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2013/7/19 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
今回の参院選の結果はこのままだったらこの国の政治経済、憲法、国民生活は大変なことになると懸念危惧する多数の声
選挙まであと2日。どの新聞をめくっても、「与党勝利」の文字が躍っている。「与党、過半数は確実」(朝日)、「衆参ねじれ解消確実」(読売)、「自公70台 安定多数へ」(毎日)といった具合で、ドッチラケだが、一応、歴史を見てみると、過去には圧勝予想の与党がズッコケた選挙はいくつかある。
典型的なのが田中角栄内閣が大敗した39年前の参院選だ。角福戦争を制し、首相となった角栄は“今太閤”と呼ばれ、絶大な国民的人気を誇った。その田中が陣頭指揮を執ったのが1974年の参院選で、今回と同じく、自民の圧勝予想が大勢を占めた。
ところが、終わってみると、改選議席70に対し、当選は65。与野党の議席差は24から7に激減し、参院は与野党伯仲となってしまった。田中内閣が総辞職に追い込まれたのは、選挙の4カ月後のことだ。
「イケイケドンドンの田中首相は企業から集めた数百億円の資金でヘリコプターをチャーター。全国の応援に飛び回りました。その一方で山東昭子などのタレント候補にスポンサーをつけ、金をふんだんに使い、集票につなげようとしたのです。ところが、結果は大惨敗。有権者はカネにあかせた金権選挙に鼻白んだのです」(政治評論家・伊藤達美氏)
◆歴史は二度三度と繰り返されるのか
1998年の橋本内閣の大惨敗も記憶に新しい。「橋龍人気」で自民優勢が伝えられ、今回とほぼ同じ70議席の確保が予想されたが、国民負担増による景気低迷や失業率の悪化、さらに選挙終盤で橋本首相や閣僚が恒久減税を言い出し、「やる」「やらない」で迷走したことが致命傷となった。
結果は44議席の大惨敗。橋本内閣は、その日のうちに退陣表明となったのだが、さて、今回はどうなるのか。政治評論家の山口朝雄氏はこう言った。
「田中内閣、橋本内閣の惨敗は一例に過ぎません。選挙とバクチは下駄を履くまで分からないという格言があるほど。結果は最後まで分かりません。といっても、今回の選挙は野党が弱すぎる。特に野田政権がひどすぎた反動で、民主党に対する有権者のアレルギーはすさまじい。さすがに、大逆転はないでしょうね」
世論調査を見ると、投票先を決めていない層がまだ4割もいる。彼らが総決起して、投票にでも行かない限り、情勢は変わりそうにない。
◆ついに9条改憲を言い出した安倍の危うさ
それだけに、安倍のハイテンションなこと。最終盤は山形だ、沖縄だ、岩手だと連日連夜、激戦区を走り回り、高揚感からか、封印してきた改憲についても言及を始めた。15日、テレビ番組のインタビューで「われわれは9条を改正し、その(自衛隊)存在と役割を明記していく」と明言したのである。
「この時期に改憲に言及したのは、明らかに選挙にはマイナスです。なぜ安倍首相が改憲を言い出したか。“思わず言ってしまった”というのが真相のようです。官邸は慌てふためいていましたからね。とはいえ、単なる気の緩みで飛び出した失言とは違う。もともと、改憲こそが悲願なのです。そこに改選議席を大幅に増やし、6年前の雪辱を果たせそうなことから生じる高揚感。その一方で、維新、みんなと合わせても改憲勢力が3分の2には届かないかもしれないという焦燥感が重なった。2つの感情が入り乱れ、“言ってしまった”と伝わっています。側近たちは最後まで改憲を封じる計画だったのに、安倍首相がフライングをしてしまったのです」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
これには政界を引退した村山富市元首相が久しぶりに登場、「憲法改正は許さないと歯止めをかけるのが、今回の選挙の大きな意義だ」と強調していたが、本当だ。改憲という最大の争点を隠している安倍自民党が展開しているのは、詐欺師の選挙だ。これだけでも言語道断だが、圧勝ムードに浮かれて、ポロッと改憲を口にしてしまう安倍の軽さと危うさにも呆れてしまう。
選挙情勢は絶望的だとして、つくづく、こんな政権に安定多数を与えたら、ダメなのだ。すぐに国の形が変わってしまうことになる。それも、国民の知らないうちに……。安倍のような、コブシを振り上げるだけの単細胞にである。こんな恐ろしいことはない。
◆選挙後に有権者が後悔しても遅い
「この政権の国民軽視は原発政策にもよく表れていますよ。原発の再稼働には、国民の半分以上が反対している。それなのに、自民党は『最大限の努力をする』とし、一気に再稼働を進めようとしている。関西電力など4電力会社が折しも、選挙期間中にドサクサ紛れのように、再稼働に向けた安全審査を申請しましたが、これは政治が黙認という形で後押しをしているからです。原発への感度の鈍さは東京、新潟の選挙区で原発反対派の猛追を許す要因となっているのですが、おごり高ぶる安倍自民党は気づかない。有権者が鉄槌を下さないと、ますます、この政権は暴走し、歯止めが利かなくなると思います」(鈴木哲夫氏=前出)
せめて、有権者は自民党の単独過半数72議席を阻止することだ。維新、みんなを加えた改憲勢力の3分の2超を打ち砕くことだ。さもないと、本当に大変だ。
「年内にも最高裁が『1票の格差』訴訟で衆議院が違憲か否かの最終判断を下します。違憲判決が出れば、安倍政権は即刻、解散・総選挙して出直すのが筋ですが、安倍首相は絶対に解散しないでしょう。悲願の改憲を達成するには、既に3分の2を確保した衆院を手放したくないからです。今度の参院選が終われば、あと3年間も安倍政権が続く可能性があります。首相はあの手この手で公明党を懐柔しながら、改憲に猪突猛進する。参院も改憲勢力が3分の2を超えたら、国の根幹が変えられてしまうと覚悟すべきです」(山口朝雄氏=前出)
参院選が終わり、しばらくすれば、アベノミクスの化けの皮ははがれ、賃金上昇なんて幻だったことが明らかになる。お祭り騒ぎが終わって何が残るかといえば、ブラック企業のバッコ、右傾化による国際社会での孤立、規制緩和による労働市場の破壊に消費税増税と社会保障カットである。日本は暗い話題一色になる中、「改憲」だけが具体的に動き出していくことになる。その時、有権者が後悔してももう遅い。今度の参院選は、この国にとって、最大の岐路だ。それを有権者が自覚していないところが恐ろしい。
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