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2013-07-23 陽光堂主人の読書日記
ねじれが解消されたら、当然のことながら安倍政権は牙を剥くことになります。選挙直後の昨日、早速「戦争ができる国」に向けて舵を切り始めました。
念願の憲法改正が手間取ると見るや否や、集団的自衛権行使の解釈変更によって実質的に第9条を骨抜きにする作戦に出ました。東京新聞は、本日付で次のように報じています。
(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013072302000107.html)
事実上の改憲 国民関与できず 政権判断で可能
安倍晋三首相は参院選から一夜明けた二十二日、持論の改憲について慎重に議論していく考えを示した。改憲を掲げる自民党、みんなの党、日本維新の会の三党で直ちに発議できる議席を得られなかったためだ。一方で、集団的自衛権の行使を禁じた政府の憲法解釈の変更に意欲を見せた。憲法解釈の見直しは政権の判断だけで可能。国民が関与できないところで、事実上の改憲を進めようとしている。(生島章弘)
首相は二十二日の記者会見で、改憲について「腰を落ち着けてじっくりと進める」と述べた。改憲の発議要件を緩和する九六条改憲を先行させるという持論も「(発議に必要な)三分の二を構成できるものは何かということも踏まえて考えたい」と柔軟に見直す考えを示した。
憲法を変えるには、衆参両院で三分の二以上の賛成を得て国民に発議し、国民投票で過半数の賛成が必要。既に衆院では改憲派の三党で三分の二以上を占めるため、今回の選挙で百議席を得れば、非改選議員も含めて参院でも三分の二を占め、発議が可能となったが、そこまでの議席は得られなかった。
だが、自民党は圧勝し、衆参両院で与党が過半数を占めた。改憲発議の環境は整わなかったが、法案は与党だけで成立できるようになった。これによって集団的自衛権の行使に向けた政府解釈の変更もしやすくなった。
首相は近く再開する有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」からの提言に基づく形で、憲法解釈を変更する閣議決定に踏み切るシナリオを描く。政府解釈を変更するのは、実際に条文を変えるのとは異なり、安倍内閣の判断だけで決められる。
首相は二十二日の記者会見で「ただ解釈を変えればいいというものではない。法的な裏付けも必要だ」と指摘。具体的に集団的自衛権を行使するケースや条件を定めた国家安全保障基本法の制定を目指す考えを示した。
連立政権を組み、集団的自衛権の行使容認に否定的な公明党の抵抗が予想されるが、それをクリアすれば、成立は可能。改憲しないのに平和憲法が変質することになる。 (下線は引用者による)
こういう手がありますから、自民党を勝たせてはいけなかったのです。ねじれが解消したので、国家安全保障基本法は制定されることでしょう。有識者会議は最初から結論ありきなので、政府解釈の変更にお墨付きを与えるに決まっています。
新自由主義は米国の軍事力によって担保されていますが、金欠の米国は国防予算を削らざるを得ません。米軍の役割を一部自衛隊に肩代わりさせることができないかということで、安倍政権はその要求に応えようとしているのです。
米国流の新自由主義の実態は、軍事力を背景とした「カツアゲ」ですが、米国には金がなく、米軍の評判は著しく悪い。そこで日本に金と人を出させ、米国企業の用心棒として使おうという魂胆なのです。
まともな日本人なら皆拒否するでしょうから、石破は「死刑にする」と恫喝しているのです。若者を非正規に追い込んでいるのも、徴兵に応じやすくするための遠謀と思われます。
与党が勝てばこうなることは判り切っていたのですから、自民党に一票を投じた人の罪は重いと言わざるを得ません。目先の事しか考えない人が余りにも多過ぎます。
過去の失敗からきちんと学んでいれば、こんなことにならなかったはずです。先の大戦や、明治維新以来の本当の歴史に蓋をして来たツケが回って来たわけです。(これはもちろん、中韓が政治的に振り回す「正しい歴史認識」とは異なります。歴史に向き合っていないという点では、彼らの方が先輩格です)
賢者は失敗から学び、愚者は何度も同じ過ちを繰り返します。愚かな国民は亡ぶしかないのかも知れません。
- 湾岸戦争後の日本の安全保障論議に関する一考察 −小沢一郎・自由党党首の安全保障論を巡って− 無段活用 2013/7/23 17:48:44
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