http://www.asyura2.com/13/senkyo150/msg/737.html
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■ファシストでないにせよ自由と民主主義をおびやかす安倍政権 佐和隆光氏(滋賀大学長・京都大学名誉教授・経済学者)
■安倍政権は人類が共有すべき普遍的価値である自由と民主主義をおびやかす、21世紀になって現れた新たな「敵」なのかもしれない
安倍政権は、早晩、憲法改正に乗り出すだろう。
自由民主党の「日本国憲法改正草案」をつらぬく基本理念は、自由主義・民主主義・個人主義の抑制、すなわち「近代の超克」の再来のように見受けられる。
アベノミクスの正体は国家資本主義の再来にほかならない。
アベノミクスの一寸先は闇
先に私は、アベノミクスは壮大な社会実験だといったが、実験の結果が吉とでるか凶とでるかは、いまだ定かにはみえてこない。
今後とも株高が持続するか否か。許容しがたいほどまで円が安くなるか否か。成長戦略が民間投資を誘発するに足るか否か。
インフレ期待が、一部資産家による高級品消費にとどまらず、一般消費者の財・サービス消費をも増勢にむかわせるか否か。
長期金利の上昇が危険水域を越えるか否か。企業業績の好転が賃金上昇に連なるか否かなどなど。
社会実験の結果については、多大の不確実性がぬぐいきれない。
実験結果のみきわめがつきにくい最大の理由は、
日本銀行の首脳陣に居並ぶリフレ派エコノミストが「異次元金融緩和」の実体経済におよぼす波及効果を「あり」とする論拠の決め手が、
「インフレ期待(予想)」という計測(予測)不可能な心理的要因だからである。
「期待」ないし「予想」は心もとなくゆれうごく。
ゆえに、アベノミクスの効果について一寸先(いっすんさき)は闇なのである。
アベノミクスの成功は憲法改正への必要な経過点
もともと自民党内右派の安倍首相は、アベノミクスの成功を確信したのち、ただちに本性をあらわにし、憲法改正にのりだすものと予想される。
2013年5月1日、アラブ諸国歴訪中の記者会見で安倍は、憲法96条の改正を、7月21日に予定される参院選の公約にすると語った。
憲法96条は「改憲を発議するには、衆参両院の3分の2以上の賛成を必要とする」ことを定めているが、3分の2を過半数に改めようというのである。
次のページ>> 脅威を感じる12、13、21条の改正案
http://diamond.jp/articles/-/38106
2012年4月27日に自由民主党憲法改正推進本部が決定した「日本国憲法改正草案」には、次のような改正が明記されている。
・天皇を「象徴」から「元首」に改める(第1条)。
・国旗は日章旗とし国歌は君が代とし、日本国民は国旗と国歌を尊重しなければならない(第3条)。
・内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を設置し、集団的自衛権の発動、領土・領海・領空を保全するための自衛権発動を認める(第9条)。
・基本的人権は、侵すことのできない永久の権利ではあるが、自由と権利には責任と義務が伴うことを自覚し、常に公益と公の秩序に反してはならない(第12条)。
・すべて国民は「個人として尊重される」とあるのを「人として尊重される」にあらためる(第13条)。
・集会、結社、言論、出版その他一切の表現の自由は保障されるのだが、公益と公の秩序を害することを目的とした活動をおこない、
それを目的として結社することは認められない(第21条)。
君主国では君主が、共和国では大統領が元首である。日本国憲法に規定はないが、国際慣行上は天皇が元首として扱われているため、第1条の改正に問題はない。
国旗や国歌について定める新条文も許容範囲内である。第9条の改正は想定内である。
だが「公益と公の秩序」が基本的人権の行使や表現の自由を制約しうるという第12条と第21条の改正には、
自由主義、民主主義、個人主義という近代西欧の思想を尊重する私は脅威を感ずる。
「公益」や「公の秩序」がなにを意味するのかは不明である。
その時どきの政権の意向にしたがって、それらの意味が定義されるのだとすれば、ファシズムまがいの政治体制の再来をまねきかねない。
しかも、第13条の「個人」を「人」におきかえるのも、自民党が個人主義の蔓延を危険視していることを裏書きするかのようで気味が悪い。
アベノミクスは自由と民主主義をおびやかす21世紀の新たな敵か
自由民主党の「日本国憲法改正草案」をつらぬく基本理念は、自由主義、民主主義、個人主義の抑制、すなわち「近代の超克」の再来のように見受けられる。
アベノミクスの正体は国家資本主義の再来にほかならない。安倍首相がねらう憲法改正とアベノミクスはおなじコインの両面の関係にありそうだ。
次のページ>> 海外でも弱者の票を集める極右政権
http://diamond.jp/articles/-/38106?page=2
安倍政権は人類が共有すべき普遍的価値である自由と民主主義をおびやかす、21世紀になって現れた新たな「敵」なのかもしれない。
フランシス・フクヤマにいわせれば、20世紀には自由と民主主義をおびやかした2つの敵
――ひとつはファシズムであり、もうひとつは共産主義――のうち、前者は第2次世界大戦において抹殺され、後者はソ連の崩壊をもって自壊したはずだ。
ヨーロッパ諸国でも、極右政党が国政選挙でかなりの票を集める。
もっとも有名なのはフランスのジャン=マリー・ル・ペン(1928〜)である。
2000年の大統領選挙では、得票率でジャック・シラク(1932〜、大統領在任1995.5〜2007.5)にせまる勢いを示した。
ルペンを支持したのは、失業者、肉体労働者、若者だった。
このことが示唆するのは、経済的沈滞により苦しめられる人びとが、極右政権を待望することである。
ルペンは自他ともに許すファシストである。
安倍はファシストではないにせよ、この国の自由と民主主義をおびやかしつつあることは事実である。
もっかのところ、国家資本主義的なアベノミクスに専念しており、経済的自由をおびやかすにとどまる。
だが、13年7月の参院選での圧勝をへてのち、かりにアベノミクスが成功裏に進捗しておれば、
個人の自由と民主主義をおびやかす憲法改正へと歩を進める可能性が高い。
そうなれば、私たちの憂鬱はいや増すことだろう。
http://diamond.jp/articles/-/38106?page=3
【関連】
邪悪なブレーンからの入れ知恵なんだろうが、96条改憲を言い出した安倍首相のやり方は、内容の批判を封じる狡猾なやり方。
実質的な白紙委任を狙ってることに注意が必要。
■96条改正という「革命」 石川健治氏(憲法学者、東大教授)
■立憲国家への反逆に動く議員政治家たち
■真に戦慄すべき事態
■「勝つためのルール変更」選手はできぬ
(前略)
■総理大臣が憲法改正のハードルを下げようと公言する戦慄すべき事態
いきなり堅苦しい書き出しになってしまったが、大して難しい話ではないと思う。
ところが、現在の日本政治は、こうした当たり前の論理の筋道を追おうとはせず、
いかなる立場の政治化にも要求されるはずの「政治家の矩(のり)」を踏み外そうとしている。
96条を改正して、国会のハードルを通常の立法と同様の単純多数決に下げてしまおう、
という議論が、時の内閣総理大臣によって公言され、政権与党や有力政党がそれを公約として参院選を戦おうとしているのである。
これは真に戦慄(せんりつ)すべき事態だといわなくてはならない。
何に戦慄するかと言えば、その反知性主義に。
つまり、その、国会で多数を占めているうちに押し切ってしまえ、という姿勢
その主張の背後に見え隠れする、将来の憲法9条改正論に対して、ではない。
議論の筋道を追うことを軽視する、その反知性主義に対して、である。
■議会で真剣に議論せず、国民投票(単純多数決)に委ねる姿勢
(アベノミクスの虚構の陰で、やっちゃおう、という)・・・
■サッカー選手はオフサイド・ルールの変更資格を持たない
それでは、憲法改正条項たる96条を改正する権限は、何に根拠があり、誰に与えられているのだろうか。
これが、現下の争点である。
結論からいえば、憲法改正権者に、改正手続きを争う資格を与える規定を、憲法の中に見いだすことはできない。
それは、サッカーのプレーヤーが、オフサイドのルールを変更する資格をもたないのと同じである。
フォワード偏重のチームが優勝したければ、攻撃を阻むオフサイド・ルールを変更するのではなく、総合的なチーム力の強化を図るべきであろう。
それでも、「ゲームのルール」それ自体を変更してまで勝利しようとするのであれば、それは、サッカーというゲームそのものに対する、反逆である。…
■憲法改正条項の改正:憲法の上位にあるもの(=立憲主義、もしくは国民)を打倒すること
■これは、「革命」とかクーデタみたいなものである
同様に、憲法改正条項を改正することは、憲法改正条項に先行する存在を打ち倒す行為である。
打ち倒されるのは、憲法の根本をなす上位の規範であるか、それとも憲法制定者としての国民そのものかは、意見がわかれる。
だが、いずれにせよ、立憲国家としての日本の根幹に対する、反逆であり「革命」にほかならない。
打ち倒そうとしているのは、内閣総理大臣をはじめ多数の国会議員である。
これは、立憲主義のゲームに参加している限り、護憲・改憲の立場の相違を超えて、協働して抑止されるべき事態であろう。
なかなか憲法改正が実現しないので、からめ手から攻めているつもりかもしれないが、目の前に立ちはだかるのは、憲法秩序のなかで最も高い城壁である。
憲法96条改正論が、それに気がついていないとすれば、そのこと自体、戦慄すべきことだといわざるを得ない。
http://mokuou.blogspot.jp/2013/05/2013-05-03_4.html
憲法改正条項を改正することが、立憲民主主義国家としての日本の根幹に対する反逆であり革命であるという視点。
まさに「戦慄すべき事態」が進行中ということ。
■宮台真司氏(首都大学教授・社会学者)が語る【改憲派だけど96条改正に反対する理由】
宮台さんのお話を一文で要約すると、
『国民も自民党でさえも憲法について無知な状態で96条を変えるのはかなり危険。』ってことです。
宮台:国民は分かってない(国民が憲法とは何なのか理解していない)んだから。ハードルは高ければ高いほどいいです。
・・・
■憲法というのは国民が従うものではなくて統治権力を国民がコントロールするもの
宮台教授 よく、教育義務とかね、徴兵義務とか納税義務とかをね、
『コレ、国民の義務、規定しているじゃないか!』とかって頭の悪い人がいるんだけど、
これ英語で読むと必ずね『As provided by law』って書いてあって『仔細は法で決める』って書いてあるんですね。
つまり、一見憲法が国民に命令しているように見えても、
これはズルする奴を許さない法律を作れっていう風に国民が統治権力に命令しているという形なんです。
荒川 そういうことですね。
宮台 まぁこれは常識として知っておいて頂きたいですねぇ。
憲法というのは国民が従うものではなくて統治権力を国民がコントロールするものなんだと。
・・・
宮台 憲法改正は賛成なんです。
荒川 で、96条の改正はどうですか?
宮台 っていうような話をするのは実は間違っているんです、筋がね。
まず、今申し上げたように、国民が憲法の中身より『憲法とは何か?』という事態をまだ分かっていない状況で、
憲法改正のハードルを下げるというのはデタラメが起き放題です。
荒川 ハードルを下げるということは96条に手を付けるということですね
宮台 そう。だって国民が憲法とは何なのか理解していないんだよ、まだ。
そんな状態で、しかも自民党憲法草案を作った人たちの中にはね、東京大学法学部出身のカッコ付きインテリさん達カッコ笑いもね、沢山いるわけですよ。
でこれでね、まぁホントによく東大を卒業できるかっていうところが東大の問題でもあるんだけども。…
今申し上げたこと分かりますよね。つまり、憲法というのは法律じゃないんです。
なので、法律じゃないんだっていう事がよく分かっている国民たちが大勢出てくるという状態になった時にはハードルを下げましょう。
荒川 うん。
宮台 国民は分かってないんだから。ハードルは高ければ高いほどいいです。
http://radiotalkrecording.blog.fc2.com/blog-entry-137.html
■憲法学者・木村草太氏(首都大学東京准教授)が語る憲法そもそも論【改憲論への回答】
『国民の権利保障が足りないと思うんだったら、まず法律を作ってください』ってこと。
それをできるのに憲法に入れたいって言うのは、『なんで憲法にわざわざ(環境権とか)入れる必要があるの?』と思いますね。
▼憲法改正後に『頭がよくて邪悪な人間』が登場する危険性について
頭がよくて且つ邪悪な人間ってのがいつ出てくるか分からない。
(自民党憲法案を成立させても)『自分たちが良い人だから大丈夫です』っていうのは説得力がない。
http://radiotalkrecording.blog.fc2.com/blog-entry-138.html
だから、権力に対するしばりをゆるめるのは危険ということ。
■「自民党の憲法改正草案は立憲主義の否定 時期参院選次第で改憲に現実味(東京新聞:こちら特報部)」
「自民の改憲草案は、人権を保護するための立憲主義を否定している。
先進国が共通する理念を放棄すれば、日本は世界から『違う国』とみられてしまう」
伊藤弁護士は自民党改憲草案の最大の問題点をこう断じた。
「立憲主義とは、憲法で国家権力を縛ること。
多くの人が勘違いをしているようだが、憲法は国民の権利を制限するものではないし、法律の親分でもない。
自民党憲法草案はその立憲主義とは逆向きで、国民の権利を後退させ、義務を拡大させている」
http://sun.ap.teacup.com/souun/10211.html
■「自民・憲法改正案は個人の権利を損なう」 明大・レペタ特任教授が懸念示す
●「民主主義国家の憲法は、国家権力を制限するもの」
レペタ教授は「96条が改正されると、簡単により多くのルールを改正することができるようになる」と指摘。
自民党案が承認されれば「国民に対する国家権力がより強固になり、個人の権利保護が損なわれる」として、
「人権の保護や政府の責任を拡大する世界的な動向と逆行することになるだろう」と警鐘を鳴らした。
http://news.goo.ne.jp/article/bengoshi/life/bengoshi-topics-205.html
■憲法改正 自民案の36条から、拷問禁止の「絶対」が消える?【争点:憲法改正】
「『絶対に』をはずせば、当然のことながら規範力は低下します。
一定の条件があれば例外が認められるとの解釈につながる可能性があります」(伊東真弁護士)…
心しておくべきことは、ダムが決壊すれば、下流は大被害を受けることである。
「人間の尊厳」や「絶対禁止」という強固な「ダム」に無数の「例外の穴」をあけていくうちに、
「拷問を適用する権利(義務)」が語られるようになることが危惧される。(水島朝穂早大教授)
http://www.huffingtonpost.jp/2013/06/19/constitution_n_3466229.html?utm_hp_ref=tw
■96条改正「憲法への挑戦」 主張超え学者結集
改憲の発議要件を緩和する憲法96条改正に反対の学者が「96条の会」を発足し、
代表の樋口陽一東大名誉教授らが23日、東京・永田町で記者会見して
「96条改正は憲法の存在理由そのものへの挑戦だ」とする声明を発表した。
発起人は憲法学者や政治学者ら36人。護憲派だけでなく9条改正を唱える改憲論者も含まれており、主張の違いを超えて大同団結した。
声明は「96条を守れるかどうかは権力を制限するという立憲主義にかかわる重大な問題。
(改正は)政治家の権力を不当に強めるだけだ」と訴えた。
自民党などは発議要件を衆参両院の3分の2以上の賛成から過半数にすることを主張している。
http://www.47news.jp/CN/201305/CN2013052301001904.html
■改憲・護憲派 声そろえ 「96条守らねば憲法破壊」
安倍晋三首相が意欲を示す憲法九六条の先行改憲に反対する憲法学や政治学の研究者でつくる「九六条の会」が発足し、
代表の樋口陽一東大名誉教授らが二十三日、東京・永田町で記者会見した。
護憲派だけでなく、改憲派の論客として知られる小林節慶応大教授も発起人として参加。
この日は超党派の議員連盟「立憲フォーラム」も会合を開き、改憲手続きの緩和を阻止する動きが加速してきた。
「憲法の破壊だ」「政治家集団の暴走」。
会見では、九六条の先行改憲への批判が噴出した。
九六条は改憲の発議に衆参両院で三分の二以上の賛成が必要と定めている。
安倍首相はこれを過半数に緩和する改憲の是非を参院選の争点にする構えだ。
樋口名誉教授は「憲法改正権(九六条)によって、その条文自体を変えるのは、法論理的に無理な話」と指摘。
「国民が決断するための材料として、国会で三分の二の数字を集めるのが国会議員の職責。
それを軽視し、過半数で国民に丸投げするのはおかしい」と述べた。
世界的にも、改憲手続きを緩和する改憲をした例は「知る限りない」という。
山口二郎北海道大教授は「九六条の争点化は前代未聞で、保守政治の劣化だ」と話し、強い危機感が会の発足につながったことを強調した。
立憲フォーラムは一般公開で小林教授の講演会を開き民主、社民、共産の国会議員ら約百人が参加。
幹事長の辻元清美衆院議員は「立憲主義という言葉が広がり国会の空気は変わってきた」と話した。
◆保守論客・小林教授も参加
小林節教授は約三十年間、自民党の勉強会で指南役を務め、自衛軍や新しい人権の規定を唱える改憲論者。
だが、九六条先行改憲の問題が浮上して以降は、テレビやインターネットの討論番組に精力的に出演し、真っ向から反対の論陣を張っている。
九六条の会の発足会見に出席した後も超党派の議員らの前で講演。
「生まれて初めて、(護憲派の)樋口名誉教授と同じ側に座った」と笑いを誘い、それほどの危機的状況であることを強調した。
小林教授は「『憲法を国民に取り戻す』と言いながら、権力者が国民を利用しようとしている」と安倍首相を批判。
国民の義務規定を増やした自民党の憲法草案についても「
憲法は国民でなく権力者を縛るもの、という立憲主義を理解しておらず、議論にならない」と切り捨てた。
この数週間の議論で国民の立憲主義への理解が深まったと感じているといい
「今後も、(衆参両院の)三分の二の賛成を獲得できるような改憲論を堂々と語りたい」と持論を述べた。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013052490070737.html
http://d.hatena.ne.jp/shuuei/20130525/1369424843
>小林教授は「『憲法を国民に取り戻す』と言いながら、権力者が国民を利用しようとしている」と安倍首相を批判。
>国民の義務規定を増やした自民党の憲法草案についても「
>憲法は国民でなく権力者を縛るもの、という立憲主義を理解しておらず、議論にならない」と切り捨てた。
■改正反対「96条の会」が発足
改憲の国会発議要件を緩和する憲法96条改正に反対する学者たちが「96条の会」を設立し、23日、国会内で記者会見した。
護憲派だけでなく改憲派も加わった会のメンバーは、自民党などの96条改正を目指す動きに「政治家の権力を不当に強めるだけだ」と危機感を訴えた。
会見には、樋口陽一代表=東京大名誉教授(憲法学)=たち6人が出席。
樋口氏は「(例えば)ゲームの当事者がやりやすくするためにルールを変えていいのか」と述べ、
国民の側が憲法で権力者を縛る立憲主義に関わる問題と強調した。
改憲論議をリードしてきた慶応大の小林節教授(憲法学)も「96条改正は改憲ではなく憲法破壊。
憲法に拘束される権力者が国民を利用し、国民から憲法を取り上げる」と批判。
北海道大の山口二郎教授(政治学)は「96条改正を政治争点にするのは前代未聞。日本の政党政治の劣化だ」と指摘した。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201305240010.html
■96条先行論「品がない」 「改憲派」慶大・小林教授バッサリ
参院憲法審査会は五日、環境権など「新しい人権」に関して参考人質疑を実施した。
この中で、改憲に積極的な自民党議員が、改憲派の有識者として知られる小林節慶応大教授からたしなめられる一幕があった。
自民党の宇都隆史参院議員は改憲について「六十数年、憲法の議論自体が問題とされ、改憲の発議すらされなかった」と指摘。
衆参両院の三分の二以上の賛成を必要とする発議要件を定めた九六条を先に緩和することで
「国民は初めて、憲法が自分たちの手にあると実感できる」と主張した。
小林教授は「改憲問題が長く議論されなかったのは改憲政党として結党しながら逃げてきた自民党の責任」と反論。
九六条先行論についても「大阪の人(日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長)が手を挙げたから言い出すのは、あまりに生臭くて品がなさ過ぎる。
堂々と九条から議論してほしい」と批判した。
自民党の山谷えり子参院議員は「憲法は国柄や歴史、文化を国民と共有するものだ」と持論を展開。
自民党の改憲草案には、こうした点を尊重する文言が盛り込まれているが、
小林教授は「そんなことを最高法規から説教されたくない。法は道徳に踏み込まず、という格言が世界の常識だ」と主張した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013060602000131.html
http://blog.livedoor.jp/woodgate1313-sakaiappeal/archives/28086073.html
■学者らが96条改正反対で声明 「人権侵害の恐れ増大」
阪口正二郎一橋大教授(左)と若手弁護士ら=2日午後、参院議員会館
改憲手続きを定めた96条の改正や自民党の憲法改正草案に反対する共同声明を発表した、
憲法学者と若手弁護士が2日、東京都内で記者会見し、
改憲手続きを定めた96条の改正や自民党の憲法改正草案に反対する共同声明を発表した。
声明は、国会の発議要件を緩和する96条改正について
「時の権力者や多数者の意向で人権侵害がなされる危険性が増大する」と警鐘を鳴らした。
共同声明には、全国の憲法学者約60人と若手弁護士約450人が賛同。
自民党が昨年4月に発表した改憲草案に関しても「国民の義務を拡大する一方、国家権力の権限を増大させている」と指摘し、
立憲主義を否定する動きだと批判した。
http://www.47news.jp/CN/201307/CN2013070201002095.html
■日本ペンクラブ:憲法96条改変に反対
日本ペンクラブ(浅田次郎会長)は21日、憲法96条を改め、改正の発議要件緩和を目指す動きについて
「民主主義の根幹を危うくする」として反対の声明を出した。
「政界の一部の96条改変の動きは、憲法の平和主義を変更し、言論・表現・結社の自由を制約することを視野に入れている。
主権在民の豊かな可能性をふさぎ、立憲主義を否定することにつながる」としている。
http://mainichi.jp/select/news/20130622k0000m040045000c.html
■憲法96条改正に反対=ペンクラブ
日本ペンクラブ(浅田次郎会長)は21日、自民党が参院選の公約に掲げる憲法96条の改正に反対する声明を発表した。
憲法改正の発議要件を衆参各議院の3分の2以上の賛成から過半数に緩めることは
「多様な言論の中から合意を作り上げる主権在民の可能性をふさぎ、(国家権力を制限する)立憲主義の否定につながる。
民主主義の根幹を危うくするものだ」と批判している。
記者会見した浅田会長は「改憲の是非以前に、手続きから変えてしまうことの無謀さに反対する。見過ごしてはいけない」と訴えた。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201306/2013062100786
■日本ペンクラブ、憲法96条改正に反対声明
日本ペンクラブの浅田次郎会長、吉岡忍専務理事らが21日、東京都内で記者会見を開き、憲法96条の改正に反対する声明を発表した。
改憲の発議要件を緩和しようとすることへの危機感を表明している。
声明は、改憲に高いハードルを設けている96条は、権力の恣意や専横を退ける立憲主義の重要な一環であると指摘。
96条改正は「多様な言論のなかから合意を作り上げていく主権在民の豊かな可能性」をふさぎ、立憲主義の否定につながると訴えている。
吉岡専務理事は「単なる手続きの問題ではなく、憲法の根幹や、社会を動かす原理をも変えてしまう恐れがある」と発言。
浅田会長は「無謀でおかしな話。これがまかり通るのであれば、いろいろなことに援用されてしまう」と話した。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20130621-OHT1T00100.htm
■論点:憲法をめぐる課題とは
◇国益考えれば改正は無用−−長谷部恭男・東京大教授
現在の日本国憲法は、立憲主義に基づく議会制民主主義の憲法として見たとき、ごく標準的なものだ。
つまり、世の中にはいろいろな考え方があるので、それぞれを公平に尊重しつつ共存を目指す、という原理だ。
今、どこかを変えなくては困るという課題はない。なぜ変えようとしているのかよく分からない。
政治の重要な役割を果たす人たちは、もっと喫緊の課題、例えば財政再建や社会保障の再整備などに力を注ぐべきだ。
改憲論の中には「押しつけられた憲法だから」という主張もあるようだが、そもそも憲法は押しつけられるものだ。
アメリカでも南北戦争の結果、南部諸州は北部から押しつけられた。
「日本国憲法は外国であるアメリカに押しつけられた」という議論もあるが、
第二次世界大戦はファシズムと議会制民主主義という、国の根本原理を巡る深刻な対立だった。
その戦争に負けた以上、議会制民主主義を受け入れざるを得なかった。冷戦で敗北した東側と同じだ。
憲法は、中長期的に守っていくべき社会の基本原則だ。
憲法96条が定める改正の発議条件(衆参両院3分の2以上の議員による賛成が必要)を緩和すべきだ、
という主張がある。憲法が変えにくくされているのは、時々の政治的多数派が都合よく変えようとすると、収拾のつかない混乱になりかねないからだ。
選挙の度に改正されるのでは、何のための憲法か分からない。
また今は3分の2以上が必要なので、なるべく広いコンセンサスを得るような、ほどほどの改正案が出てくる。
これが2分の1超になれば、ぎりぎり過半数の人が賛成する提案で、極めて党派的な改正が可能となる。
さらに改正に成功したあと、発議の条件を3分の2以上に戻して変えにくくすることもあり得る。
「『新しい人権』を憲法に書き込むべきだ」という意見について考えると、
例えばプライバシーや環境権は、すでに個人の尊重を規定した憲法13条によって当然守られるべきものと判例などで定着している。
改めてこれらを書き込みましょうということになると、「『新しい人権』はこれで打ち止めです」ということになりかねない。
http://mainichi.jp/select/news/20130503ddm004070029000c.html
■自民党改憲草案に危機感――若手弁護士の会結成
「明日の自由を守る若手弁護士の会」の会見の様子=4月17日。(撮影/小石勝朗)
自民党の「憲法改正草案」に危機感を抱いた弁護士有志が「明日の自由を守る若手弁護士の会」を結成し、活動を始めた。
今月一七日に東京・霞が関で記者会見し、取り組みをアピールした。
「若手」の範囲は弁護士登録してから一五年以内で、現在、会員は全国に約二二〇人。
二〇〜三〇代が中心なので、特に同世代への浸透を意識している。
護憲・改憲の枠を超え、イデオロギーにとらわれずに、自民党改憲草案に反対していくのが目的だという。
共同代表の神保大地弁護士(札幌弁護士会)は自民党草案を読んだ時に受けた衝撃をこう語った。
「二つの危機感に襲われました。
一つは、私たちの生活や未来はどうなってしまうのかという漠然としたもの。
もう一つは、次の国政選挙の結果によっては改憲が実現してしまうかもしれないという切迫したもの。
市民に対して、広く、わかりやすく、しかも短期間で知らせる必要を感じ、会を設立して行動することにしました」
まず、「憲法が変わっちゃったらどうなるの?」と題したA4判四つ折りのパンフレット(一部一五円)を発行した。
自民党草案が立憲主義や表現の自由、平和主義、社会保障をどう変えようとしているか説明し、
「私たちの生活や生き方に関わる大問題です」と呼びかけている。すでに二万部を超す注文がきているという。
「憲法ってなあに?」と題した紙芝居も作った。
立憲主義がテーマで、独裁者の王様の権力を縛る「憲法」が誕生するいきさつを描いている。
「憲法は本来、独裁や圧政を防ぎ、国民の権利や自由を守るためのものなのに、
自民党草案は国家と国民の関係を近代以前の状態に戻そうとしている。そこに焦点を当てた」とメンバー。
ネットや講演、雑誌への寄稿を通して発信を続けるとともに、憲法学者との共同アピール、国会議員や首長への働きかけもしたい、と意欲を燃やしている。
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=3289
■憲法第96条の改正に反対する声明 明日の自由を守る若手弁護士の会
政権与党に返り咲いた自由民主党は、着々と憲法改正への歩みを進めています。
今夏参院選に向けて、すでに党幹部あるいは安倍首相自身から、第96条改正への意欲的な発言がなされています。
また日本維新の会等もこれに同調する姿勢を見せています。
しかし、自民党などが目指す憲法改正要件の緩和は、単なる手続き要件の改正で済まされる話ではありません。
そもそも憲法は、立憲主義、すなわち、人が生まれながらにして持つ自由・権利を、
国家権力によっても奪われることの無いように、権力を縛る法として定められているものです。
そして憲法は、権力を縛る手段として、権力分立を基本原理として統治機構を規定しています。
だからこそ、多数を占める時の権力者が思いのままに憲法を変えて、圧政や専制政治に走ったり、
容易に人権を制約したりすることの無いよう、憲法改正には厳格な手続きが必要とされているのです。
第96条が厳格な改正要件を規定しているのは、このような憲法の性質上当然のことであり、
「手続きが厳格で憲法を改正できないから第96条を改正して要件を緩める」という主張は本末転倒といえます。
日本国憲法は一度も改正されたことがないことを理由に第96条の要件の厳格さを批判する動きがありますが、
他国の改正の多くは日本国憲法と同等又はそれ以上に厳しい改正手続を経て実現されてきたものであり、
手続きが厳格であるから改正ができないという議論は誤りです。
真に必要な改正であれば、他国のように正規の手続きで改正することができるはずです。
自民党改憲草案や同党幹部の発言などに表れているように、
憲法改正要件の緩和は、その先にある立憲主義の否定、公益や公の秩序による大幅な人権の制約、非戦・平和主義の実質的な放棄などへ向けた突破口です。
こうした真の狙いを議論の土俵に上げず、改正要件だけ最初に変えようという姿勢は、主権者である国民を欺く不誠実な態度ではないでしょうか。
私たちは、憲法改正要件を緩和する憲法第96条の改正に反対し、これが単なる手続き要件の変更では済まされないことが広く知らされること、
また、憲法そのものの存在意義につき国民の間で議論が広がり、理解が深まることを願うものです。
http://www.asuno-jiyuu.com/2013/05/blog-post_3.html?spref=tw
■憲法第96条の発議要件緩和に反対する意見書(日弁連)
日本国憲法第96条について提案されている改正案は,いずれも国の基本的な在り方を不安定にし,
立憲主義と基本的人権尊重の立場に反するものとしてきわめて問題であり,許されないものと言わなければならない。
当連合会は,憲法改正の発議要件を緩和しようとする憲法第96条改正提案には強く反対するものである。
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/2013/opinion_130314_2.pdf
■チェック改憲 改正手続き国際比較すると 「日本だけ厳しい」はウソ
自民党は、日本の憲法改正要件は、諸外国の中でとりわけ厳しいと主張。
改憲を悲願とする安倍晋三首相は要件の緩和に意欲を燃やす。だが、外国の要件はそんなに緩くない。…
「むしろ圧倒的多数の国では、日本より厳格な手続きを定めている」(明治大学・辻村みよ子教授)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013041302000133.html
【関連2】
■【憲法改正問題】 96条改正に新聞各紙は批判続出 「姑息な手段」「熟議ないがしろになる」
▽「96条改正は、姑息」
http://www.47news.jp/47topics/e/241481.php
■東奥日報社説
「96条は単なる手続きの問題ではない。衆参の過半数で改正できる一般の法律より要件を厳しくしているのは、
権力による恣意(しい)的な改憲を許さないという縛りだ。要件緩和は立憲主義を覆すものと言わざるを得ない」
■愛媛新聞社説
「改正要件の議論を先行させることについては、違和感をぬぐえない。
96条の改正は憲法の精神の危機である。国民が国家を監視するための法律であるからこそ、
憲法には権力の安易な介入を防ぐための装置があるのだ。その意義を再認識したい」
■西日本新聞社説
「憲法改正が必要というなら、手続きではなく、日本の国のあり方に関する当該条文を正面から掲げ、堂々と国民的議論の遡上(そじょう)に載せるべきである。
私たちは、まず96条から改正すべきだとの主張には、反対する姿勢を明確にしておきたい」
■福島民報社説
「東日本大震災と東電第1原発事故の発生以来、住民の自由や権利が脅かされる状況が依然として続く。
25条で掲げられた<健康で文化的な最低限度の生活>をまず回復し、しっかり保証していくのが国や政治家の役目ではないか」…
「自民党は憲法改正案を昨春決めた。参院選の争点にするという。被災者の苦しみをそっちのけにした論議では困る」
■宮崎日日新聞社説
「憲法25条ですべての国民に保障された『健康で文化的な最低限度の生活』をしっかりと思い起こしたい。
少数者の権利が忘れられ、多数者の声だけがまかり通るのは、憲政の本来の趣旨ではあるまい」
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-2376.html
■社説:憲法と改憲手続き 96条の改正に反対する
上映中の映画「リンカーン」は、米国史上最も偉大な大統領といわれるリンカーンが南北戦争のさなか、
奴隷解放をうたう憲法修正13条の下院可決に文字通り政治生命を懸けた物語だ。
彼の前に立ちはだかったのは、可決に必要な「3分の2」以上の多数という壁だった。
反対する議員に会って「自らの心に問え」と迫るリンカーン。
自由と平等、公正さへの揺るぎない信念と根気強い説得で、憲法修正13条の賛同者はついに3分の2を超える。
憲法とは何か、憲法を変えるとはどういうことか。映画は150年前の米国を描きつつ、今の私たちにも多くのことを考えさせる。
◇「権力者をしばる鎖」
安倍晋三首相と自民党は、この夏にある参院選の公約に憲法96条の改正を掲げるとしている。
かつてない改憲論議の高まりの中で迎えた、66回目の憲法記念日である。
96条は憲法改正の入り口、改憲の手続き条項だ。改憲は衆参各院の総議員の「3分の2」以上の賛成で発議し、
国民投票で過半数を得ることが必要と規定されている。この「3分の2」を「過半数」にして発議の条件を緩和し、改憲しやすくするのが96条改正案である。
憲法には、次に掲げるような基本理念が盛り込まれている。
「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、
これらの権利は、過去幾多の試錬に堪え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」(97条)
「この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」(98条1項)
その時の多数派が一時的な勢いで変えてはならない普遍の原理を定めたのが憲法なのであり、改憲には厳格な要件が必要だ。
ゆえに私たちは、96条改正に反対する。
確かに、過半数で結論を出すのが民主主義の通常のルールである。
しかし、憲法は基本的人権を保障し、それに反する法律は認めないという「法の中の法」だ。
その憲法からチェックを受けるべき一般の法律と憲法を同列に扱うのは、本末転倒と言うべきだろう。
米独立宣言の起草者で大統領にもなったジェファーソンの言葉に「自由な政治は信頼ではなく警戒心によって作られる。
権力は憲法の鎖でしばっておこう」というのがある。
健全な民主主義は、権力者が「多数の暴政」(フランス人思想家トクビル)に陥りがちな危険を常に意識することで成り立つ。
改憲にあたって、国論を分裂させかねない「51対49」ではなく、
あえて「3分の2」以上の多数が発議の条件となっている重みを、改めてかみしめたい。
外国と比べて改憲条件が厳しすぎる、というのも間違いだ。
米国は今も両院の3分の2以上による発議が必要だし、59回も改憲している例として自民党が引き合いに出すドイツも、両院の3分の2以上が議決要件となっている。
改憲のハードルの高さと改憲の回数に因果関係はない。問われるべきは改憲手続きではなく、改憲論議の質と成熟度だ。
改憲してきた国にはそれがあった。日本にはなかった。
◇堂々と中身を論じよ
改憲案は最後に国民投票に付すことから、首相や自民党は、発議要件を緩和するのは国民の意思で決めてもらうためだと言う。
こうした主張は、代議制民主主義の自己否定につながる危うさをはらむ。
普遍的な原理規範である憲法を変えるには、まず、国民の代表者の集まりである国会が徹底的に審議を尽くし、
国民を納得させるような広範なコンセンサスを形成することが大前提だ。
それを踏まえた発議と国民投票という二重のしばりが、憲法を最高法規たらしめている。
国民代表による熟議と国民投票が補完しあうことで、改憲は初めて説得力を持ち、社会に浸透する。
過半数で決め、あとは国民に委ねる、という態度は、立憲主義国家の政治家として無責任ではないか。
衆院憲法調査会が8年前にまとめた報告書には
「できるだけ国民の間に共通認識を醸成し、その民意を確認する手続きとして国民投票が行われるという過程になるように、国会議員は努力する責任がある」
「たとえ政権交代があった場合でもぶれることのない、一貫した共通のルールを作る視点が大事であり、そのためには国会で幅広い合意を得ることが重要だ」
などの意見が盛り込まれている。改憲を発議にするにあたって、国会が果たす役割と責任を強く自覚する姿勢である。
そうした声は今、手っ取り早く憲法を変えようという動きにかき消されつつある。憲法が軽く扱われる風潮を危惧する。
私たちは、戦後日本の平和と発展を支えてきた憲法を評価する。
その精神を生かしつつ、時代に合わせて変えるべきものがあれば、改憲手続きの緩和から入るのではなく、中身を論ずべきだと考える。
国会は堂々と、正面から「3分の2」の壁に立ち向かうべきである。
http://mainichi.jp/opinion/news/20130503k0000m070110000c2.html
【社説】憲法を考える 歴史がつなぐ知恵の鎖 2013年5月3日
憲法改正を叫ぶ勢力の最大目的は、九条を変えることでしょう。国防軍創設の必要性がどこにあるのでしょうか。平和憲法を守る方が現実的です。
選挙で第一党になる、これは民主的な手法です。多数決で法律をつくる、これも民主的です。権力が憲法の制約から自由になる法律をつくったら…。
ワイマール憲法当時のドイツで実際に起きたことです。国民主権を採用し、民主主義的な制度を広範に導入した近代憲法でした。
ヒトラーは国民投票という手段も乱発して、反対勢力を壊滅させ、独裁者になりました。憲法は破壊されたのです。
◆熱狂を縛る立憲主義
日本国憲法の役目は、むろん「権力を縛る鎖」です。立憲主義と呼ばれます。
大日本帝国憲法でも、伊藤博文が「君権を制限し、臣民の権利を保障すること」と述べたことは有名です。
たとえ国民が選んだ国家権力であれ、その力を濫用する恐れがあるので、鎖で縛ってあるのです。
また、日本国民の過去の経験が、現在の国民をつなぎ留める“鎖”でもあるでしょう。
憲法学者の樋口陽一東大名誉教授は「確かに国民が自分で自分の手をあらかじめ縛っているのです。
それが今日の立憲主義の知恵なのです」と語ります。
人間とはある政治勢力の熱狂に浮かれたり、しらけた状態で世の中に流されたりします。
そんな移ろいやすさゆえに、過去の人々が憲法で、われわれの内なる愚かさを拘束しているのです。
民主主義は本来、多数者の意思も少数者の意思もくみ取る装置ですが、多数決を制すれば物事は決まります。
今日の人民は明日の人民を拘束できません。今日と明日の民意が異なったりするからです。
それに対し、立憲主義の原理は、正反対の働きをします。
◆9条改正の必要はない
「国民主権といえども、服さねばならない何かがある、それが憲法の中核です。
例えば一三条の『個人の尊重』などは人類普遍の原理です。
近代デモクラシーでは、立憲主義を用い、単純多数決では変えられない約束事をいくつも定めているのです」(樋口さん)
自民党の憲法改正草案は、専門家から「非立憲主義的だ」と批判が上がっています。国民の権利に後ろ向きで、国民の義務が大幅に拡大しているからです。
前文では抽象的な表現ながら、国を守ることを国民の義務とし、九条で国防軍の保持を明記しています。
しかし、元防衛官僚の柳沢協二さんは「九条改正も集団的自衛権を認める必要性も、現在の日本には存在しません」と語ります。
旧防衛庁の官房長や防衛研究所所長、内閣官房の副長官補として、安全保障を担当した人です。
「情勢の変化といえば、北朝鮮のミサイルと中国の海洋進出でしょう。
いずれも個別的自衛権の問題で、たとえ尖閣諸島で摩擦が起きても、外交努力によって解決すべき事柄です。
九条の改正は、中国や韓国はもちろん、アジア諸国も希望していないのは明らかです。米国も波風立てないでほしいと思っているでしょう」
九条を変えないと国が守れないという現実自体がないのです。
米国の最大の経済相手国は、中国です。
日中間の戦争など望むはずがありません。
「米国は武力が主な手段ではなくなっている時代だと認識しています。
冷戦時代は『脅威と抑止』論でしたが、今は『共存』と『摩擦』がテーマの時代です。
必要なのは勇ましい議論ではなく、むしろブレーキです」
柳沢さんは「防衛官僚のプライドとは、今の憲法の中で国を守ることだ」とも明言しました。
国防軍が実現したら、どんなことが起きるのでしょうか。
樋口さんは「自衛隊は国外での戦闘行為は許されていませんが、その枠がはずれてしまう」と語ります。
「反戦的な言論や市民運動が自由に行われるのは、九条が歯止めになっているからです。
国防軍ができれば、その足を引っ張る言論は封殺されかねません。
軍事的な価値を強調するように、学校教育も変えようとするでしょう」
安倍晋三首相の祖父・岸信介氏は「日本国憲法こそ戦後の諸悪の根源」のごとく批判しました。
でも、憲法施行から六十六年も平和だった歴史は、「悪」でしょうか。改憲論は長く国民の意思によって阻まれてきたのです。
◆“悪魔”を阻むハードル
首相は九六条の改憲規定に手を付けます。発議要件を議員の三分の二から過半数へ緩和する案です。
しかし、どの先進国でも単純多数決という“悪魔”を防ぐため、高い改憲ハードルを設けているのです。
九六条がまず、いけにえになれば、多数派は憲法の中核精神すら破壊しかねません。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013050302000147.html
http://blog.goo.ne.jp/41tm52/e/ea2db7c558825370cd17dfafd6b1280b
もともと、自由主義と(多数決主義的)民主主義は敵対関係にあった。
歴史上、権力者による大衆操作と権威主義的思考様式の浸透が成功して、民衆自らが自由と人権を放棄する行動を取ったことも(「自由からの逃走」)。
このように(多数決主義的)民主主義では、全ての者に対して個人の尊厳を保障することができなくなってしまう事態も起き得る(「単純多数決という“悪魔”」)。
■社説:憲法96条 統治者には拘束が必要だ
スポーツで、試合のルールを自分に有利なように変更することは許されない。
例えば野球で、貧打に悩むチームが「三振」を「四振」に変えてくれと相手チームに持ち掛けても、通るはずがなかろう。
憲法改正手続きをめぐって、安倍晋三首相がルール変更の必要性を繰り返し主張している。理由は「ハードルが高すぎる」。
最高権力者が簡単に緩和を口にするようでは、専横とのそしりは免れない。
何より、立憲主義に対する理解不足を疑われても仕方がない。
首相が改憲を志向することの是非は、あえて問わない。
だが、衆院選大勝の余勢を駆ってルール変更に動くことは無謀であり、国民的理解も得られない。
議論になっているのは、憲法改正手続きについて規定している96条。
改憲には衆参両院とも総員の3分の2以上の賛成で国会が発議し、承認には「国民投票で過半数の賛成が必要」としている。
首相はかねて96条を問題視してきた。
衆院選前には「たった3分の1を超える国会議員の反対で、発議できないのはおかしい。
そういう(改憲に消極的な)横柄な議員には退場してもらう選挙を行うべきだ」と述べた。
発議に「3分の2以上」という特別多数を求めている点で、日本国憲法は「硬性憲法」といわれる。
自民党など改憲肯定派は、これを過半数という単純多数に引き下げることで、改憲に向けた環境整備を図ろうとしている。
「軟性憲法」化だ。
仙台市出身の憲法学者、樋口陽一東大名誉教授は「憲法は権力を持っている人たちを縛り、持たない人の自由を確保するのが主眼」と述べている。
統治者を拘束する国の最高法規であるからこそ、発議要件は厳格に。
これが「硬性」に込められたメッセージだろう。
発議要件を過半数とした場合、確かに発議は容易になる。
だが、今度は政権交代があるたびに与党の意向でいとも簡単に改廃できるようになる。
「不磨」と同様、「朝令暮改」も憲法を害する行為であることを指摘しておきたい。
首相にとってのジレンマは96条を変えるにしても、差し当たりは現行の規定に沿って事を進めなければならないことだ。
つまり、衆参で3分の2以上の改憲勢力を確保する必要がある。
自民、公明両党は衆院で325議席を獲得。数字上は可能だが、公明党は発議要件の緩和に慎重だ。
このため、改憲に前向きな日本維新の会などとの連携を視野に入れる。
焦点は参院だ。自民党はことし夏の参院選で「ねじれ状態」の解消はもちろんのこと、
民主党内にも一定数いる憲法改正派を糾合して、改憲を政治日程に載せる戦略を描いている。
であるなら、参院選を「憲法とは何か」という根底的な問いをめぐる国民的議論の場としなければならない。
「横柄な議員」とは誰のことを言うのか、見極めるのは私たち国民である。
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/15a3278c5fba1c73368cd111e6112662
>スポーツで、試合のルールを自分に有利なように変更することは許されない。
>最高権力者が簡単に(改正手続きの)緩和(=ルール変更)を口にするようでは、専横とのそしりは免れない。
>何より、立憲主義に対する理解不足を疑われても仕方がない。
>仙台市出身の憲法学者、樋口陽一東大名誉教授は「憲法は権力を持っている人たちを縛り、持たない人の自由を確保するのが主眼」と述べている。
>参院選を「憲法とは何か」という根底的な問いをめぐる国民的議論の場としなければならない。
>「横柄な議員」とは誰のことを言うのか、見極めるのは私たち国民である。
「横柄な議員」とは、もちろん「この偉い俺様が憲法を改正して、愚民どもをしつけてやる!
俺達の命令で思い通りに動かしてやる!この国をもっと俺達の思い通りにできる国にしてやる!」
と傲慢なたくらみを抱いている自民党議員や維新議員たちのことである。
■社説:憲法96条改正 権力の専制化を危惧する
9日に会談した安倍晋三首相と日本維新共同代表の橋下徹大阪市長は、
発議要件を現行の衆参両院議員の「3分の2」以上の賛成から過半数の賛成に緩和すべきとの認識で一致したとされる。
しかし、一部改正では済まず、憲法の全面改正の突破口となる大ごとだ。
性急な国会上程には反対だ。
政治権力の専制化や政治の恣意(しい)的支配を制限する。
これが立憲主義の憲法の核心で、日本国憲法もその流れをくむ。
憲法96条は、改憲は衆参両院とも総員の3分の2以上の賛成で国会が発議し、承認には「国民投票で過半数の賛成が必要」と定める。
改正のハードルが高い日本国憲法は「硬性憲法」と言われる。
改正手続きが厳格なのは、米国をはじめ世界の多数派とされる。
安倍首相は国会で「憲法を国民に取り戻すため(改憲の発議要件を国会議員の)3分の2以上から過半数にする」と、
96条改正の先行実施に意欲を表明している。
民主党は「どのような憲法を目指すかという本質の議論を飛ばし、全て変えられるように96条を改正するのは乱暴だ」(細野豪志幹事長)と反論。
筋の通った指摘だ。
宿願である改憲を通常の法改正と同様にやりやすくする。これが首相の狙いだろう。
当然、憲法9条を含む抜本改正が視野にある。
96条改正の先行実施には、改憲派の憲法学者の間からも「立憲主義を無視した邪道だ」(小林節・慶応大教授=13日付東京新聞)といった批判が出ている。
現行憲法のどこに支障があるのか。
権力を縛る立憲主義に逆行し、国民の人権が脅かされないか。
発議要件を緩和し政権交代の度に改憲を繰り返さないか。疑問が尽きない。(後略)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-205315-storytopic-11.html
>96条改正の先行実施には、改憲派の憲法学者の間からも「立憲主義を無視した邪道だ」(小林節・慶応大教授=13日付東京新聞)といった批判が出ている。
ほんとうにそうだ。
北朝鮮や中国のような国民の権利・自由を大幅に縮小した国家主義的憲法を制定したいのなら、
自民党や維新は、現行ルール(3分の2以上)に則って堂々と発議すればよい。
ルールを自分たちに有利なように変更してから発議するのは、フェアではない。邪道だ。
■社説:憲法改正の発議 「3分の2」緩和は邪道の極み
(前略)安倍首相らは発議要件の「3分の2以上」を「過半数」にしたいという。
平和条項の9条などと比べ、イデオロギー色の薄い手続き論ならば、議論と合意がしやすいと踏んだのだろう。
実際、制度改正に思い入れのある日本維新の会、みんなの党が同調している。
ただ、改正発議のハードルを通常の法案可決と同じ過半数に下げると、憲法は極端に軟性化しかねない。
与党本位の憲法改正に道を開いたとしても、実はもろ刃の剣だ。
与党の地位とて不変ではない。
96条改正に反対だった政治勢力が政権に就いた場合、今度は過半数の賛成によって再び3分の2へと戻す発議がなされる局面もありうる。
国民投票が控えるとはいえ、無用な政治の浪費を繰り返すことになりかねない。
スポーツの試合で片方に有利なルールがまかり通るのであれば観客はしらけよう。
集団的自衛権の扱いや二院制のあり方といった憲法をめぐる核心の議論よりも、手続き論を優先するのは邪道の極みというよりほかない。
憲法は時の政権の都合で憲法秩序をゆるがせない。
96条は権力者を縛る憲法の本質であり、最高法規性のあらわれである。
どんな理由があっても96条の改正は許されないとする学説さえあるほどだ。
日本の憲法は改正されたことがない。
ただ、それは自民党が問題視するハードルの高さが原因でないのは明白だ。
憲法改正を試みた米国や欧州の国々は、ハードルが低いわけではない。
硬性の程度は日本とさほど変わらず、多くは二院の3分の2要件を乗り越えて改正を成している。
憲法改正は国会や国民の納得を得るために、どれだけ政治的な努力が注がれてきたかが問われる。
欧米の国々は幅広い合意を得る過程を怠らなかったということだ。(後略)
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/b7522fa1464a00f60492610873e1a800
■社説:参院選と憲法―首相は疑念にこたえよ
憲法に対する首相の基本的な認識についても、疑念を抱かざるを得ない。
首相は日本記者クラブの党首討論会で、権力に縛りをかける憲法の役割について「王権の時代、専制主義的な政府に対する憲法という考え方」だと語った。
だが、民主主義のもとでも権力や多数派がしばしば暴走することを、歴史は教えている。
それ(権力に縛りをかける憲法)を時代錯誤であるかのように切り捨てるのは、認識不足もはなはだしい。
http://www.asahi.com/paper/editorial20130710.html#Edit1
【関連3】
■ドキュメンタリー監督、想田和弘氏が抱く改憲への危惧。「自民改憲案を認めると、僕らの基本的人権が事実上なくなってしまうよ」
http://togetter.com/li/296331
「国民の基本的人権は国家が自由に剥奪できます」という自民党改憲案のトンデモ内容まとめ
http://togetter.com/li/294319
【個人の尊重の否定】公民の先生が呆れかえる自民党改憲案の問題点の凄まじさ【立憲主義の否定】
http://togetter.com/li/294854
自民党憲法改正案が立憲主義に挑戦しまくってて悪質すぎる件
http://togetter.com/li/294508
【これはまずい】"個人の尊重"を否定する自民党の憲法改正案
個人の抹消、立憲主義の無視、近代の否定、人類の歴史すら否定・・・
憲法の精神を何もわかっていなかったことが判明した自民党がつくった恐怖の改憲案について。
http://togetter.com/li/414582
■法律が大の苦手な僕が改憲問題を論じる必要に迫られる理由(映画作家、想田和弘氏)
自民党が発表した日本国憲法改定案は、日本国憲法よりも、大日本帝国憲法や中国・北朝鮮の憲法にずっと近いシロモノである。
中国や北朝鮮の憲法も大日本帝国憲法や自民党改憲案と似たような構造。
自民党の改憲案には、言論の自由だけでなく、わたしたちの基本的人権を制限するような改変が、あちらこちらに見られる。
政権与党がそのような意志を持っていることに、僕は単純に恐怖を憶える。
大切なことは、「誰が作った憲法か」などではなく、
国家権力の暴走に歯止めをかけ、どれだけ個人の尊厳、人権・自由尊重の理念を貫いているかである。(想田和弘氏)
http://www.magazine9.jp/soda/130220/
■改憲論者・鈴木邦男氏が警鐘
「安倍政権が改憲するなら現行憲法のほうがマシ」―「右傾化する日本」を新右翼としてどう見るか──
改憲、愛国心強制、排外主義を乗り越えて
「個人の自由や権利が束縛され、自民党が支配しやすい国家になる」(鈴木邦男氏)。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/74227
■スペシャルインタビュー作家・平野啓一郎さん「96条改憲は間違っている」
■自民改憲案にクラクラする
僕は基本的に憲法改正絶対反対派ではありません。
具体的には第4章(国会)、第5章(内閣)については議論すべきと考えています。
しかし、今、安倍政権が掲げている96条改定には反対です。…
「公共の福祉」を「公益」と変えているのもおかしい。「公共の福祉」は要するに「人の迷惑にならない限りは」という意味ですが、
「公益」というのは誰もがハッキングできる概念です。非常に恣意性が強い。
“働かざるもの食うべからず”と生活保護や社会保障を攻撃する政権与党が考える「公益」と僕が考える「公益」とはまったく違いますよ。
言い出せばきりがないくらい問題がありますが、こんな憲法は到底受け入れられません。
http://www.kyoto-minpo.net/archives/2013/06/01/post_9511.php
■憲法改正の論点をどう整理するか?(冷泉彰彦氏)
日本は基本的人権を認め、政府の権限に制約を加えるような憲法を持つのか、
あるいは中国やシンガポールのように国権を強化して私権を制限する憲法に向かうのかという議論です。
「公益と公の秩序」を重視しようという自民党案は明らかに後者
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2013/04/post-550.php
自民党の憲法改正案は、「明らかに」国権を強化して私権(権利・自由)を制限する憲法、つまり中国・シンガポール型の憲法。
欧米の近代立憲主義の歴史を踏まえた憲法ではない。
まちがいなく、今以上に息苦しい国になり、今以上に一般国民が与党政治家・官僚・経済権力者(ワタミ会長など)に搾取される国になる。
■日本では立憲主義の教育が、まったくなされていない
欧米緒国では小学校低学年の教科書にしてすでに「憲法とは個人の人権を守るために存在するもので、通常の法律とはまったく違う」
「民主主義とは代表者を選ぶことではなく、選んだその人たちを監視し続けること」と教育しているのに対し、
日本ではそのような認識がまったく伝承されていない。(伊藤真弁護士)
http://ro69.jp/blog/sight/80135
「憲法とは個人の人権を守るために存在するもので、通常の法律とはまったく違う」
「憲法は権力を持っている人たちを縛り、持たない人の自由を確保するのが主眼」
「民主主義とは代表者を選ぶことではなく、選んだその人たちを監視し続けること」
以上が、自民党や自民党支持者が理解していないこと。
あるいは、彼らは、理解しているけど、非権力者の国民から権利・自由を奪って、「家畜化」「臣民化」してやろうとたくらんでいる確信犯か。
「この偉い俺様が愚民どもをしつけてやる。
そのためにも、憲法を改正して、愚民どもの権利・自由を制限し、多くの義務を課してやる」
これが“確信犯”の自民党議員の本音か。
その「偉い俺様」の自民党議員のなかには、女子学生を買春したり、ベトナムでホステスを買春したり、
挙句の果ては未成年者を泥酔させ、準強姦行為に及んだりする議員もいるわけで・・・。
【関連4】
■特集ワイド:憲法96条改正に異論あり 9条を変えるための前段、改憲派からも「正道じゃない」
「絶対ダメだよ。邪道。憲法の何たるかをまるで分かっちゃいない」
安倍首相らの動きを一刀両断にするのは憲法学が専門の慶応大教授、小林節さん(64)だ。
護憲派ではない。今も昔も改憲派。
戦争放棄と戦力不保持を定めた9条は「空想的だ」と切り捨て、自衛戦争や軍隊の存在を認めるべきだと訴える。
改憲派の理論的支柱として古くから自民党の勉強会の指南役を務め、テレビの討論番組でも保守派の論客として紹介されている。
その人がなぜ?
「権力者も人間、神様じゃない。堕落し、時のムードに乗っかって勝手なことをやり始める恐れは常にある。
その歯止めになるのが憲法。つまり国民が権力者を縛るための道具なんだよ。それが立憲主義、近代国家の原則。
だからこそモノの弾みのような多数決で変えられないよう、96条であえてがっちり固めているんだ。それなのに……」。
静かな大学研究室で、小林さんの頭から今にも湯気が噴き出る音が聞こえそうだ。
http://mainichi.jp/feature/news/20130409dde012010003000c.html
「縛られた当事者が『やりたいことができないから』と改正ルールの緩和を言い出すなんて本末転倒、憲法の本質を無視した暴挙だよ。
近代国家の否定だ。9条でも何でも自民党が思い通りに改憲したいなら、国民が納得する改正案を示して選挙に勝ちゃいいんだ。
それが正道というものでしょう」
そもそも「日本の改憲要件は他国に比べ厳しすぎる」という改正派の認識は間違っている、と続ける。
例えば戦後6回の憲法改正(修正)をしてきた米国。連邦議会の上下両院の3分の2以上の議員が賛成すれば改正が提案され、
全米50州のうち4分の3の議会での批准が必要で「日本より厳しいんだ」。
諸外国で改憲要件を変えるための憲法改正がなされた例は「記憶にない」。
他国と同等の国にしたいだけと訴える改憲派が、例のない特殊な手法に手を染めようというのだろうか。
■
なぜそうまでして改憲したいのか。
小林さんは、自民党が昨年4月に公表した「問題だらけ」の憲法改正草案そのものの中に真意がちらついているとみる。
「例えば24条は『家族は互いに助け合わねばならない』とある。ほんと余計なお世話だね。
憲法が国民の私生活や道徳に介入すべきじゃないんです」
国旗・国歌を定めた3条もやり玉に挙げた。「国旗・国歌は国の象徴、いわば国民の人格の一部なんです。
日の丸はともかく『君が代』は天皇制の賛美歌として用いられた記録があり、反対論もある。
国民的合意がないのに『憲法に書けば勝ち』じゃない」
そこにあるのは「なんじら国民に憲法で教えを授ける」という姿勢だ。
その傾向は「祖父や父の代から地域の殿さまのように扱われてきた世襲議員に顕著」と小林さん。
かつて自身が指南した自民党がまとめた改正草案だが「『上から目線』が抜けないからこんなものになる」と手厳しい。
重ねて言うが、小林さんは護憲派ではない。しかし今や改憲派から「変節者」というレッテルを貼られつつある。
2年前、自民党を含む超党派議員が96条改正を目指す議員連盟を発足させた時のこと。
講演を依頼され、「僕は改正反対ですよ」と伝えると立ち消えになった。
以来、自民党のその種の集まりには、ぱったり呼ばれなくなった。改憲派メディアからの取材も激減した。
小林さんは生まれつき、手に障害がある。小さな頃からいじめられ、いつも一人。誰かと群れたくても群れさせてもらえなかった。
「憲法学者としての良心に従って発言し、批判しているだけ。ここは曲げられない。一人でいるのには慣れているからね」
■
96条という“障害”が除かれたら、何が起こるのか。
http://mainichi.jp/feature/news/20130409dde012010003000c2.html
>そこにあるのは「なんじら国民に憲法で教えを授ける」という姿勢だ。
>その傾向は「祖父や父の代から地域の殿さまのように扱われてきた世襲議員に顕著」と小林さん。
>かつて自身が指南した自民党がまとめた改正草案だが「『上から目線』が抜けないからこんなものになる」と手厳しい。
ほんとその通りだ。
「この偉い俺様が愚民どもをしつけてやる!」という傲慢な態度が、自民党憲法案の内容に見え隠れする。
■改憲論者が体を張って反対する自民党憲法改正草案愛される政治をせずして愛国を強要するストーカー的発想〜小林節氏
今の動きは96条をまず変えて憲法改正の手続き条件を下げるというものです。まるで裏口入学のようで、フェアではありません。…
憲法96条に触ると、憲法の本質(憲法とは、主権者である国民すなわち非権力者が意思として権力者を縛るもの)を壊して憲法ではなくなってしまいます。
憲法が普通の法律と同じになってしまう。
そういう憲法の何たるかを理解していない人々が、本気で改憲を目指し始めたということは危険だと思います。
憲法に管理されている人々が、憲法破壊を考えているわけです。…
憲法には憲法尊重擁護義務が書かれています。
ところが、自民党の勉強会などに呼ばれると、憲法尊重擁護義務はなぜ公務員だけに向けられて、国民には向けられないのかという愚かな質問をする。
憲法は国民が権力者に守らせる法であることを理解していない。
ですから自民党の憲法改正草案は、前提となる憲法観がそもそも間違っているんです。
したがって私は改憲派ですが、安倍政権で憲法改正を実現させてはならないと考えています。
絶対反対の立場で、体を張ってでも抵抗せざるを得ません。
自民党には全体的に上から目線があります。
本来は国民が上から目線で権力を管理するための憲法を、逆に権力者たちが使おうとしている。
小さい時から、どこに行っても、あの方のお坊ちゃん、お孫さんと言われて育ってきたから、我われとは感覚がズレている。…
私は何度も経験しましたが、自民党に参考人などで呼ばれると、意見を聞く時は「先生」と言う。
ところが彼らと違う意見を言うと、「小林さんアンタね、現実を知らないんだよ」などと言う。
エッて思うことが何度もありました。要するに彼らはすごくおごっているんです。…
だから自民党憲法草案も、露骨に自民党的感覚で、
この国はおかしい、国民は権利が多すぎておかしい、憲法でしつけてやろう
みたいな考えで作ったものなんです。
(小林節氏=憲法学者、慶大教授)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37671
■自民党憲法改正草案 国民の32大義務/権力ではなく、国民を縛る「憲法」?
http://matome.naver.jp/odai/2137164928767837401
■岐阜大学教授近藤真先生講演会「自民党による憲法改正案の問題点を考える」
「自民党の改憲構想は96条改憲を突破口に、国民投票を無効化し、ごく一部の政財界の望む社会を作り上げるため」
「復古憲法であり、憲法によって国民が国に完全に仕えることを規定」
http://togetter.com/li/523980
■自民党がたくらむ憲法改悪について、わかりやすく書かれたマンガです。
自民党改憲案とは、国民の権利・自由を大幅に制限する趣旨の前近代的な改憲案。
公権力者を縛る憲法が、非権力者の国民を縛る憲法に変えられてしまう。
http://nabeho.com/inomira/have_to_know.html
■自民党案の特徴として、
1.重んじているのは「公益及び公の秩序」であって、「公共の福祉」や「幸福」ではない
2.不可侵の権利より禁止事項や制限が目立つ
3.国への服従が強調されている
4.政府が権力を握るための条項がちりばめられている
が挙げられると思います。
https://twitter.com/han_kaiken_bot/status/355702975018176513
自民党&維新の憲法案は、国民の権利・自由を奪い、国民に多くの義務を課す全体主義的憲法案。
自民党&維新の憲法案は、非権力者の国民にとっては百害あって一利なし。
今以上に、息苦しい社会になる。今以上に、生きにくい社会になる。
自民党は、今以上に国民を自分達の思い通りにしたい、
そのためには、「公の秩序」「国民の義務(32個も!)」等の名の下に、
自民党にとって都合の悪い言論活動・表現活動を封じ込めたい。
そういう邪な意図が自民党改憲案に見え隠れする。
■自民、徴兵制検討を示唆 改憲案修正へ
自民党憲法改正推進本部(本部長・保利耕輔前政調会長)は会合で
徴兵制導入の検討を示唆するなど保守色を強く打ち出した論点を公表した。
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010030401000592.html
■余録:「最大多数の最大幸福」を提唱…
「最大多数の最大幸福」を提唱した英法学者ベンサムは、看守が一望で囚人を監視できる刑務所建設を計画したことでも知られる。
パノプティコンと呼ばれるこの監視方式は当時の英議会で退けられたが、後に多くの国の刑務所で採用された▲
むろん「最大多数の最大幸福」だからといって、何でも監視が許されるわけではない。
多数者が権力を握る民主主義に対し、自由主義や保守主義の思想家は「多数者の専制(せんせい)」の危険を警告した。
つまり民主政治には少数者が自由を脅かされる恐れが常にまとわりつく▲
どんなに世論の支持のある民主的権力でも、侵してはならない原則を示すのが憲法と法律である。
基本的人権を軸とする国民の権利はその核をなす。民主主義が自由と公正を失わぬためには確たる歯止めが必要なのである▲
兵庫県小野(おの)市で生活保護費の受給者にパチンコなどによる浪費を禁じ、
市民に浪費についての情報提供の責務を課した条例が論議を呼んでいる。県弁護士会は条例は違憲の疑いがあり、
市民による監視は社会的弱者への差別や偏見を助長すると指摘して廃止を求めた▲
確かに公費の受給者がギャンブルをする様を思えば目も険しくなる。
だが誰が受給者か知らぬ市民に通報の責務を課せば困窮者一般の暮らしが険しい視線を浴びることになりかねない。
市長は「監視でなく見守り」というが、窮状を見守られる側には視線が痛かろう▲
これまで法や専門知識にもとづく受給者への指導が不十分だったのならば拡充すればいい。
貧者のふところをのぞき込む不作法(ぶさほう)を奨励するルールはやはり「多数者の専制」に類するのではないか。
http://mainichi.jp/opinion/news/20130329k0000m070144000c.html
ミルやトクヴィルらは、「多数者の専制」に警鐘を鳴らしている。
ナチ政権も国民が選択した。権力者による大衆操作や権威主義的思考様式の浸透が成功した場合、
国民が自己の利益を見失い、自ら権利や自由を放棄することだってあり得るからだ(「自由からの逃走」現象)
それゆえに、多数決によっても侵し得ない価値(人権・自由)を守るべく、
多数決を徹底するのではなく、少数意見も十分尊重した自由主義的民主主義(立憲民主主義)を採用し、
権力者をきつくしばっておく必要がある。改憲へのハードルを上げておくのも権力者をしばるための重要な手段。
このように立憲民主主義(自由主義的民主主義)と単なる多数決民主主義(多数者支配民主主義)は、似て非なるものなのである。
安倍首相と安倍支持者は、民主主義とは後者のことであると思っているのかもしれない。
いや、それとも、前述したとおり、立憲民主主義を理解しつつ、立憲民主主義の破壊をたくらむ確信犯か。
すくなくとも、安倍首相に入れ知恵していると思われる邪悪なブレーンの方々は後者だろう。
■馬鹿なポピュリズムを生み出す改憲論(ジャーナリスト・田中良紹氏)
私は改憲論者である。日本国憲法が一度も変更されずにきたことを良かったとは思っていない。
しかしだからと言って憲法の改正手続きを緩和しようとする96条改正には反対である。
憲法記念日に96条緩和を主張する改憲派の理屈を聞いて反吐が出そうになった。
「憲法を国民の手に取り戻す」などと馬鹿な事を言ったからである。
96条改正を言う者は民主主義というものを理解していない。
国民にすべてを判断させるような言い方はいかにも国民主権を尊重しているように見えて、これほど民主主義を駄目にする考えはない。
史上最も民主的だと言われたワイマール憲法がヒトラーの独裁を生み出したように、
さかのぼればギリシアの直接民主主義が有能な指導者を失えばすぐに堕落したように、
国民にすべてを判断させるというポピュリズムは民主主義を破壊するのである。…
日本人の大いなる勘違いに多数決がある。
日本人は多数決が民主主義だと思っている。さらに過半数で決めた事は正しいと思っている。とんでもない話である。
…「憲法を国民の手に」などと甘いポピュリズムを振りまくのは、世界から馬鹿にされるだけの話である。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakayoshitsugu/20130503-00024711/
■立憲主義の危機を目の前にして(川口創弁護士)
96条改憲を言う人達は、日本の改憲手続きが厳しいと言っていますが、アメリカやドイツは日本より改憲手続きは厳しいです。
この96条を改正して「過半数」に緩めてしまえば、たとえ国民投票が必要だとしても、単なる「多数者支配民主主義」になってしまい、
日本はこの時点で「立憲民主主義国家」とは言えなくなってしまいます。
http://kahajime.exblog.jp/20341992/
■「民主主義、そろそろやめにしませんか?」という自民の提案
自民党は、白昼堂々、わたしたちに次のような提案をしているのだ。
「民主主義、そろそろやめにしませんか?」
この提案に、わたしたちは、どう反応すべきなのだろうか。
それこそが今、わたしたちひとりひとりに問われているのだと思う。
http://magazine9.jp/soda/130417/
この場合の「民主主義」とは、立憲民主主義のこと。
■日本国憲法は「傑作」ではあるものの、全く不備がないわけではない。
数十年後か、数百年後かは分からないが、日本の民主主義が格段に成熟し、
日本国憲法よりも優れた条文を書いて成立させる能力が身についた暁には、もちろん改正すべきだと思う。
そのために、日本国憲法自体、改正可能なように定められているのだ。
しかし、誠に遺憾ながら、現代の日本人が憲法を改正しようとしても、改悪にしかならないことは火を見るより明らかだ。
それは、なぜか。
■まず、先日の参院予算委員会の質疑で暴露されたように、改憲運動の急先鋒である安倍晋三首相は、
憲法学の大家である芦部信喜教授の存在すら知らず、したがって戦後の憲法解釈を全く勉強していないし、勉強する気もない。
そのような不勉強で怠慢な首相が主導する憲法改定が、
実りあるものになるとは想像がつかないのだ(GHQの起草者たちとは大違いだ)。
■実際、自民党が作った改憲案はあまりに酷くて、お話にならない。
一言でいえば、「日本は民主主義をやめます」という内容である。
ワイルズ博士が「この第四条を削除すれば、日本がファシズムへの扉を開くことは、避けられないと思いますよ」と危惧した通りである。
■日本国憲法は、その草案がGHQによって一週間ほどで書かれた事実からしばしば「インスタント憲法」と批判されるが、
自民党は「自主憲法の制定」を目指した結党から60年近くかけてこんなお粗末なものしか書けなかったのかと思うと、
その無能力ぶりと不見識ぶりに唖然とせざるを得ない。
■(自民党案では、)憲法が縛る対象が、国家権力ではなく国民になっている。
近代的立憲主義では、憲法とは「個人の権利・自由を確保するために国家権力を制限する」(芦部信喜『憲法』(岩波書店))ことを目的とするが、
そのコンセプトを真っ向から否定しているわけである。
自民党改憲案が、しばしば「憲法としての体裁さえなしていない」と批判されている所以だ。
http://magazine9.jp/soda/130417/
■愛する日本の憲法が、北朝鮮憲法にならないように(津久井進弁護士)
近代国家が創り上げた「立憲主義」を捨て去る点が,北朝鮮と自民党憲法改正案の共通点です。…
憲法96条の歯止めを失ったとき,私たちは愛すべき国を失うこととなるでしょう。
http://tukui.blog55.fc2.com/blog-entry-914.html
■改憲の本音を吐露した自民改憲草案前文
驚くべき「憲法」観である。
ここには、「人権を保障するために、権力の制限と分立を定めた統治機構を規定する」という近代立憲主義を貫く大原則は見事にきれいさっぱり放棄されている。
おそらく世界中でこれほど馬鹿げた前文を持つ憲法はどこにもないだろう。…
18世紀の市民革命以来、世界各地の人民が積み重ねてきた人権思想も近代的国家観も廃棄して、アメリカに付き従う以外は、
日本の島国で孤立した天皇制国家に引き籠ろうというのである。…
こんな代物は到底「憲法」と呼べるようなものではなく、これでは北朝鮮の「金王朝」を嗤う資格など全くない。
http://d.hatena.ne.jp/asobitarian/20130511/1368250007
■自民党改憲案第21条2項は、「公益および公の秩序」の名のもと、集会、結社、出版、表現の自由に規制をくわえようとするものです。
まさに、戦前の治安維持法を復活しようとするもの。
こんな酷い改憲案を自民党が出していることはあまり知られていないのではないでしょうか。
https://twitter.com/workers_report/status/317274522283823104
現行憲法の「公共の福祉」=人権相互がぶつかり合う場合、実質的な公平のためのに人権の発動について一定の調整をおこなうという原理。
自民党改憲案の「公益及び公の秩序」=国家に関する利益や秩序を守るために人権を制限しようというもの。
おなじ「公」という文字を使っていも似て非なるもの。
https://twitter.com/workers_report/status/315337864596574208
■自民党の憲法改悪案を一言でいえば、国民は権力支配層の奴隷になれ、という命令書である。(ノンフィクションライター・林克明氏)
ほかの理由も含めて日本は世界の孤児になるかもしれない。
少なくとも先進民主主義国の仲間からは外されるだろう。
独裁勢力の自民党と日本維新の会の伸長を抑えることが今年の政治の最大のテーマである。
https://twitter.com/hayashimasaaki/status/307319397272395777
いろいろ問題はあるが、自民党の改憲案のひどさにあらためて驚いている。こんな憲法を導入したら、世界の笑いもの。
三流独裁国家に転落である。
自民党に投票した人の大半が改憲案を読んでいないのは言うまでもない。
https://twitter.com/hayashimasaaki/status/307849805730816000
自民党の改憲案は治安維持法そのもの。言論表現の自由、結社の自由を公共の秩序の名の下に制限する。
改憲に賛成する人のほとんどは案を読んでいない。
これを少しでも広めたい。
https://twitter.com/hayashimasaaki/status/352766416983818240
■森永卓郎氏 安倍自民の憲法改正案は生活保護や年金削る狙い
安倍自民党が提示した憲法改正草案の24条には、「家族は、互いに助け合わなければならない」という条文が追加されている。
わざわざ憲法に書くようなことかと疑問をもつ内容だが、実はちゃんと意味がある。
要するに、生活保護や年金などの社会保障を国に求めず、家族が面倒をみろと明言しているのだ。…
自民党は高校の無償化や高速道路の無料化、子ども手当(児童手当)の削減を検討しており、今後、家庭負担の大幅増が見込まれる。
この自民党憲法改正案には、憲法を改正したら社会保障をバッサリ切る狙いが隠されている。
http://www.news-postseven.com/archives/20130113_165933.html
■自民党の改正草案が示す復古調の条文が待ち構えている。
「24条の『家族の助け合い義務』が盛り込まれれば、
それを理由に生活保護や社会保障の切り詰めといった国家に都合の良い法律制定が可能になり、
古い家制度を押しつけられてシングルマザーや同性婚といった多様な家族のあり方も否定されることになってしまう」(伊藤真弁護士)
http://mainichi.jp/feature/news/20130409dde012010003000c3.html
■安倍政権はヤンキー精神?ヤンキー語で憲法改正案を解説 精神科医・批評家の斎藤環氏(筑波大教授)
自民安倍政権や日本維新の会などの政策を支える「ヤンキー的思考」についての指摘は「個人の権利や自由」よりも「伝統」や「規律」、
「知性」よりも「気合い」を優先しがちな日本人の精神性を浮き彫りにし、注目を集めている。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130617-00000849-playboyz-pol
■安倍首相 本当に無知だった!憲法論争で一言も答弁できず
よくもまあ、この程度の知識で「改憲」を掲げられたものだ。
大新聞テレビは、ほとんど報じていないが、安倍首相の国会答弁があまりにも酷いとネット上で話題になっている。…
「正直、安倍首相は、あまり優秀ではない。憲法も経済もほとんど理解していないでしょう。
アベノミクスなどともてはやされているが、経済も本当はチンプンカンプンのはずです」
こんな男が「政治は結果だ」と威張りちらしているのだから、日本の政治は末期的だ。
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-8398.html
■安倍首相の芦部憲法を知らない発言で再燃する自民党改憲案の問題
空気が汚染されて有害になってからでは遅いのである。
前述のように、公益と公の秩序で国民の権利を不当に制限することを容易にし、
憲法97条を全部削除する自民党の改憲案は、我が国の貴重な空気を汚す中国のPM2.5と同じぐらい有害なのであって、
国民はこの貴重な憲法の貴重な規定を国家権力がむやみに弄ることがないよう十分に警戒しなければならない。
なお、憲法が国家を制約する原理という基本中の基本がわからず、その重要性すら理解出来ない人は、
映画やミュージカルの「レ・ミゼラブル」でも見て、人類が如何なる状況から天賦人権の考え方に立脚し、
近代的立憲主義を勝ち取りその犠牲がいかに尊いものだったか考えてほしい。
以前にもブログ記事「映画、『レ・ミゼラブル(Les Miserables)』の評価
― 映画から読み取る政治、社会問題に関するメッセージの一考察」で解説したが、
あのミュージカルは勉強する上で大変良い教材である。
http://esquire.air-nifty.com/blog/2013/04/post-b7b2.html
>憲法97条(基本的人権の本質=侵すことのできない永久の権利、最高法規性を規定)を全部削除する自民党の改憲案は、
>我が国の貴重な空気を汚す中国のPM2.5と同じぐらい有害
■湯浅誠さんが語る“生きる”むずかしさと憲法
“生きる”ことが、とてもつらい社会。格差が拡がり、貧困が深刻さを増し、結婚や子育てもままならない。
だのに、いや、だからこそ人びとは、民主主義の面倒くささをスッ飛ばす政治に期待を寄せ始めているように見えます。
そんなきわどい状況に私たちはどう向き合っていくのか。
http://blog.livedoor.jp/hisen_shimin/archives/50757445.html
自民党&維新の憲法案は、国民の権利・自由を奪い、国民に多くの義務を課す全体主義的憲法案。
自民党&維新の憲法案は、非権力者の国民にとっては百害あって一利なし。デメリットばかりで、メリットなし。
今以上に、息苦しい社会になる。今以上に、生きにくい社会になる。
ますます、“生きる”ことが、とてもつらい社会になっていく。
■改憲バスに乗る前に(ジャーナリスト・江川紹子氏)
マスコミも改憲ありきの雰囲気になっているし、よく分からないけど96条だけなら変えてもいいかも…という人がいるかもしれない。
でもそれは、行き先も確かめずにバスに飛び乗るようなもの。
バスに乗る前に、切符を買う前に、行き先と停まる停留所は確かめよう。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20130503-00024690/
【補記】
参院選で、自民党が過半数を獲得した場合、実施が予想される安倍政権の政策等
●公共料金(電気・ガス・水道)&生活必需品(食品・日用雑貨・ガソリンなど)の価格のさらなる値上げ、住宅ローン金利のさらなる引き上げ
●風邪は窓口7割負担、少額の治療費は全額負担、そして70〜74歳も75歳以上も1割→2割負担(産業競争力会議【議長・安倍晋三首相、3月29日】で報告された内容)
●増税・増保険料(現時点においても、健康保険料の大幅値上げに役所などに問い合わせや苦情が殺到しているという。負担額倍増以上の人も多数)
●「死亡消費税」導入(金持ち以外からも、税金をブン捕ってやろう、ということ。早い話、控除のない相続税の拡大)
●年金支給年齢68歳引き上げ (2004年に約束した「100年安心プラン」はどうなった!自民党政権は詐欺だ!)
●失業手当受給資格要件厳格化等(受給に必要な被保険者期間6か月→12か月、加入要件31日以上雇用見込み→6か月以上雇用見込み、給付日数短縮)
●残業代ゼロ法案(ホワイトカラー・エグゼンプション制度)
●日本全国の“ワタミ化”いや“ブラック化”か(「365日24時間、死ぬまで働け!」【自民党比例区候補の渡邊ワタミ会長】 )
●「限定正社員」制度(事実上の「正社員の非正規労働者化」→非正規労働者の拡大→貧困層のさらなる増大へ)
●生活保護法改悪(“水際作戦”合法化、扶養義務強化。困窮しても、事実上、利用できない制度へ。“最後のセーフティネット”は生活保護制度から刑務所へ!?)
●児ポ法改悪(単純所持逮捕、アニメ漫画規制等)
●憲法第96条改悪(憲法改正手続きを定めた憲法第96条の改悪は、自民党・維新が目論む国民の権利・自由を奪う「憲法の全面改正」への突破口として利用される)
●原発推進(原発再稼働、新増設、そして原発輸出【注】すでに、安倍首相は、原発輸出の「トップセールス」にまい進中)
自民党に投票する人は、以上の政策の実施に賛成だから、投票するのだろうか?
自分の暮らしはよくなったのか。
あるいは、上記の政策を実施すれば、自分の暮らしはよくなるのか。
よく考えて投票することをお勧めしたい。
自民圧勝なら社会全体が暗黒化 大企業が優遇され、ブラック化が進み、労働者がボロ雑巾扱いされる。
ブラック企業にイエスかノーか。これも参院選の大きな争点なのである。
【補記2】
■いかがわしい安倍晋三の側近・西村康稔のベトナム買春を相手ホステスが告白
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20130627/1372342644
■安倍側近・西村康稔副大臣 ベトナム買春を相手ホステスが告白! (週刊文春)
http://www.asyura2.com/13/senkyo149/msg/838.html
■安倍晋三首相側近の徳田毅、西村康稔、佐田玄一郎の弛み切った秘部に「3本の矢」が命中し政権の前途に暗雲 (板垣 英憲)
http://www.asyura2.com/13/senkyo149/msg/891.html
■自民議員買春と慰安婦否定の関連 連中が中枢にいる安倍内閣の腐敗 (日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/13/senkyo150/msg/216.html
■安倍政権の火種、自民党幹部に相次ぐ売春疑惑…1回20分×2でお値段4万円?
http://biz-journal.jp/2013/06/post_2398.html
■「2人とも安倍首相の側近である。自民党とは幹部にこういう人物のいる党である−買春事件:平野 浩氏」 (晴耕雨読)
http://www.asyura2.com/13/senkyo149/msg/883.html
■《安倍内閣徳田政務官辞任(自民党)》「泥酔状態で無理やり性的関係」と主張 当時19歳女性が提訴、1千万円で和解成立
http://www.asyura2.com/13/senkyo143/msg/557.html
■徳田虎雄Jr. 女性問題で辞任 政務三役のスキャンダル連続炸裂のウワサ (ZAKZAK)
http://www.asyura2.com/13/senkyo143/msg/494.html
■自民党「徳田毅」代議士が慰謝料1000万円の「未成年女性」泥酔姦淫 週刊新潮
懲役5年の「内柴被告」と同じ穴の「国土交通大臣政務官」
http://www.asyura2.com/13/senkyo143/msg/544.html
■懲役5年の内柴正人とどこが違う?政務官辞任の徳田毅「嫌がる19歳泥酔させて性行為」(J-CAST)
訴状に「泣きながら『やめてください』と繰り返したが、原告は被告の着衣を脱がせ…
http://www.asyura2.com/13/senkyo143/msg/659.html
■徳田性暴力:追及へ女性有志の会!/維新なぜか賛同者ゼロ!(京都政経調査会)
http://www.asyura2.com/13/senkyo143/msg/753.html
■徳田前政務官 2000万円迂回寄付発覚 オンナの次はカネだ。(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/13/senkyo143/msg/894.html
この行為が行われたのは徳田議員の新婚時代で、盛大な披露宴から半年あまりのことだったというから、
徳田議員のモラルの低さは人並み外れているといえるだろう。…
新潮はこれをもって、(自民党の徳田前政務官について、)先日、準強姦罪で実刑判決を受けた内柴正人被告と同じである、と一刀両断している。
http://news.livedoor.com/article/detail/7384832/
■前出の森田実氏は「持たざる者、恵まれない人々に光を当てるのが、本来の政治家の務め。
腐りきった自民党の体質こそ、参院選の第一の争点にすべきです」と言っていたが、本当だ。
異常な女性観に支配されたモラル無き政治家を許していいのか。
有権者は今度の選挙でキッチリと答えを出すべきだ。
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-9196.html
【補記3】
■ふざけるな、国民年金(基礎年金)68歳に引き上げ/自民党政権失政のツケを国民に回すとは!安倍内閣の正体見たりだ!
http://www.asyura2.com/13/senkyo150/msg/620.html
■年金支給開始を68とか70からにする(維新の怪)…庶民の皆さん!それでもこの党にお熱を上げるのですか?/維新は全員落選を
http://www.asyura2.com/13/senkyo150/msg/703.html
参院選の大争点 ブラック企業はイエスかノーか/自民党が圧勝すると、日本のブラック化が進み、労働者がボロ雑巾扱いされる
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/830.html
社説:アベノミクス 国民主役の成長戦略を/安倍政権の本質は、たった1%の富裕層のための政治(トリクルダウン経済理論)
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/588.html
社説:エネルギー白書―しっかり色付きですね/安倍政権は、原発推進政権だ!
http://www.asyura2.com/13/genpatu32/msg/295.html
佐田玄一郎議運委員長「議員実績ないがあっちは大好き」20歳女子大生と4万円でエッチ2発/こんな党(自民党)には投票しない
http://www.asyura2.com/13/senkyo150/msg/487.html
安倍側近・西村康稔副大臣はベトナムで「ホステス3人の持ち帰り」4P買春疑惑/こんな党(自民)に参院選で大勝させていいのか
http://www.asyura2.com/13/senkyo150/msg/574.html
証券役員 アベノミクスの“恩恵”/報酬1億円超続々/大手2社 2人→10人に/その一方、低所得層の家計は苦しくなるばかり
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/804.html
自民党・石破議員が女をおねだりしてSEXか?(月刊噂の真相)
東ドイツ秘密警察「石破茂氏は北朝鮮で美女をあてがわれた」(週刊現代)
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/giin/1297009422/l50
風邪は7割負担に!?アベノミクスで医療破壊
http://ameblo.jp/takumiuna/entry-11529746250.html
本誌が追い詰めた安倍晋三首相「相続税3億円脱税」疑惑
http://www.asyura2.com/07/senkyo41/msg/1134.html
立花隆『週刊現代』に寄稿 安倍首相「三億円脱税疑惑」水面下の攻防 (権力とマイノリティ)
http://www.asyura2.com/07/hihyo6/msg/451.html
自民、国有地「未納15億円」告発された! (日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/13/senkyo150/msg/331.html
自民党 土建屋に請求した「4億7100万円」
税金の大盤振る舞いでカネをせびる
「まるで請求書。巨額の公共事業の見返りに献金を求めることは、最悪の利権政治だ」
汚職栄えて国滅ぶ――。
それでも日本人は安倍自民党に一票を投じるのか。
だとしたら、日本人はみんなマゾヒストだ。
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-9219.html
ブラック自民党はダメ。加えて、アベノミクスもダメ。
第一の矢の金融緩和はともかく、
第二の矢=巨額の公共事業(裁量的財政出動)の見返りに巨額の献金(事実上のわいろ)を建設業界に強要する旧態依然たる利権政治、
第三の矢=シロアリ官僚主導の補助金バラマキなど。
こんなことをまだやっているようでは、そのツケは、近い将来、大増税、社会保険料大幅引き上げ、
そして年金支給年齢引き上げなどの社会保障大幅削減という形になって国民に回されるだろう。
大半の国民にとって、自民党に投票するということは、自分で自分の首を絞めるようなもの。
参院選で自民党に一票を入れようと考えている有権者は、よくよく考えた方がいい。
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