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吉田元所長を英雄扱いするテレビの見識
http://gendai.net/articles/view/syakai/143372
2013年7月11日 日刊ゲンダイ
事故を防げた可能性
どうも釈然としない。テレビ各局は食道がんで急逝した吉田昌郎・元東京電力福島第1原発所長(58)を英雄のように報じている。10日も朝から大々的に取り上げていたが、どの局も「彼がいなかったら大惨事だった」などと持ち上げた。このスタンスに違和感があるのだ。
「本店の命令を無視して原子炉への海水注入を続けたことが日本の危機を救った」「各界から悼む声が上がっている」――。ワイドショーで繰り返し流された吉田氏の姿は、国民を放射能汚染から守ったヒーローのようだった。もちろん、原発事故直後、吉田氏が「死の恐怖」と対峙(たいじ)しながら不眠不休で現場の陣頭指揮に尽力したことは事実だろう。とはいえ、公務中に殉職して「2階級特進」した警察官のように扱うのは明らかに変だ。
「吉田氏の事故当時の肩書は『執行役員』。経営幹部なら、事故を起こした責任は免れない。しかも、東電が08年に想定外の津波の可能性を把握した際、彼は対策を先送りした原子力設備管理部の部長だった。原子炉への海水注入をめぐって本店幹部とケンカするほどの反骨心を持っていたのなら、事故前に安全対策に万全を期すよう大ゲンカしてほしかった。強く主張していれば、事故は防げた可能性があるのです。だから、事故後の対応は、自らの失態を必死に挽回しようとしただけとも言える。それなのにテレビは『被害を最小限に食い止めた』などとヨイショしている。事故から2年半近くなっても、約15万人が故郷に帰れない現実をどう考えているのでしょうか」(経済誌記者)
ジャーナリストの横田一氏がこう言う。
「原発の事故原因が津波なのか地震なのか、いまだに分からない中で、吉田氏には国会などのオープンな場で事故当時の様子を語って欲しかった。原発の安全性を語る上で、彼が知り得たことは重大な意味を持つ。なし崩しに進められようとしている原発の再稼働を左右する重要なキーマンだったと言ってもいい。メディアは吉田氏の一面を取り上げて大騒ぎするのではなく、あらためて、原発が抱える問題や東電の隠蔽体質も含めて報じるべきでしょう」
原発事故当時、国や東電の言い分をタレ流し続けていたテレビの体質は今もまったく変わっていない。
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