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民主党への逆風に涙をのんだ大久保潔重氏=21日午後、長崎市(田中一世撮影)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130721/elc13072123590135-n1.htm
2013.7.21 23:58 産経新聞
「4年前、民主党政権への期待が大きかった分、失望も大きかったし、その逆風をはね返す力が私になかった。しかし、暑い中、連日ご支援いただいた大勢の方々のご恩に応える責任が私にはあります」
長崎選挙区(改選1)で落選した民主現職、大久保潔重氏(47)は長崎市内の選挙事務所でこう語り、深々と頭を下げた。この瞬間、民主党が衆参6議席を独占した「民主王国・長崎」は崩れ去った。
「敗因はもちろん私の力不足ですが、長崎でも民主党に対する拒否感をはっきりと感じました。最大の理由は菅直人元首相でしょう。あの人が首相になったことが民主党にとって最悪だった…」
大久保氏は21日、産経新聞の取材に応じ、吹っ切れたようにこう語った。
「菅さんが首相就任直後に消費増税を言い出し、そのせいで22年の参院選に負けた。にもかかわらず首相に居座り、TPP参加など公約にもないことを何の根回しも何の党内議論もなく言い出し、混乱を招いた。さらに東日本大震災でもひどい対応で批判を浴びた。首相にすべきではなかった。心からそう思います」
もう一つ、大久保氏が決して許せないのが国営諫早湾干拓事業の開門問題での菅氏の対応だ。22年12月、福岡高裁は潮受け堤防の開門調査を命じた。開門すれば農業被害が懸念される上、洪水の危険も増す。地元住民らは上告を求めたが、菅氏は一切耳を貸さず、判決を確定させた。
「上告ぐらいはすると思っていましたが…。故西岡武夫前参院議長らと必死に抗議したけど暴走を止められなかった。あの人の勝手な判断で党は信頼を失ってしまったんです」
諫早で生まれ育った大久保氏は市民の激しい怒りを一身で受け止めなければならなかった。今回の参院選は各種事前調査で比較的善戦していたこともあり、海江田万里代表と細野豪志幹事長らが次々に応援に駆けつけたが、逆風は予想以上に凄まじかった。
「私を写したポスターをずっと張ってくださった支援者が、参院選前に民主党のロゴの入った新しいポスターに替えようとしたら『それならはがしてくれ』と言うんですよ。それほど厳しい戦いでした…」
先の衆院選で長崎4選挙区はすべて自民党に議席を奪われ、比例復活できたのは一人だけ。もはや長崎では民主党の看板では戦えないようにも見える。大久保氏は今後の活動については言葉を濁した。
「落選した私が政局を動かせるわけではないですが、何らかの動きはあるはず。自分なりにいろいろと考えてはいますが…」
一方、元長崎副市長で自民新人の古賀友一郎氏(45)は「この国のよい流れを前に進めたい」と初当選の喜びを爆発させた。
これで自民党は衆参6議席を独占。長崎でのオセロゲームはこれでピリオドを打つのか。それともまだまだ続くのか。(田中一世)
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