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圧勝予測が流れる安倍首相(左)率いる自民党。焦点は選挙後の内閣改造・党内人事。石破幹事長(右)は留任か
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130721/plt1307210724000-n1.htm
2013.07.21 ZAKZAK
★鈴木哲夫の核心リポート
参院選は21日投開票される。報道各社の情勢調査などから「自民党優勢、野党苦戦」が確実視されており、永田町や霞が関の一部では、消費税増税やTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉参加などを見据えて、選挙後の内閣改造・自民党役員人事に焦点が移りつつある。驚くべき「封じ込め・座敷牢人事」とは。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が、水面下で流れる「人事情報」を緊急リポートする。
早くも、人事情報がささやかれ始めた。安倍晋三首相にとっては、参院選で衆参多数を実現して、政治課題に突き進むための態勢固めだ。一体どんな陣容になるのか。
「小幅でしょう」
安倍首相の側近議員はこう言い、続けた。
「首相の右腕で、毎日顔を合わせて話を詰めている菅義偉官房長官と、経済政策の司令塔である甘利明経済再生担当相、麻生太郎副総理兼財務相の3人は変える理由がない。安倍首相は、経済再生を確実に仕上げて憲法改正まで持っていきたい。無用な軋轢(あつれき)を生む、拙速な人事は避けるだろう」
別の安倍首相に近い議員はこう語る。
「高市早苗政調会長は交代だろう。『原発事故で死者はいない』という発言はあまりにも軽率だ。原発再稼働にも影響する。ただ、女性の人事は感情的に後を引きかねない。高市氏更迭に合わせて、稲田朋美行革担当相や、森雅子少子化担当相ら女性閣僚をガラガラポンするかも。今回改選の丸川珠代氏がダントツで再選されれば、入閣もあり得る」
おそらく安倍首相が目指すのは小幅で手堅い改造人事だ。その深層には、一触即発といえる党内事情が横たわっている。そこに見えてくるのは「封じ込め人事」だ。
参院選の公示直前、自民党の石破茂幹事長に近い中堅議員がこんなことを言っていた。
「不謹慎だが、石破さんにとっては参院選で負けた方がいいかも」
こんな驚くべき発言をした中堅議員は、昨年の自民党総裁選前から石破氏を支援してきた1人だ。真意をこう語る。
「自民党は参院選で圧勝するだろう。選挙を仕切った石破氏は論功行賞で、ナンバー2の幹事長に留任となるはず。しかし、それは安倍首相にとっては、ライバルの石破氏を政府側に入れずに、党内に閉じ込めておけることになる」
「今後3年間、大きな国政選挙はない。安倍首相としては、石破氏を政策の意思決定から外し、影響力を削ぐことができる。『ポスト安倍』を目指すには、石破氏が責任を取って幹事長を辞め、無役でいる方がいい」
昨年秋の総裁選で、石破氏は地方組織の圧倒的支持を得たが、国会議員による決選投票で安倍首相に逆転負けした。いまでも石破氏への地方組織の信頼は厚い。
例えば、参院選では、党本部と地方組織でいくつかの公約がねじれた。沖縄県の米軍普天間飛行場移転では、党本部は同県名護市辺野古への移設を明記したが、沖縄県連は「県外移設」を主張した。TPPや原発再稼働などでも、党本部と地方組織の意見は違った。
そうしたなか、石破氏は緩衝役として何度も現地に出向いた。沖縄県連の幹部は「官邸は信用できない。もっとすり合わせてほしかったのに…。石破氏は信頼している」と私(=鈴木)に話したほどだ。
地方組織の信頼を得た石破氏は、安倍首相には最も警戒すべきライバルだ。安倍内閣の支持率が低迷すれば、地方から「石破待望論」が噴き出す可能性もある。
安倍首相に近い血気盛んな若手議員は辛辣に「石破幹事長は留任。それは封じ込めの座敷牢人事だ」と表現する。
参院選後の人事では、もう1つ「封じ込め人事」がありそうだ。TPPや規制改革を反対・阻止するため、「安倍降ろし」をチラつかせる族議員たちの扱いである。首相側近はいう。
「農林族や厚生族のうるさい強硬派を、副大臣や政務官などに登用して、閣内に置いて言動を封じ込めることになるだろう」(同側近議員)
選挙大勝の後には、必ず緩みや党内の権力闘争が勃発してきた。参院選後の安倍人事は、それを誘発しかねないリスクも秘めている。
■鈴木哲夫(すずき・てつお) 1958年、福岡県生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経て、現在、フリージャーナリスト。著書に「政党が操る選挙報道」(集英社新書)、「汚れ役」(講談社)、「最後の小沢一郎」(オークラ出版)など多数。
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