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2013/7/24 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
自公独裁永久政権の誕生をもたらした今回参院選。陰謀の主役は民主党を壊した菅直人と野田佳彦に帰結する
今度の参院選、自公が圧勝し、ついに国民無視の圧政が始まることになった。
嘆かわしい限りだが、これが選挙結果だからしょうがない。とはいえ、この事態を招いたのは誰のせいなのか。その検証が必要だ。
今度の選挙結果はひと言で言えば、民主主義を死滅させるものだ。有権者が「ねじれ解消」なんて甘言にだまされた結果、参院は衆院のカーボンコピーとなり、どんな法案でも自動成立の事態となった。
民主主義を破壊させた「悪魔」は一体、誰なのか。
筆頭に挙げられるのは民主党をぶっ壊した菅直人元首相や野田佳彦前首相だ。有権者は民主党政権に失望し、政治に対する興味を失った。戦後ワースト3の低投票率が自公独裁を招いたのは歴然だ。なぜ、民主党はかくも嫌われたのか。生活者重視というアイでンティティーを失ったからだ。海江田代表は盛んに生活者重視を強調していたが、有権者には響かなかった。
なぜかといえば、もっとも生活者重視を唱えていた小沢一派を追い出し、消費増税で3党合意という史上最悪の愚挙を演じたからだ。それで衆院選で惨敗したのに、いまなお、野田政権の残党が幅を利かせ、参院選の街頭に立ち、支持を訴えたからである。その感覚に有権者は心底、呆れた。結果、民主党を完膚なきまでに叩き潰す。それが民意になってしまったのである。
「安倍政権が暴走した時、それに歯止めをかけ、取って代わる勢力すらいない。野党の衰退により、この国の政党政治はすっかり形骸化してしまいましたが、それもこれも、すべての責任は民主党の菅直人や野田佳彦といった“反小沢派”に帰結します。民主党政権の3年間で、よってたかって党内の小沢一派を潰した。2大政党制を担うべき政党の内部分裂が、この国の政治を決定的におかしくしたのです」(政治評論家・本澤二郎氏)
◆反小沢派の罪は万死に値する
09年総選挙で政権交代が実現した時、多くの国民はやっと「生活者重視」の政治が行われると期待した。その国民の希望をあっけなく絶望に変えたのが、反小沢派の面々だ。菅は原発事故の真相を隠蔽し、官僚に操られた野田は消費税アップに邁(まい)進(しん)した。完全に自民悪政のカーボンコピーに成り果てたのに、反省もない。小沢は最後まで「国民生活が第一」を掲げて抵抗したが、結局、離党を余儀なくされ、今回はついに議席ゼロになった。
これはシンボリックな出来事だ。かつては小沢個人で500万票を稼いだのに、今回は100万票も取れなかった。
それはなぜか。民主党のパージもひどいが、要するに既得権益にどっぷりつかっている連中がよってたかって、小沢を潰したのである。そうやって、民主党の内部分裂を煽(あお)って、自民党政治に戻させた。そういうことだ。その主役は誰なのかは、今、安倍政権になって得をしている連中を見れば一目瞭然というものだ。
「安倍政権になって、政官財癒着の『利権政治』も確実に息を吹き返します。安倍政権は財界の口車に乗って、原発事故の反省もないまま、再稼働や海外輸出に前のめりです。自民党は参院選直前にゼネコンの業界団体に4億7100万円もの献金を要請しています。腐敗の発芽は歴然ですから、余計に野党勢力の無力が腹立たしくなります」(本澤二郎氏=前出)
電力業界に代表される既得権益者。それが民主主義を壊した第2の悪魔である。
◆成熟した民主主義を阻む無数の悪魔たち
悪魔を列挙すれば、第3の悪魔、第4の悪魔、第5の悪魔もいる。厳しい言い方をすれば、小沢一郎もそのひとりだろう。陸山会事件は冤罪だったが、小沢といえば、金に汚いというイメージがあった。それを民主党の反小沢一派と、これまた反小沢の大メディアが目いっぱい“利用”した。小沢の不徳もあるだろう。
かつて、自民党の野中広務元幹事長は小沢と組む際、「悪魔にひれ伏してでも」と言った。その意味では、小沢もまた、自公独裁を招いた悪魔のひとりとして、カウントされるべきだし、もうひとりは間違いなく、野党共闘を混乱させた橋下維新という集団だ。
改憲賛成を掲げ、一時は安倍を担ごうとした一派があろうことか、野党ヅラしたのである。結果、みんなの党は協力を解消、野党共闘も進まず、自公の不戦勝をもたらした。自民党別動隊は歴然だし、今後は改憲勢力として、安倍の補完勢力になるのだろう。これまた有権者をシラケさせたA級戦犯なのである。
第5の悪魔は、この国の移り気な「無党派層」だ。彼らは小沢潰しに拍手喝采を送って、小沢パージに協力した。「国民生活が第一」を掲げる小沢を排除し、市場至上主義を掲げ、格差拡大を“容認”する新自由主義政権、安倍を支持したのだから、アホである。
こんな連中が結構、橋下維新を支持していたのだから、ますます、絶望的になってしまう。
大阪府の役人や教育委員会など次々と「仮想敵」をつくり、ケンカを売る「橋下劇場」を面白がった単細胞。それがこの国の無党派層だ。そんな連中が有権者の半分以上いるのだから、これじゃあ「成熟した民主主義」なんて夢物語だ。
◆「今のカネ」に飛びつく愚劣な民意
「ここ数年、無党派層は落ち目になった権力者を痛めつけ、その様子を面白がっているだけのように映ります。自民党の下野に始まり、小沢潰し、民主党への過剰な憎悪にいたるまで、一種のイジメのような感覚が透けて見えます。彼らの価値観は『面白ければそれでいい』。『落ち目の人物をいじめるのは楽しい。もっとやれ』という刹那的な感情なのでしょう。政治的な思想や理念、長期的な思考など持ち合わせていない無党派層が跋(ばつ)扈(こ)しているのには怖くなります」(政治評論家・森田実氏)
今度の参院選で安倍自民の圧勝を支えたのも無党派層だ。政治に無関心な無党派層が棄権したため、投票率は約52%に低迷した。
有権者の半数が棄権した選挙で、自民の比例得票率は約35%。つまり全有権者の17%程度の支持しか得ていないのに、自民の議席は圧倒的多数を占めた。
一部の無党派層はアベノミクスを支持して自民に投じたのだろうが、バカだ。
筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)はこう言う。
「無党派層の中心は20〜30代の若い人々。『失われた20年』で雇用を奪われ、満足な仕事も与えられなかった世代です。3割以上が非正規雇用で、平均年収は300万円以下という不安定な生活を強いられています。苦しい生活が続けば、政治に『未来の豊かさより、今のカネ』を求め出す。メディアが『アベノミクスで景気回復』というムードを煽ったので、何となく支持したのでしょう。しかし、異次元緩和は間違いなく、将来に禍根を残す金融実験だし、単なるバクチ政策に過ぎない。それでも、彼らは『今のカネ』という幻想に飛びついたのです。彼らは『決められる政治』が景気を良くすると誤解した。『決められる政治』とは平たく言えば『独裁』です。職場も希望もカネもない人々がアベノミクスに熱狂し、安倍政権に独裁を求めたのですから、この国は救われません」
本当に救われない話ばかりだ。自民党政権にノーを突きつけた有権者の失望、絶望、その裏にあった小沢潰しの謀略と、小沢のワキの甘さを考えると、この選挙結果は必然なのだが、この国の未来は絶望的に思えてくる。
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