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日本とアジアにとって、重大な局面を迎えている中での大事な参院選挙を、有権者の多くが棄権した。投票率は52%前後だ。昨年暮れの衆議院選挙とほとんど変わりない。自民党が圧勝する予想通りの結果である。これによって日本人も隣国・アジアの民も、天皇制国家主義という政教一致の異様な亡霊政治に翻弄されることになろう。
<平和憲法が本当に危ない>
参院選結果は、予想通りの結果に落ち着いて異変は起きなかった。素人でも驚かない結果の背景には、真面目な多くの国民がそっぽを向いたからである。2009年の革命的選挙を、民主党が成果を示すどころか、福島の史上最悪の原発事件の真相に蓋を懸け、公約を破って10%消費税を強行、有権者をとことん裏切った、その延長線上の選挙だったからである。
投票したい政党が無い。野党は小党乱立だ。自公の圧勝を用意した選挙でもあった。それを新聞テレビが追認・宣伝した。「民主党から共産党の党首を牢にぶち込みたい」という庶民の怒りの声もわかる。体調が壊れているような石原慎太郎は、それでも「改憲の流れが出来た」と安倍を激励した。天皇制国家主義が平和憲法に襲いかかってくる。これをどう防いでいくのか、が平和と友好を願う日本人とアジア人の双肩にかかっている。
<護憲野党は一枚岩に>
今回の選挙で非常に残念でならなかったのは、9条死守の小党が結束することが出来なかったことである。大局を見つめることのできない日本の政治屋には、本当に腹が立つ。口では歴史認識で、隣国に歩調を合わせながらも、心の底は怪しい。今から出来ることは、平和憲法を守る活動について、護憲野党は一枚岩になって、一丸となって国家主義に立ち向かう責任があるのだ。
議会内から外へと戦いの場を拡大してゆく。市民運動の中に入り込んでゆく。覚醒した市民の力はあなどりがたい。不正選挙追放のために、東京選挙区から出馬した勇敢な市民もいた。検察審査会にメスを入れた新潟の女性候補もいる。反TPPで保守の岩盤に挑戦した女性もいた。戦える駒は列島に沢山いる。読売・産経がいくら詐術を用いて、9条改憲を煽っても、国民の半数は戦争する日本改造に抵抗している。泉下で宇都宮徳馬が「日本人の平和主義を見せつけるのは、これからだよ」と激励してくれている。
<国民も街頭へ>
国家主義旋風の中で、医療費や介護保険の負担は倍増しているらしい。黒田・日銀の円札刷りは、庶民の懐に入ることはない。油断していると、武器弾薬を製造する財閥へと注入されていく。急激な円安政策で輸入品が家計を直撃している。安心して車にも乗れなくなっている。廃車を考える市民も出てきている。
アベノミクスならぬアベノリスクが、いよいよ本格化する秋の政局が始まる。人間が操作不能の悪魔の原発売り込みに駆けずり回る安倍外交が、また始動するだろう。政教一致の象徴である8・15靖国参拝も実現しかねない。隣国との関係悪化を、9条解体へと持ちこもうとする安倍や石原だ。これら庶民いじめの安倍の内外政策を、少しでも防戦する局面に国民一人一人が立たされている。ここはじっとしてはいられないだろう。街頭へと出て怒りを叫ぶことになろう。
<新聞テレビに抵抗>
庶民の怒りは、国家主義を批判しない新聞テレビにも向くはずである。国民に奉仕しないマスコミ、安倍の広報に走る新聞テレビを、既にネット新聞では公然化している。この流れは強くなろう。直接、新聞テレビの編集責任者への抗議活動も表面化するだろう。これらの活動は、古くから一部の政党や団体でも行われてきた。それが大衆レベルで行われる可能性が出てきた。
<NHK不払い運動>
政府による世論操作の最前線基地でもあるNHKにも、庶民の怒りは盛り上がっている。ネット新聞には、不払いの方法を教えるものも少なくない。財閥や政府の味方であるNHKは、イギリスのBBCではない。選挙ボイコット派は、世の中の動きをしっかりと見つめている。ここを政治屋・役人は軽視してはならない。経済が崩れると、大衆は予想外の行動に出るものである。アメリカでは、多くの自治体が破産、もしくは破産状態に置かれているが、そこでは犯罪が多発している。家計が崩壊する中での、NHKの高給に人々の目は厳しくなっている。それは政治屋・役人・金貸しにも向けられている。これからの警察官は命がけになろうか。国家主義の発動は、国民を分裂させ、かつ過激にさせる。安倍や石原には、こうした事態など想像さえも出来ないだろうが。
<日本人とアジア人の連帯>
国家主義の台頭は、米中韓首脳の蜜月ぶりを表面化させたが、これは民間・市民レベルでも起きてくるだろう。平和と友好を愛する日本人に、隣国人やアジアの民が、進んで連帯してくるだろう。明治・大正・昭和の天皇制国家主義の爪跡を、アジアの人民も政府も記憶している。決して忘れることはない。政教一致の戦前の政治体制は、戦後秩序の否定を意味するからである。
石原の憲法破棄宣言、安倍の靖国参拝・侵略否定論・東京裁判否定論も、全て神がかりの政治論と直結している。神社・神道はいまだ戦争責任について、反省も謝罪もしていない。自民圧勝・自公政権の行方は、北東アジアどころか世界にも重大な懸念を呼び覚ますことになろう。
<92歳ヘレン・トーマス女史の訃報>
昨日、ワシントンの著名なジャーナリストであるヘレン・トーマス女史の訃報が電波に載った。92歳だ。彼女は、2010年までホワイトハウスの記者会見場の最前列に椅子を独占してきた。ケネディ大統領からオバマまで10人の大統領に対して、リベラル・ジャーナリストの見本となって取材してきた。もしも、イスラエルとアメリカン1%の横槍が無ければ、亡くなるまでペンを手離さなかったろう。
筆者はこの人のことを、宇都宮徳馬から聞いていた。彼はワシントンに行くと、必ず彼女と会って、アメリカ事情を取材していた。通訳は国広正雄だ。彼は今、寂しい思いをしているだろう。宇都宮は93歳まで頑張った。彼の孫がしっかりしているのが楽しみだ。筆者の寿命はまだ先が長い。どんな事態が起きようとも、国家主義の復活を、阻止する責任が日本人にはある。
http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/52040472.html
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