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TPPに加盟すれば日本の教育現場でもリタリンのような危険な薬物を摂取するようにアメリカの製薬会社から圧力が加わるだろう。
教育現場を正すという理由付けで落ち着きがない子供たちに薬物で矯正するような教育が日本でも蔓延るかもしれない。
実際にアメリカの教育現場では子供達に日常的に行われていることを日本人は知らないといけない。
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2013年 7月 09日 15:12 JST.
ADHD治療薬、子どもの成績向上につながらず
注意欠陥多動性障害(ADHD)の子どもが成績を上げるためにADHDの治療薬を服用するという話を聞いても、もはや驚かない。ADHDではない子どもでさえ、大きな試験を控えているとの理由で投薬を受けるという。しかし、新たな研究によると、ADHD治療薬が実際に成績を向上させるという証拠はほとんどないという。
リタリンやアデロールといったADHDの治療に使われる刺激薬は「向知性薬」と呼ばれることがある。これらは数々の研究で、注意力、集中力、それに特定の種類の記憶までも短期的に改善させたことが示されているからだ。第2次世界大戦中には、敵の航空機の襲来をレーダーで監視する兵士に対して、似たような薬を与え、注意力を維持させたと言われている。
しかしADHDの子どもが投薬を受けても、テストの点数、成績平均値(GPA)、ないし留年の可能性は、投薬を受けていないADHDの子どもと比べ、長期的に見るとさほど変わらないことを示す研究結果が相次いで発表されている(こういった研究は通常、テスト時間を長めにするといったADHDの子ども向けに実施する措置を考慮に入れている)。
例えば6月に公表された研究では、カナダ・ケベック州の生徒4000人近くの投薬と成績について平均11年間調査した。非営利の研究組織、全米経済研究所(NBER)のウェブサイトに掲載された論文によると、薬を服用したADHDの男子の成績は、服用しないADHDの子どもの成績より悪かったことが分かった。またADHD薬を服用した女子に関しては、感情的な問題がより多く報告された。
この論文の著者でプリンストン大学Center for Health & Wellbeingの代表を務めるジャネット・キュリー氏は、「薬物治療が学校の成績向上に役立たない可能性があることは認めるべきであり、注意深く監視を続ける必要がある」と述べた。同氏は、持続した効果を得るのに適した量の投薬を子どもが受けていないかもしれず、副作用や他の欠点が利点を上回るといった理由で薬物治療をやめた可能性もあると述べている。
ADHDを研究する専門家が疑問に思っている問題の1つは、ADHD治療薬が明らかに注意力、集中力、それに自制力を改善させるのであれば、なぜ学校の成績も改善しないのかということだ。
科学者らはADHDのより良い治療を目指し、このパラドックスを理解しようと試みている。ADHDには注意を払ったり、感情をコントロールしたりすることが難しいという特徴がある。多くの子どもは学校で困難に直面し始めた頃にADHDと診断され、薬物治療を受ける。学業でも社会でも成功する確率を上げるためにそうするのだ。
米疾病対策センター(CDC)の直近のデータによると、米国では2007年の時点でおよそ270万人の子どもがADHDの薬物治療を受けている。一部の専門家は米国の全ADHD治療薬の15-20%が処方箋を持たない人々に回っていると推測する。ただし、治療薬がADHDでない子どもの学校の成績向上につながるか否かはさらに不透明だ。
カリフォルニア大学アーバイン校のジェームズ・スワンソン名誉教授は、「わたしは現段階では、刺激薬がADHDでない子どもの知性を向上させることを示す明確な証拠がないと考えている」と述べる。同教授はフロリダ国際大学の研究者とともにこの問題に取り組んでいる。
ADHD治療薬には、記憶力やその他の認知能力を改善させる潜在的な力があるようにみえる。それだけに、成績上のメリットがないのは驚くべきことだ。例えば、ルイジアナ州立大学心理学部のクレア・アドボカット名誉教授率いる研究チームは小規模な研究で、ADHDの子どもが適切な薬物治療を受けた結果、エピソードの記憶が改善したことを発見した。
4月に学術誌Pharmacology Biochemistry and Behaviorに掲載された同チームの論文によると、エピソード、つまり見聞きした話の場面を思い出すといったタスクを課した際、刺激薬を服用していないADHDの子どものパフォーマンスは服用した子どもより著しく劣っていたという。服用した子どものパフォーマンスは、対照群であるADHDでない子どもと同程度だった。
しかしその効果は、学校の成績となるとそれがおおむね該当しないように見える。長期的に見るとなおさらだ。米政府が出資した「MTA」という名称の大規模な研究では、ADHD治療の長期的な影響について調べた。8-9歳のADHDの子ども579人は無作為に4つのグループに分けられた。3つのグループは14カ月間、それぞれ違った種類の治療を受けた。対照群の1グループは治療を受けなかった。
1年目は、治療を受けたグループと混合的な治療を受けたグループがADHDの症状改善という点で、他の2グループより大きな成果を示した。治療を受けた子どもたちは学業成績でも、いくらかの改善をみせた。
しかし、投薬の効果は3年目までになくなった。直近の評価である8年目の追跡調査結果によると、どのグループと比較しても、症状や学業成績の面で差がみられなかった。これは、小児期の治療に長期に持続する効果がないことをうかがわせる。
この研究結果については、教室内の直接的な行動、例えば椅子にじっと座っているとか、先生の話を遮る回数を減らすといった行動には治療薬が効果を示すが、宿題を終わらせたり、テストで良い点を取ったりするのに重要な他の要素、例えば家族の励ましなどには効果をもたらさないとの解釈がある。
別の研究によると、ADHDの治療薬を服用して試験勉強を早めに始めた子どもの成績は、ADHDでない子どもの成績を上回ることはなくても、同等になったことが分かった。ただし、治療薬を服用し、ぎりぎりになってから試験勉強を始めた子どもの成績は決して良くなかった。
つまり、これらの研究からは、投薬治療だけでは学業成績の向上に十分でないことがうかがえる。専門家は、治療薬は集中力を高めるのに役立つかもしれないが、何に集中するかを決めるのには役立たないと指摘する。それよりも、整理の仕方や優先順位の付け方を学ぶといったスキルの訓練を一緒に行うべきなのだ。
治療薬には集中力と注意力を高める効果があるが、勉強するとなると、これが逆効果になる恐れさえある。
ペンシルベニア大学の認知神経科学者、マーサ・ファラー博士は、ある女子学生がこう話してくれたのを記憶しているという。学生は治療薬を服用してから図書館へ行った。机に視線を落として勉強を続けると、作業に没頭でき、かなりの量をこなすことができた。しかし、友人が立ち寄ると、この学生は友人との会話にも同じくらい引き込まれたのだという。また、勉強ではなく、部屋の掃除に没頭してしまったと話す学生は少なくないという。
ADHDでない人々については、刺激薬が成績向上につながったかどうかに関する情報がさらに少ない。
ファラー博士率いる研究チームによると、認知神経パフォーマンスや知能検査を含む数々の心理的なテストで学生を評価したが、アデロールによる有意な認知力向上はみられなかったという。この論文は1月に学術誌Neuropharmacologyに掲載された。
同博士は別の未発表の論文で、この話題に関する既存データの統計的な精査を行っているが、それは「治療薬の効果は非常に小さく、ゼロではないが、大きな違いを生み出すほどではない」という内容だとしている。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324368204578594852542861188.html
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