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★孫崎享氏の視点ー<2013/07/19>★ :本音言いまっせー!
安倍首相は17日、首相は石垣市の街頭演説でも尖閣諸島につき、
「(中国に)一歩たりとも譲歩する考えはない」と訴えた。
明々白々、選挙戦を意識しての発言である。
歴史をみれば、政治的に大きい利益を行おうとする時には、
政治家は領土問題に触れる。
多くの場合、領土問題が煽られる時には、相手国がどのような主張を
しているかは報じられていない。国民は自分の物が不当に奪われるような
脅迫観念に陥る。領土問題で煽り政治的人気をえる、これは政治家が
自己の政治的人気を得ようとするときの常とう手段である。
1969年の中ソ国境紛争は林彪が仕掛けている。林彪は軍事緊張を高め、
毛沢東の後継者の地位を獲得した。
最近では石原知事(当時)の尖閣国有化の動きがある。
維新の会を立ち上げ、首相になることを夢見たのであろう。
一時期ことはとんとん拍子に進んだ。
橋下発言がなければ、維新の会は一大勢力になっていたろう。
冷静に考えていただきたい。
国有化したとして、それが日中の領土主張に特段の影響を与えるもの
ではない。日本が管轄していることは中国も認めてきたことである。
「ここが日本領土である」という標識をたてたところで、論争の行方に
影響を与えるものではない。
昨日、ニコニコの討論で金美齢さんが「尖閣に人を住まわせたらよい。
私はシティ・ガールだから住まわないが、アウトドア好きな人一杯いる
でしょう」と言っていた。この提言の危険なのは、日本が行動をとっても
中国は座視すると思っている。それはない。中国は今も「棚上げで行こう」
と言っているが、日本が主権にかかわる追加的措置をとれば自分達も
同じ手段を取ると言っている。
中国人が、日本の措置への対抗手段として。
大挙して住みつこうとしたら、どうするつもりか。
今また安倍首相は「(中国に)一歩たりとも譲歩する考えはない」と
発言している。
中国がこの発言によって怯むことはありえない。
尖閣諸島は国際的に見れば係争地であることに疑いない。
日本の同盟国である米国ですら、尖閣諸島を日本領と言っていない。
「日本側の立場も取らない、中国側の立場も取らない」と言っている。
昨年以降中国の対外姿勢で変わった所がある、それは「日本がすると
同じことを中国もする」という方針を打ち出した。
日本が「一歩たりとも譲歩する考えはない」という台詞を吐けば、
中国も「一歩たりとも譲歩する考えはない」を吐く。
お互いに力ずくにとなる。核兵器、ミサイルを持っている国を相手に
力づくで日本に分はない。
しかし、「棚上げ方式」を続ければ日本の管轄が継続する。
日本が威張ってみた所で中国が自分達の主張を取り下げるということはない、
「(中国に)一歩たりとも譲歩する考えはない」は緊張をもたらすだけである、
厄介なのは、緊張をもたらせば自分の利益になるという人々がいることである。
18日共同は「政党支持率は自民党が34・5%。4、5両日の序盤調査では
39・9%、5・4ポイント下落」と報じた。
選挙戦終盤にきて支持率が落ちてきた。だからこそ、領土問題で感情を
揺さぶりたい。
そして、国民の中に、見事に煽動される人々がいるということである。
選挙まじかに強硬姿勢をとる。選挙目当て以外何物でもない。
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