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茶色に染まり始めた朝(東京新聞 私説・論説室)と、宮崎駿監督の寄稿文掲載ジブリ『熱風』7月号特集 緊急PDF配信
『茶色の朝(Matin Brun)』フランク・パブロフ著(Franck Pavloff)
茶色に染まり始めた朝(東京新聞 私説・論説室)
2013年3月20日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2013032002000124.html
「事なかれ主義」がファシズム台頭を許すと警鐘を鳴らし、フランスでベストセラー、多くの国でも翻訳された短編寓話(ぐうわ)『茶色の朝』。作者のフランク・パブロフ氏を仏グルノーブル市の自宅に訪ねたのは、邦訳が出版された九年前のこと。欧州で移民排斥など右傾化の嵐が吹き荒れ、日本も教科書検定問題など息苦しさが漂う時期だった。
“茶色”とはナチスの象徴の色だ。あらすじはこうだった。ある日、毛が茶色以外のペットは法律で禁止された。これを批判した新聞が廃刊となり、本や服装、政党名に茶色が強制されていく。しかし、不自由のない日々だからと声を上げないでいると、過去に茶色以外のペットを飼った者まで逮捕される法律ができ、主人公に危険が迫る…。
パブロフ氏は諭すように解説してくれた。民主主義を花瓶に例えて「少しだけ欠けたのをほっておくと、ひびはだんだん大きくなる。まあいいかと思っていると、いつの間にか割れてしまう」。毎朝起きたら注意を払い、時には行動しないと守れないものだ、と。
そう、夏の参院選まではタカ派色を隠し、「国のかたち」を変えにかかるのは選挙後だろうと油断していると…。武器輸出三原則は例外の積み重ねですでに骨抜きに。集団的自衛権行使を模索する動きも、自衛隊の国防軍への改編や交戦権を認める新憲法づくりも、この国ではもう相当に前のめりなのだ。 (久原穏)
『憲法変えるなどもってのほか』宮崎駿監督の寄稿文 抜粋 2013年7月19日 13時22分
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2013071990132246.html
憲法を変えることについては、反対に決まっています。選挙をやれば得票率も投票率も低い、そういう政府がどさくさに紛れて、思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほかです。本当にそう思います。
法的には96条の条項を変えて、その後にどうこうするというのでも成り立つのかもしれないけれど、それは詐欺です。やってはいけないことです。国の将来を決定していくことですから、できるだけ多数の人間たちの意見を反映したものにしなきゃいけない。多数であれば正しいなんてことは全然思っていないけれど、変えるためにはちゃんとした論議をしなければいけない。
それなのに今は、ちょっと本音を漏らして大騒ぎを起こすと、うやむやに誤魔化(ごまか)して「いや、そういう意味じゃないんだ」みたいなことを言っている。それを見るにつけ、政府のトップや政党のトップたちの歴史感覚のなさや定見のなさには、呆(あき)れるばかりです。考えの足りない人間が憲法なんかいじらないほうがいい。(中略)
もちろん、憲法9条と照らし合わせると、自衛隊はいかにもおかしい。おかしいけれど、そのほうがいい。国防軍にしないほうがいい。職業軍人なんて役人の大軍で本当にくだらなくなるんだから。今、自衛隊があちこちの災害に出動しているのを見ると、やっぱりこれはいいものだと思います。隊員たちはよくやっていて、礼儀正しい。イラクに行かざるを得なくなっても、一発も撃たず、ひとりも殺しもせず帰って来ました。僕は立派だったと思います。
湾岸戦争後にペルシャ湾に掃海艇を出さざるを得なかったけど、機雷のなさそうな海域を黙々と掃海して、小さな船です、大変だったと思いますが、静かに帰って来ました。僕はだまっていましたが、感動していました。
もし本当に戦火が起こるようなことがあったら、ちゃんとその時に考えて、憲法条項を変えるか変えないかはわからないけれど、とにかく自衛のために活動しようということにすればいいんです。立ち上がりは絶対遅れるけれど、自分からは手を出さない、過剰に守らない。そうしないと、本当にこの国の人たちは国際政治に慣れてないからすぐ手玉に取られてしまいます。もし戦争になるとしても、そのほうがまだましだと考えます。(中略)
とにかく、今までこれだけ嘘(うそ)ついてきたんだから、つき続けたほうがいいと思ってます。整合性を求める人たちはそうすることで「戦前の日本は悪くなかった」と言いたいのかもしれないけれど、悪かったんですよ。それは認めなきゃダメです。慰安婦の問題も、それぞれの民族の誇りの問題だから、きちんと謝罪してちゃんと賠償すべきです。領土問題は、半分に分けるか、あるいは「両方で管理しましょう」という提案をする。この問題はどんなに揉(も)めても、国際司法裁判所に提訴しても収まるはずがありません。
かつて日本が膨張したように、膨張する国もあります。でも、その度に戦争をするわけにはいかない。そんなことよりも、今は、日本の産業構造を変えていこうというまじめな取り組みをすべきだと本当に思いますよ。こんな原発だらけの国で戦争なんかできっこないじゃないですか。中国が膨張しているのは中国の内発的な問題です。そして、中国内の矛盾は今や世界の矛盾ですから、ただ軍備を増強したり、国防軍にすればけりがつくなんていう問題じゃないと僕は思います。
=スタジオジブリの小冊子「熱風」より抜粋
↑上記宮崎駿監督の寄稿文抜粋の↓全文(9頁)と他の方の寄稿文3本所収の『熱風』2013年7月号特集(全28頁)を無料配信しています。
2013年7月18日
小冊子『熱風』7月号特集 緊急PDF配信のお知らせ
http://www.ghibli.jp/10info/009354.html
http://megalodon.jp/2013-0722-1609-39/www.ghibli.jp/10info/009354.html
『熱風』7月号の特集は「憲法改正」です。
この問題に対する意識の高さを反映したためか、7月号は多くのメディアで紹介され、編集部には「読んでみたい」というたくさんの問い合わせがありました。
しかし取扱書店では品切れのところが多く、入手は難しいようです。今回編集部では、このような状況を鑑みて、インターネットで、特集の原稿4本を全文緊急配信することに決定しました。
ダウンロードは無料、配信期間は8月20日18時までです。
『熱風』2013年7月号特集「憲法改正」(852KB)
http://www.ghibli.jp/docs/0718kenpo.pdf
◆配信期間は本日より、2013年8月20日、18:00までとします。
◆無断転載を禁止します。
◆編集部では、ダウンロードについてのテクニカルな質問にはお答えできません。
◆本件についてのお問い合わせは、こちらまでお願いします。
book-ghibli@ghibli.jp
『茶色の朝(Matin Brun)』フランク・パブロフ著(Franck Pavloff)
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