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参院選の公約で自民党は「中国、韓国との関係の発展」に努めるとしていた。歴史認識や領土をめぐり悪化した関係をどう修復するのか。安倍晋三首相にとって重い課題だ。
中韓両国とも首脳会談を開けない状態が続いている。沖縄県・尖閣諸島をめぐり対立する中国とは外相会談も持てていない。
選挙後の記者会見で首相は、経済を最優先に政権運営することを強調し、外交問題への言及は乏しかった。日中関係を「最も重要な2国間関係の一つ」と述べ、外相や首脳の会談を行うべきだとの考えを示したものの、実現の道筋には触れていない。
中国は、会談を受ける条件として、尖閣をめぐって領有権問題が存在すると日本が認めるよう要求している。深い溝があるにもかかわらず、首相は「対話のドアは開いている」と、これまでの主張を繰り返すにとどまった。
一方で、集団的自衛権を行使するための憲法解釈の見直しに意欲をにじませた。今は、9条の許す範囲を超えており認められないとされている。容認に向け、首相は有識者懇談会での議論を進めるとともに、公明党の理解を得る努力を重ねたいとした。
中国や韓国は、自民党の参院選圧勝で改憲などの「安倍色」が強まることを警戒している。首相の変わらぬ姿勢が近隣諸国との緊張をさらに高めないか心配だ。関係改善に本当に取り組む気があるのか、疑いたくなる。
政府が年内に定める新しい「防衛計画の大綱」も周辺国を刺激しかねない。離島防衛を強化するため自衛隊に水陸両用部隊を設けて海兵隊機能を持たせることや、武器禁輸政策の抜本見直しなどが取りざたされている。
離島防衛は、尖閣周辺で相次ぐ中国船の領海侵入を踏まえたものだ。武器輸出には、東南アジア諸国に日本の防衛技術を売り込んで対中包囲網づくりに役立てたい思惑も垣間見える。
中韓との対立が続き、東アジアで孤立するようだと日本にとってマイナスになる。経済や、北朝鮮による拉致問題の解決のためにも連携が欠かせない。両国との関係改善に向けた安倍政権の取り組みは米国も注視している。
世論が内向きになりがちな状況は、日中韓とも共通している。緊張緩和は一筋縄ではいかないとしても、悪化した関係をこのままにはできない。政権基盤の安定を機に、東アジア外交の立て直しに本腰を入れてもらいたい。
http://www.shinmai.co.jp/news/20130724/KT130723ETI090007000.php
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