなかったのです。大臣になりたかったからで
す。これを見て二階氏は平野氏に接近したのです。
しかし、平野氏はなかなか民主党を離党しなかったのです。こ
の動きを知った石破幹事長は岩手選挙区に田中真一氏を擁立した
のです。それでも二階氏の平野氏への説得は続いていたのです。
それは、落下傘候補の田中氏では岩手選挙区は勝てないと考えて
いたからです。
この選挙区には小沢氏が地元の候補者を立てることは間違いな
く、それに勝てる候補者は平野氏しかいないと読んだのです。し
かし、平野氏は何とか民主党で勝てないかと分析したのですが、
無理と判断し、結局民主党を離党し、無所属で出ると宣言したの
です。そして、二階氏と連絡を取り、選挙に勝利すれば自民党に
入れて欲しいと要求し、了解をとったと思われるのです。
自民党内では、麻生財務相が二階氏の考え方に同調していると
いわれます。麻生氏は検察による小沢潰しにも関与したフシがあ
り、それに政権交代された恨みもあり、小沢氏の岩手王国を潰し
てやるという気持ちもあったのでしょう。
しかし、これに一貫して反対の姿勢をとっているのは、石破幹
事長であり、何回も次のように明言しています。
―――――――――――――――――――――――――――――
平野達男氏が無所属で当選して、自民党に入ることは断じてあ
り得ない。 ──石破自民党幹事長
―――――――――――――――――――――――――――――
岩手県は被災地で、復興のために財源が必要であり、与党の議
員を立てたいのです。自民党の候補者はいますが、田中氏は素人
であり、どれほど活躍ができるか疑問符がつきます。
その点平野氏は直前まで復興大臣を務めており、現地の事情が
わかっているし、旧知の間柄でもあるので、県議としては、何か
と相談しやすいという事情もあるのです。まして、自民党入りが
決まっているのであれば、本当は生活の党に回す票を平野氏に集
める方が得策である──そのように考えたものと思われます。
それに小沢氏は衆院選でも惨敗して力が弱っている。おそらく
参院選でも勝てず、その力には陰りが見られる──今が(小沢氏
を裏切る)チャンスだと判断したものと思われます。
いずれにしてもこういう事態になったのは、小沢氏が国民との
約束は破れないとスジを通して離党せざるを得なかったことや、
検察との戦いや、衆院選挙の不意打ちを食って惨敗し、小沢陣営
の力が衰えたので、こういうことになったのです。
しかし、小沢氏は一向にひるんでいないのです。それは彼が心
血を注いで作った小選挙区制があるからです。小沢氏はあるイン
タビューで次のようにいっています。
―――――――――――――――――――――――――――――
(次の選挙で変わる)そういう選挙制度にしたのですよ。一党
で権力を持ち続けるのはいけない。政権与党がいい加減な政治
をすればいつでも野党にとって代わられる。そういう緊張感の
中で、政党がお互い競い合って良い政治を実現する。それが民
主主義だということです。だから、ちょっとの得票でもって政
権交代できるようにと。その中でだんだん大人になっていけば
いいと。 ──宮崎学/辻恵/青木理著/角川書店
『政権崩壊/民主党政権とはなんだったのか』
―――――――――――――――――――――――――――――
政治は裏切りの世界です。これまでも、二階、野田、小池氏な
ど、多くの政治家が小沢氏のもとを去っていますが、別に小沢氏
があの「杉下右京」のように、人材の墓場ではないのです。去っ
て行く人にも問題があるのです。これについては、改めて述べる
機会があると思います。 ── [自民党でいいのか/18]
≪画像および関連情報≫
●「平野氏は小沢系」/他党「負け惜しみ」
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達増岩手県知事は7月22日の記者会見で、参院選岩手選挙
区で3選した平野達男氏を「小沢系」とする見方を示した。
知事は、生活の党の小沢一郎代表の支持基盤が平野氏や民主
党との間で3分裂したことを踏まえ、「小沢系から3人が立
候補し、うち1人が当選したとも見られる」と述べた。平野
氏や民主候補が、小沢氏の支持者だった有権者から票を得て
いることに皮肉を込めた発言とみられるが、選挙中に小沢氏
の全面支援を受けた生活候補は大差で落選。平野氏も、小沢
氏との連携は明確に否定しており、他党からは「単なる負け
惜しみだ」(自民県議)と冷ややかな声が漏れた。また、知
事は「復興を強く願う県民の思いが(平野氏当選の)背景に
ある。それぞれの党に呼びかけ、一致協力して復興を進めて
いきたい」と語った。
──2013年7月23日付、読売新聞
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