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参議院選挙の翌日(22日)夜7時半からNHK総合テレビで放送された政党討論会での石破氏の発言とそれを看過した他の政党の参加者に唖然とさせられた。
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討論会の後半で行われた視聴者の質問に答えるコーナーの一部:
NHK女性アナウンサー:「石破さん、原発再稼働して、また福島のような事故が起きたら誰が責任とるんですか?・・・・」(※視聴者から寄せられた質問を読んだもの)
石破自民党幹事長:「安全、安心が確認されなければ再稼働はいたしません。それは、今まで神話のなかにつかってきたという反省が私たちにあります。そもそも動かしたときの原子力賠償法からそうですね。ですから、安全、安心が確認されないものはやらないということです。確認されたものは動かします。それで事故が起こった場合には、それは国家として責任をとるべきものなのでしょう。それはそういうものだと私は思います。民間企業の責任にすることにはならない。国家がきちんと責任をとることは必要なことです。・・・・」
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こういうことを平然と言い放つ石破氏が政権与党中枢自民党の幹事長であることに愕然とするし、そのような政治家を幹事長という要職に据えている自民党が打ち出す憲法改正に乗ることはできないと強く思っている。
さらに言えば、原発再稼働問題に関する視聴者からの質問に二重の意味で異様な回答をした石破氏をどの政党も批判せず看過したことにもゲンナリした。
二重に意味で異様な回答というのは、
● 質問者の主旨(意図)を理解していないと思われる頓珍漢な回答
質問者は、原発の事故リスクをゼロにすることはできないはずという思いを抱き、福島の惨状を目の当たりにし、再び同じような事故を起こしたとき、再稼働(原発存続)を決めた政治家たちはどのように責任をとるのか(とることはできないはずだ)という主旨の質問と解釈するのが妥当であろう。
別の言い方をすれば、原発再稼働という政策判断に動いた政治家は、その結果起きた過酷事故に対しどのように責任をとるつもりなのか、最低限その覚悟を示してくれよというものだろう。
石破氏が答えるべきは、「国家が責任をとる」といった曖昧模糊としたいい加減な内容ではなく、原発再稼働を言明している自民党に多数派の地位を与えた国民が責任をとることになるとか、石破氏自身を含み再稼働に動いた政治家は一身のみならず既に自身が死んでいる場合は血を引く一族郎党が死と資産をもって償う覚悟があるといったものであろう。
石破発言でぎりぎり評価できるのは、“安全を確認してから再稼働するから福島のような事故は起きえない”といったデタラメなゴマカシで済まさずに、原発は存在する限り福島のような悲惨な事故が再び起きる可能性があることを間接的ながら認めたことだ。
● 国民世論を無視して再稼働に動きながら結果責任を国家(国民)に押し付けることを是とする回答
石破氏も当然知っているはずだが、原発再稼働に反対する声は、どの世論調査でも過半数を超えている。(80%近くが原発の再稼働に反対という世論調査結果が多い)
政府与党は、国民主権の日本において、国民多数が反対する原発再稼働を強引に推し進めようとしている。
そして、石破自民党幹事長は、そのようなごり押しの結果起きた事故についても、「国家が責任をとる」べきと語ったのである。
「国家が責任をとる」と語ったところで、抽象概念的実体である国家を死刑に処することもできなければ、国民の負担なく中央政府が損害賠償を行えるわけでもない。
国民主権の民主主義国家日本において「国家が責任をとる」というのは、「国民が責任をとる」ということを意味する。
(石破氏など奇妙な保守派や右派は、国家と中央政府を混同しているフシも見受けられるかが、今回のテーマでは混同していても似た解釈ができる)
石破氏は、詰まるところ、権力的に原発存続に動いた生身の人間は責任を問われることもとることもなく、国政選挙でそのような政治勢力に多数を与えた国民が責任をとるしかないと言っているのである。
こんな無責任な考え方をする政治家を幹事長に据えている政党を中心とした政府に、権力を行使してもらいたくないとも思うが、何より、憲法改正や原発存続には動いてもらいたくないと思う。
それにしても、このような石破発言に対し、同席していた公明党・維新の会・みんなの党・共産党・生活の党・社民党のどこからも、発言内容の確認を求める声さえ上がらなかったことにびっくりした。
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