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「内部の敵」とは何か 〜参議院選挙を終えて〜
投稿日:2013年7月23日
鬱陶しい、歴史的な夏になった。
第23回参院選の投票率(選挙区)は、52.61%だった。
前回平成22年参院選の57.92%を5.31ポイントも下回った。
参院選としては、マスメディアの誘導通りに過去3番目の低投票率を実現した。マスメディアは自公の勝利に貢献した。
参議院選挙の獲得議席数は以下の通りである。( )内は新勢力
自民 65(115 ) +31
公明 11(20 ) +1
民主 17(59 ) −27
維新 8(9 ) +6
みんな 8(18 ) +5
生活 0(2 ) −6
共産 8(11 ) +5
社民 1(3 ) −1
みどり 0(0 ) −4
その他 1(2 ) −2
無所属 2(2 ) −3
自民党は31議席増やし、過去最多の65議席が当選した。
この結果、公明党を加えると、参院過半数(122議席)を確保した。同時に参院審議を主導できる安定多数(129議席)も確保した。
改憲には衆参各院で総議員の3分の2以上の賛成で発議し、国民投票で過半数の賛成が必要になる。
今回の参院選で、憲法改正を発議するために必要な3分の2以上の勢力には、非改選を合わせても届かなかった。
しかし自民党と連立を組む公明党が加われば、3分の2は超える。
わたしは最終的に公明党は自民党の改憲に同調するとみている。
自公両党は、すでに切っても切れない構造的な関係になっている。消費税増税にも、最後は公明党も賛成している。
一部の政治評論家が連立の中での公明党のブレーキ役に期待しているが、幻想にすぎない。
公明党は、自民党に悪政をやらせ、選挙で勝たせるアクセル役なのである。
公明党がいるからこそ、自民党は落選を恐れることがなく、悪政を行うことができるのだ。
公明党が憲法改悪をめぐって自民党から離れて行くこともない、とわたしはみている。
それが権力の旨味であり、この旨味をいちど知ったからには、現世利益の公明党が離れて行くことはないだろう。
民主党内には改憲に積極的な議員がいるが、改憲で民主党の分裂や分党に及ぶ可能性は小さいのではないか。
民主党は結党以来最低となる17議席の惨敗。27議席も失った。1人区では全敗。後で述べるが、民主党は日本を滅ぼす死に神政党である。
昨年の衆院選で躍進した日本維新の会(改選数2)は、6議席増やして8議席に。
みんなの党(改選数3)は、5議席増やして8議席にした。
社民党は1議席減らして1議席当選。
共産党は改選議席を5議席増やして、議席を倍増させた。過去最多の8議席を獲得した。
社共で明暗を分けた形である。
生活の党、みどりの風は議席を獲得できなかった。
さて、嫌なことは続くもので、朝起きたら比例選で、「ワタミ」の渡辺美樹が当選していた。
ワタミは10万に届かず当選。三宅洋平は17万とって落選している。公明党で最下位当選は新妻秀規の2万6千だ。
システムを無視して単純に比例の獲得数を生活の党立候補者に見てみると、以下のとおりだ。
山岡賢次 5万6,000
三宅雪子 3万8,000
広野ただし 3万5,000
藤原良信 3万4,000
東祥三 3万2,000
はたともこ 2万1,000
6人の立候補者内5人が新妻を超えている。山岡に至っては倍以上の得票で落選になっている。比例とは言いながら、明らかに大政党に有利なシステムになっている。
ところで、今、大切なことは沈黙しないこと。語り続けること。表現し続けること。
昨日(投票日の7月21日)、孫崎享が次のようにツイートしていた。
「2013年7月21日:後世の歴史家は日本崩壊を担保する日と記憶するだろう。再び原発事故を招く再稼働にGO、主権を侵害するTPPにGO、米国の傭兵的に自衛隊の海外戦闘を行えるようにする集団的自衛権にGO、を国民が容認した日とするだろう。でも歴史家は国民の愚行選択の説明は不可能だろう」
(引用終わり)
深いのは「歴史家は国民の愚行選択の説明は不可能だろう」の一言だ。
国民は、なぜこんな愚かな選択をしたのか。
この質問は、日本の旅行者がよく外国でされるようだ。日本政府はなぜ国民の声を聞かないのか。日本のメディアはなぜ国民の側に立たないのか。日本国民はなぜ黙っているのか。
わたしにいわせれば答えははっきりしている。国民の政治的民度が低く、かてて加えて世界最強の御用メディアが存在し、国民を常に洗脳し、既得権益支配層のために誘導するからである。愚民化の成功の結果が、この愚行選択だったのである。
小沢一郎の立場は非常に苦しくなったと思われる。理由は次の3点である。
1 国民の、生活の党を見る角度が、民主党と重なっていることが明確になったこと。
2 生活の党の後継者である森ゆうこを初め6人全員が落選したこと。
3 足元の岩手選挙区で平野達男が当選したこと。
国民は、民主党と生活の党の違いがわかっていない。生活の党がなぜ民主党を離党したのか、理解していない。
小沢一郎たちは、民主党が政権を獲得した09年の選挙の際、国民に約束したマニフェストを大事にし、とりわけ消費税増税を実施しようとする菅直人、野田佳彦らに反対し、離党したのである。
わかりやすくいえば国民との約束を大切にし、消費税増税から国民を守るために離党したのである。
しかし国民はそこを理解できていない。せいぜい小沢一郎が執行部の足を引っ張り、民主党揉め事の元凶である、程度の認識だろう。
生活の党の、落選した6人の立候補者は、どの人物も優れた政治家であり、国民の生活を守ってくれる盾のような人材であった。かれらの思いは、国民に届かなかった。そこはなんともやるせないところだ。
森ゆうこは生活の党の後継者であり、小沢の引退を可能にしてくれる唯一の政治家であった。
この人物が落選したため、小沢は引退さえ閉ざされた可能性がある。これは非常に残酷なことだ。
小沢王国の岩手では、生活の党の関根敏伸が落選した。当選したのは、民主党を離党して一時自民党に接近する姿勢を見せた平野達男である。ここでも小沢は引退を閉ざされた形だ。
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