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(画像はパロディスト、マッド・アマノ氏の作品です。)
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2013年7月15日 神州の泉
安倍自民党の憲法改正草案については、その基本思想が国民防衛にないことがはっきりと見えている。確かに尖閣諸島、北方4島、竹島問題などを見ていると“日本は弱腰にならんで、自国の立場を明確にして、毅然と対応せんかい!!”と、多くの国民は思っている。
同時に、一方で国民は、『われわれはあの大戦を起こした責任があって、国境問題では周辺国に迷惑をかけた。だから強く言えない立場だよなあ』と、弱気になっている面がある。
今の日本人は、国境問題では怒りもし、やきもきしながらも、その心理の底部には、第二次世界大戦への心理的なしこりが強くわだかまっている。だが、この心理的な“しこり”の大部分はアメリカによって、強制的に植え付けられたものであることを知る日本人は少ない。
多くの国民はGHQ占領期に占領軍が行った検閲、放送コード、“真相箱”など、国際法違反の日本統治政策による影響を、戦後68年経過した今日でも、いまだに強く受け続けている。
敗戦状態にあった日本に対し、アメリカの占領軍は、ドイツ・ナチズムの国民啓蒙・宣伝担当であったヨゼフ・ゲッペルズの有名なプロパガンダ手法の一つ“嘘も百回繰り返せば真実になる”と同様の繰り返し手法を用いて、“日本人は先天的に悪い性質を有した民族である”という刷り込みを行った。
この繰り返しによる洗脳手法は百回どころではなく、1945年から占領期の終結年度である1952年まで連日繰り返され、7年間目一杯続けられた。日本人には古来から言霊(ことだま)という概念があるように、言葉の持つ威力はすこぶる大きい。
この占領期の7年間にGHQは、日本人の民族性向や日本語が持つ言語性格を徹底的に研究し、ラジオ放送や新聞等を駆使して、7年間、毎日、日本人に対して戦争贖罪史観を植え付けて行った。
とにかく、あの戦争は日本人がとことん悪い、日本人は生まれながらにして悪の性向を強く有する劣った民族である。だから日本人はあの戦争を喜んで遂行した悪魔の眷属(けんぞく)のような民族なのだ、という刷り込みに徹していた。
日本人は聖書を信じる正義のアメリカ国民を見習い、アメリカを慈母のように慕い、黙ってアメリカのいうことを聴いているのが一番いいのだ、という刷り込みが基本となっていた。これが現憲法の前文にも反映されていて、日本人は戦争をとことん反省し、平和を愛する諸国の一つ、アメリカへの悪口、批判はいっさいしないようにというのが占領期政策の徹底した対日統治戦略だった。
1952年に占領期を終え、占領軍が去って行ったあと、日本のマスコミ業界や教育界には、占領軍が置いて行った“日本悪玉史観”を骨の髄まで受け継いだ。その後現在まで占領軍が行ったプレスコードや“報道思想”は“暗黙知”として受け継がれ、自主的にそれらを現在まで実践し続けている。
戦後から現在に至るマスコミや教育界が受け継いだ、占領期の対日広報戦略の実態を、文芸評論家の江藤淳氏が「閉ざされた言語空間」という本に著した。占領軍が日本人に行った検閲、真相箱報道、規制報道の権化とも言うべきプレスコード、これらは現在まで受け継がれ、われわれ日本人の国際観、言語感覚を内側から呪縛し続けている。
アメリカが行った日本人の洗脳戦略をイデオロギー的に捉えたものが、WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム War Guilt Information Program)である。直訳すれば“戦争贖罪史観付与プログラム”とでも言おうか。
今の日本は、米国の無理無体に対し相当な批判者であっても、この事実を認識せずに対米批判を行っている者が多い。ここに日本人が置かれた苦しみの本質がある。
安倍晋三氏がTPPを推進しながらも、憲法改正にやっきとなっている大矛盾の淵源は、彼のいう戦後レジームからの脱却に“閉ざされた言語空間”の認識が全くないからだ。それどころか、彼は日米同盟の強化という、“閉ざされた言語空間”へ自ら嵌り込んでいくという歴史的な大錯誤に陥っている。
安倍首相が、戦後レジームからの脱却、東京裁判史観からの脱却、あるいは“閉ざされた言語空間”からの脱却という、まともな日本回復思想があるのなら、その文脈から言って、決してTPP参加という選択肢はありえないのだ。
まともな日本回復思想を持たずしてTPPに参加する安倍首相。彼が唱える憲法改正の真の意図とは何であろうか。分かることは、これが国家国民の為ではなく、アメリカ・グローバル資本のための憲法改正だということだ。
この憲法改正草案を見ると、国民を守る思想は皆無であり、逆に国民の表現の自由や権利を束縛する意図がはっきり見える。これはグローバル資本に寄与する、擬制の国家体制になったとき、国民がものを言えないようにする国権強化の思想がありありと見て取れる。
したがって、この憲法改正の目的が“シュタージ国家”の成立を目指していることは疑いようのない事実である。
シュタージとは、戦後の旧東ドイツの監視社会を実現させていた秘密警察で、その前身がゲシュタポ(ナチス時代の国家秘密警察)だったという説がある。
これはジョージ・オーウェルが『1984年』で描いた“思想警察”と同じものである。安倍自民党の憲法改正の真の目的は、アメリカ・コーポラティズムの意図に従って、日本を“シュタージ国家”に作り替えることにある。
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