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2013年7月14日 日刊ゲンダイ
プレゼンテーションの戦略ミス 猪瀬知事の発言も仇に
<王室作戦で形勢逆転>
勝負はついたようだ。
20年夏季五輪の招致を目指す3都市(東京、マドリード、イスタンブール)の争いは、去る3日にスイスのローザンヌで開かれた開催計画説明会でのプレゼンテーションで、大勢はスペインのマドリードに傾いたという。
スペインはこのプレゼンに、92年バルセロナ五輪にヨット競技で出場したフェリペ皇太子を起用した。説明会には五輪開催地を決める投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)の100人の委員のうち86人が出席。IOC委員には王室メンバーが多数名を連ねていることから、プレゼンが終わるとフェリペ皇太子のスピーチには好意的なコメントが多かった。
そのスペインは、サマランチ前IOC会長の長男をIOC委員として送り出している。IOCメンバーに太い人脈を持つサマランチ・ジュニアは説明会当日もロビー活動を展開。「東京有利」といわれた招致レースのヤマ場で「形勢を一気に逆転させた」ともっぱらだ。
海外に知人の多い、ある日本オリンピック委員会(JOC)理事は最近、「20年五輪は東京にはこない」とがっかりした表情で関係者に漏らしたという。身内でさえ、東京の負けを察しているのだ。
今回の招致レースは当初、イスラム圏初の五輪となるイスタンブールと、安全と資金力、コンパクトな会場配置が自慢の東京の争いといわれていた。
24年夏季五輪は、1924年から100周年を迎えるパリでの開催が有力。「2大会連続で欧州での開催は無理」とみられていたこともある。
そこで劣勢のスペインは、欧州で人気のある王室を使った作戦で巻き返しを図った。
3月に行われたIOCの現地調査の際にも、招致都市が調査期間中に1度だけ開催できる夕食会をスペイン王室が主催。フェリペ皇太子やソフィア王妃らがリーディー委員長ら評価委メンバーを市内の王宮に招待。フェリペ皇太子が「スペインは大規模な国際総合大会を開く能力は十分にある」とスペイン語で訴え、評価委員たちにインパクトを与えた。ちなみに、スペイン王室と親交のあるオランダ、デンマーク、ベルギー、スウェーデンは、すでにスペイン支持を表明している。
東京もIOC評価委員の現地調査期間中に迎賓会で晩餐(ばんさん)会を開き、高円宮妃殿下や安倍首相らが出席したが評価委員の反応はサッパリ。
ある五輪関係者は、プレゼンでの戦略ミスを指摘する。
「フェリペ皇太子の熱弁がIOC委員たちに称賛されたのに対し、日本はフランス出身のフリーキャスター・滝川クリステルをもってきた。そもそも彼女は海外での知名度はゼロ。IOCの公用語である仏語を流暢(りゅうちょう)に話すことぐらいしかIOC委員の印象には残らなかった。無名の彼女を起用したのは明らかに人選ミスです」
猪瀬知事は4月、ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで「イスラム諸国で人々が共有しているのは唯一、アラーだけ。けんかばかりしている。階級がある」などと発言。IOCが招致都市に注意喚起する異例の事態が起きた。この知事は5月に行われたプレゼンの際にも、「東京は45億ドル(約4500億円)の開催準備金がキャッシュで銀行にある」とか、「東京では財布を失っても手元に戻ってくる。しかも、お金が入ったままで」と財政と安全面をアピールしたが、「あれも、露骨な金の話を嫌うIOC委員には逆効果だった」と前出の関係者はいう。
20年五輪の開催地が決定する9月7日のIOC総会(アルゼンチン・ブエノスアイレス)では、IOCの次期会長選挙もある。最右翼といわれるドイツのバッハIOC副会長はマドリードを支持している。
猪瀬知事は12日、都市対抗野球の始球式で笑顔を見せ、20年五輪招致について「最後の九回裏まで分からない。招致もストライクを目指したい」と述べた。9月7日、歓喜の声を上げるのはスペイン・マドリードだ。
- 安倍首相、IOC総会出席へ 東京招致「最後の一押し」(朝日新聞) JAXVN 2013/7/14 15:11:09
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